+++サクヒンビビエス+++
■サイトや新作の宣伝にどうぞ。
同盟トップへ
創作FT・童話風の小説メイン、児童文学・YA小説・童話好きな方に。コミティア83 け30b 「N書房」【ナナシノハナシ】 第2クール 「たべもの」+++++++++++ 1匹のライオンが、おんおんと泣いていました。ライオンはとてもとても悲しくてしかたありません。ライオンは盛大な声を上げて泣きました。道の真ん中で、夜も昼も雨の日も泣き続けました。ライオンの涙はいつまでもいつまでも、たてがみを濡らし続けました。 そんなライオンの下に、1人の男がやってきました。男は道の真ん中で泣いているライオンを遠くから恐る恐る見ていたのですが、ライオンがずっと鳴き続けるもんですから、ついに近づき聞きました。「ライオンよ、何をそんなに悲しんでいるのだ」 ライオンは男の言葉に、おんおん泣きながら言いました。「俺はとても罪深いライオンなんだ。さっき食べたウサギが俺の中で泣いているんだ、だから俺は悲しいんだ。ウサギだって俺に食われなければもっと長生きできただろうに、もっと野山を駆け回りたかっただろうに」 ライオンは大きな鼻水をずるるっとすすり上げて言いました。ライオンのたてがみは、すっかり鼻水と涙で固まってカチコチになっています。男はこっそりと、これではライオンの威厳もないなと思いました。男はライオンを自分よりも弱いと思いました。なので、ライオンに向かって優しい声音で言ったのです。【たべもの】より
創作FT・童話風の小説メイン、児童文学・YA小説・童話好きな方に。コミティア83 け30b 「N書房」ナナシノハナシ 第2クール 「燃えあがる」「楽の音」+++++++++++「ナナシさん、音楽は好きかい?」 弦の楽器を持つ髪の短い青年が、旅人に聞きました。 旅人は少し首をかしげ考えましたが、肯定を示すように笑って頷きました。それを見て青年も、にこりと笑い弦を鳴らしました。「今から宴だ、旅人さんも好きに踊ったり歌ったりするといいよ。音は、ぼくらの生命だ」 青年が少しかしこまったように旅人にお辞儀をします。それから指笛を空高く鳴らすと、その合図を聞いたかのように、周囲の人々がそれぞれの楽器を鳴らし始めます。それは次第に繋がって、漣のように広がり、リンクして、大きな音の洪水になりました。吹き上げる音の飛沫が、旅人に降りかかります。 打ち鳴る太鼓の音、さえずる笛の声、空気を振動する弦のさざめきは、天を貫くようにくるくると上っているように、旅人には見えました。空の虫食いたちが、呼応するように輝きました。【楽の音】より
当サイトにて連載中の「Mirror World」番外編のボイスドラマ前・中・後編を公開しております。(イメージボイスも公開中)内容はギャグでパロディ。メインキャラクター総出演となっております。今後も、ボイスドラマやキャラクター同士の掛け合い等のボイス企画を予定しております。どうぞ宜しくお願いします。
オリジナル音楽サイトです。ジャンルは、女性ボーカルの「アニソン風ファンタジックメタル」です。内容は、ドラゴンあり、魔法あり!のファンタジーとなっております。CDは冬コミと全国同人音楽ショップで発売予定です!試聴も可能ですので、是非いらしてくださいね。************〜物語〜守護神である白き良きドラゴンに守られていた世界だったが、悪しき魔女・ダリアとの戦いに敗れた守護神は、ある日を境にその姿を消してしまう。そんな世の中が混乱している時代のお話。海に浮かぶカルミア島では、古くからエルムという光の魔術が伝えられている。この平和な田舎の島に突如、ダリアの使い魔である黒きドラゴンが襲いかかった。火の海へと化した村から逃げるべく、メイ・リリーとその幼馴染の青年シオンは浜辺に身を潜めたが、やがて魔女に見つかる。反射的にメイを庇ったシオンは石化魔法をかけられてしまい、その姿を見たメイは、深い悲しみと魔女への憎しみに包まれる。彼女は幼馴染を元に戻すため、冒険へと旅立つことに決めたのだった。そして、旅を進めるごとに、獣人族の少女ホップとドラゴン研究者のロべリアを仲間に迎えた。旅路を急ぎ、やっとの思いで魔女の住むヘリアンサス地方へと足を踏み入れた彼女達であったがその時はまだ、一寸先に予想もしない結末が待ち構えていることを誰も知らなかった……
どこまでも、どこまでも高い天上。この空はこんなに哀しかっただろうか。この空はこれほどに遠いものだっただろうか。二度と手の届かない、二度と触れることの出来ないそのあたたかさ。*******オリジナル長篇FT『TOEARTH SAGA』リクエスト番外編SSをUP。★メリクリフリー絵配布中!
サイト改装しました。(IE推奨)テキストを一時取り下げました。ドメイン取得に伴い新アドレスになりました。最新画像⇒クリスマス絵アップしました。
『忘るるな。惑わされるな。もう二度と』 過去を懐かしむような、それでいて憐憫と後悔を滲ませたような雰囲気に、二人はいぶかしげに顔を見合わせる。『そなたらを、信じているぞ。どうか彼を……彼らを哀しき輪廻から救ってくれ』龍に導かれし世界の<鏡>水底に沈むは、もう一つの世界への<扉>。*******オリジナル長篇FT『TOEARTH SAGA』第三話第1章の3−2UP。
(・・・・・・さーて)なるべく音を立てないように、アハトは歩く。徐々に近づいて見える影は少女と猫の影。おそらくあの少女が「クレア」で猫が「アル君」なのだろう。おそらく、普通の人間と猫のコンビじゃない。猫が喋っている時点で、否、彼女たちが放つオーラを感じ取る時点で、彼らは普通の世界とは一線越えた世界にいるような、人物なのだろう。「そこでなにやってるんだよ」「うわぁ!」「ほら見つかったよクレアぁ!」一言声をかけただけだというのに、この謎の二人組(正確に言うと一人と一匹)は尋常ではない声を上げて騒ぎ出した。「おばけおばけ!!」などと言いながら。「誰がお化けだよ」「うわぁ!生きてる!!」「クレアぁ、この人お化けじゃなくて天使だよ〜」「正確に言えば堕天使って奴だけどね」そう言って、アハトは一つため息を吐いた。自身で自身が天使だと認めたのはつい最近のことなのだ。それなのになぜこうも冷静に自分は天使だと真実を口にできたのか。謎だ。さらにいうなればこの発言を聞いている目の前の彼女らや以前に発言したときにいたセシル以外の誰かがいるかもしれない、なのになぜ、その事が分かっていながらこんな発言をしたのか。軽く後悔を覚えながら。「・・・堕天使ってなにしたのさ、お兄さん」「ちょっとね」*****11/4ダークファンタジー中編「kaleidoscope」Act.4を更新しました。よろしければどうぞ。