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オースター新作
schazzie [ Home ] [ Mail ]
Oracle Night (Ay Adult - Auster)/Paul Auster (著)
U.S. 定価: $23.00
定価: ¥2,510
価格: ¥2,134
OFF: ¥376 (15%)
発売予定日は 2003/12/01 です。
ただいま予約受付中です。
ハードカバー: 256 p ; サイズ(cm):
出版社: Henry Holt & Co ; ISBN: 0805073205 ; (2003/12/01)

No.34 2004年02月17日 (火) 01時02分

 

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[190] The Book of Illusions From:schazzie  REPLY
2003/03/08 23:32
印象的な書き出し

ポール・オースター(Paul Auster)の最新作『The Book of Illusions: A Novel』は、書き出しが非常に印象的です。この部分を読んだだけで、もう読者は作品世界に入り込んで ―― この物語の主人公へクター・マンと同じように ―― 、決して現実の世界に戻ってくることはないかもしれません。

Everyone thought he was dead. When my book about his films was published in 1988, Hector Mann had not been heard from in almost sixty years. Except for a handful of historians and old-time movie buffs, few people seemed to know that he had ever existed. (誰もが彼のことをもう死んだものと思っていた。彼の映画をめぐる私の研究書が出版された1988年の時点で、ヘクター・マンはほぼ60年消息を絶っていた。一握りの専門家と、古い映画のマニアを除けば、彼がかつて存在していたことすら知る人はほとんどないように思えた。[柴田元幸訳]) ―― Paul Auster 『The Book of Illusions』 ※2003年2月現在、邦訳未刊

小説の書き出しは、作家にとっても、読者にとっても、非常に大切です。作家は、読者を惹きつけるために、その部分を何度も何度も書き直します。一方、読者は、その作品に入り込めるかどうか、さながら自分が手にしたカギが魔法の部屋のドアにあうかどうか確かめるように、じっくりとそこに目を通します。

But he didn't return, and from that point on it was as if Hector Mann had vanished from the face of the earth. (だが彼は帰ってこなかった。それを境に、へクター・マンはこの世界から消えてしまったように思えた。[柴田元幸訳]) ―― Paul Auster 『The Book of Illusions』 ※2003年2月現在、邦訳未刊

すべてを忘れて1つの作品世界に完全にのめりこんでしまうのが読書の最大の楽しみであり、「活字の力」はそれを可能にしてくれます。
No.33 2004年02月17日 (火) 01時00分

 

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[188] オースター新作! From:schazzie  REPLY
2002/06/30 04:13

The Story of My Typewriter/Paul Auster (著), Sam Messer (著)
U.S. 定価: $20.00
円相当額: ¥2,488
価格: ¥2,239
OFF: ¥249 (10%)
この本の出版予定 2002/07 です。
ただいま予約受付中です。
ハードカバー - 72 p (2002/07)
Distributed Art Publishers (DAP) ; ISBN: 1891024329 ; サイズ(cm):
Book Description
This is the story of Paul Auster's typewriter. The typewriter is a manual Olympia, more than 25 years old, and has been the agent of transmission for the novels, stories, collaborations, and other writings Auster has produced since the 1970s, a body of work that stands as one of the most varied, creative, and critcally acclaimed in recent American letters. It is also the story of a relationship. A relationship between Auster, his typewriter, and the artist Sam Messer, who, as Auster writes, "has turned an inanimate object into a being with a personality and a presence in the world." This is also a collaboration: Auster's story of his typewriter, and of Messer's welcome, though somewhat unsettling, intervention into that story, illustrated with Messer's muscular, obsessive drawings and paintings of both author and machine. This is, finally, a beautiful object; one that will be irresistible to lovers of Auster's writing, Messer's painting, and fine books in general.
"It was never my intention to turn my typewriter into a heroic figure. That is the work of Sam Messer." Paul Auster
No.32 2004年02月17日 (火) 00時59分

 

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[181] 孤独の発明 From:ローラ  REPLY
2002/02/22 22:38
読んでいる途中、何度もおお、と思う所がありました。アンネフランク、私の中学生の日記は、彼女の日記にならって架空の友達宛でした。ものすごくこの日記には影響されました。
フェルメールの絵は大好きで画集も何冊かもっていて、どれも抱きしめたいぐらいです。
E.ディキンソンは、私がはじめて英語の詩で感動できた人です。この間のアマゾンで買った本の中でも詩集で真っ先に探したのが、彼女です。そうそう大掃除の時、GOLDEN TREASURYという大学の時の詩集が出てきて、この間もちょこっと読んでおりました。(この中ではじめてディキンソンを知りました。)

