日本人は有史以来海外に学び受けた刺激を、最も究極の形として進化継承し育てて来た文化があります。それは小学校に入学する頃から、日本の基本的スタンスとして工業立国を教えられ、その代表的な例が資源の無い国である事を教えられ、資源の無い国の生き方を教え込まれる。又日本の子供の身の回りには工業製品が溢れ、それをオモチャにして遊び、分解し復元して自分用に改造する事を覚える。
　それは小学校の高学年にもなれば身の回りの機械工具の最も効果的な使用方法を覚える。この事は生まれながらにして工業社会の一員として科学の世界を理解しているに等しく、その後の進路決定にに大きく貢献し、選択肢の裾野を広げる。
　たかが工具と思う無かれ、サルから進化した昔、人間は道具を作り使う事から脳が刺激され今日に至っています。進化は道具の開発の歴史であり、人種の違いにより道具が違っているのは、進化の必然から当然の事でありその証明である。
　ところが生まれた国によっては働きに出る年齢で、機械工具に接する人もいます。
　したがって最も効果的な使い方を知らず日本人を、見よう見まねで工具を使うがネジは締まらないし緩まない。その事は大きなハンディーであり、職業の選択、進路の可能性の幅を狭めるのみならず、脳の思考回路そのものの単純さを意味し、応用性が無く、選択できる職業は限られる。これは本人の問題以前に、その生まれた国そのものに問題があると私は思います。個人の技量ではどうにもならないその国のＤＮＡとしか言いようが無い。日本人のＤＮＡは生まれながらにして工業人としての資質を持って生まれ育って来ます。理科離れが進んでいる事も事実なら、日本人が他に秀でた理科人である事も声を大にして伝えるべきで、工具の効果的な使い方を知る事が、見えない金型の中で部品が出来上がるプロセスを理解する事に通じる。
　資源の無い日本は世界の国々でその国のＤＮＡを見極めながら物作りの先頭に立たねばなりません。自身のＤＮＡを信じて。