で、『孤独の発明』ですが、私はこれを読んで『血』ということを強く感じました。おじいさんからお父さん、そして主人公、また小さな息子。この連綿とした途切れのない繋がりにオースターがとてもこだわっている。おじいさんの写真はオースター家の秘密と共になくなっているけれど、その秘密をオースターは知ろうとする。

ユダヤ人は本当に迫害の歴史で、たぶん世界中でもっとも特殊な国民性をもっていると思っています。(国家体制で思想統一されている所は除いて)天才肌が多いし、非常に現実も重視するので金銭面のことに細かい、とオースターが父のことを言うのもわかります。金融街で成功した中にたくさんのユダヤ人がいますから。その一方で、芸術方面でも華々しいと思います。両極端のような気がします。

この本の中で一番私が惹かれたのは、マラルメの詩で、『私たちが死んではじめてこの子も死ぬのだ。』の所です。
このことは、生前の父と話したことだからです。父の妹が亡くなったとき、私が何かでマラルメのようなことを読んでがっかりしている父を慰めました。
人は二度死ぬのだと。一度は肉体で死に、二度目は覚えてくれている人がいなくなった時死ぬと。

父は言いました。『それじゃぁ、私が死ぬまであの子は死なないんだな。』
私は答えました。『私も覚えているから私が死なない限り生き続けるのよ。』

父の実像がわかりにくかったオースターは苦悩の海を漂っていますよね。でもそんな中でも息子のさまざまなことで心癒されている。(心配もしているが)三世代、いや四世代の流れを見ているようです。

長くてまとまりがなくてごめんなさい。


[182] 孤独の発明続き From:ローラ  REPLY
2002/02/23 06:39
やっぱり、夜書いたものって次の朝読み返してみると。ぎゃ=ですね。

ほんとまとまりないわ。

えっと、(気を取り直す)これ二つに分かれていますよね。私は後半の方が好きです。前の話があっての後の話ですが、断片的に書かれている一見脈絡ないエピソードの一つ一つが光っています。

本当は私こういう書き方って好きじゃないんです。びっちり活字が詰まっている方が好きです。だけどこれはするする読めました。

オースターの場合お父さんに反発するというのではなく、お父さんを知りたいのですね。おじいさんのこともお父さんの事を調べる過程で出てきましたから。これを読んでなんか父と子がすでにあっているのに、一度もあっていない親子がお互いを探しあうドラマなぞを思い出しました。

ヨブ記、学生時代『聖書』の時間で読んだけど、さっぱり忘れてます。あ〜。でもこれも息子がお父さんを助ける話ですよね。聖書の中には、ものすごく父と子の話が多いですものね。

朝でもまとまりなくってごめんなさい。
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[183] Re:孤独の発明続き From:schazzie REPLY
2002/02/23 07:50
『孤独の発明』は、1999年の大晦日か、2000年の幕開けに読んだんだと思うので、詳細はかなり忘れてます。
私は前半のほうが好きだったと思いますが、後半の答えが『リヴァイアサン』に繋がっているような気がしました。

ローラさんは詩にも詳しいので、感心していますが、私の場合は、詩についての言及の部分は、おそらく軽く流してしまっていると思います。まるで記憶にないですから。(^^;

ただただ、オースターの父親に対する思いに涙したという記憶だけが鮮明に残っていますね。普通亡くなった父親や母親のことは、どうしても美しく描きがちですが、彼は非常に純粋な目で見ており、たとえどんな父親であったにせよ、やはり血を分けた父親であり、その父親を感じたい、もっと知りたいという、今やもうかなうことのない思いがとても胸に響きました。

うちの父も無口だったし、私は中学から私立の学校に行ったため、家を離れてしまい、ほとんど話らしい話などしたことがないので、父についてもしかしたら何もしらないのかもしれないと思うことがあります。
それを限りなく後悔しているし、いなくなってしまったからこそ、近づきたいという思いが強くなったような気がします。
そんなところに共感を覚え、涙を流したのだと思います。

私もどうもとりとめがなくなってしまいました。父親についての話は他の作家でもいろいろありますが、共感を覚えたのはオースターだけです。それとメリッサ・バンクかな。
きれい事を並べたものは、嘘だと思ってしまい、むしろ嫌な気持ちになりますね。
No.31 2004年02月17日 (火) 00時58分

 

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[178] 田舎では・・・ From:ローラ  REPLY
2002/01/14 14:57
私の住んでいる所は、中程度の田舎、と思っているのですが、(何が中か?)レンタルビデオ店はやたらあって、その中のTSUTAYAに私はいつも通っています。

いまTSUTAYAでは、テーマ別のコーナーを作っています。
たとえば、はらはらどきどきもの、とか、心打つもの、とか、テーマごとに何本かずつまとめてあるのです。
『ルル・オン・ザ・ブリッジ』がその中の、ラブストーリーものに入っていました。吹き替えと原語と両方あったのですが、両方貸し出し中・・・私は基本的に吹き替えは見ないのですが、2日後行った時、吹き替えは返却済みとは言うものの、原語のほうは、また借りられてる・・・というわけでまだ借りていません。

むむむ・・・
どうしたんだろう??突然わが町に、ルル〜のブームが・・・
でもね、この映画を紹介している文が借りてみたくなるような書き方でした。歯を押さえながら見ていたので細かいことは忘れちゃったけど、(歯が痛いのにそんな所に行くなって!!!)上手な宣伝文句だなぁとつくづく思いました。

[179] つたや From:schazzie  REPLY
2002/01/15 00:17
つたやは新宿にもありますね。そこは結構マニアックなものも揃っているとかで、かなり有名です。

最近うちの近くのビデオ屋さんがつぶれてしまい、ビデオ1本借りるのに、わざわざ新宿のつたやまで行かなくてはならなくなってしまいました。ぐうたらな私のことですから、そうなったらもう借りないでしょうねえ。借りるのは借りても、返しにいくかどうか・・・。(^^;

「ルル・・・」はその潰れたビデオ屋から貰って、自分で持っているんですけど、ううう〜ん。
オースターの映画ってことでなければ、観ないだろうなあ。結末もちょっと気にいらないし。
言っても差し支えないと思うので、言ってしまいますが、あれは夢だったという「夢オチ」なんですよね。「ナルニア国物語」も最後は夢オチで、ファンタジーで夢オチは許せない!って思うほど、個人的には「夢オチ」って結末が嫌いな私なので、余計に面白くないのかもしれないですが・・・。

オースターの『TIMBUKTU』も結末は夢オチです。彼は夢オチが好きなのか、はたまた結末をどうしたらいいかわからなくなって、夢オチにしてしまうのか・・・。私的にはじれったい。
No.30 2004年02月17日 (火) 00時57分

 

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[176] 健忘症にかかった私・・・ From:ローラ  REPLY
2002/01/08 08:43
今日はこちらにもお邪魔します。
歯が腫れているので、パソコンたたいて気を紛らわせているのかしら・・ぐぐぐ・・・私の深層心理・・・

えっと、『ムーンパレス』の劇はオースターのもののようです。
いろいろ調べましたが、The Unofficial Paul Austerというウェブサイトに感想が載っていました。(ここからそのサイトに飛ぶやり方がまだわからないので、書き込むだけでごめんなさい。)

それから、私は去年末本の整理をしていて、自分の馬鹿に気がつきました。
私はオースター作品を読んだことがあった・・
柴田元幸を知っていた・・・ボーゼン・・・

柴田元幸と村上春樹の対談集『翻訳夜話』、読んだんじゃないですか!!私の馬鹿馬鹿!!!自分の読んだものさえ忘れるなんて、どうなっているんだ!!ふぅ〜

と自分に怒ったところで、村上春樹訳のオースター、う〜んやっぱり作家というのは、その人の作品で様々なことをメッセージとして読者に送っているので、どうしても読者は、『村上春樹』のオースターとして読んでしまうでしょうね。私もこの話は覚えているけど、オースターというよりも、村上春樹の訳という気持ちの方が強かったですもの。(忘れたことの言い訳にはならないけど・・・)

作家というのは翻訳に適しているようで、一番難しい立場にいるのかもしれません。ちょうど、映画の吹き替えで、有名俳優が吹き替えるのと、ベテランの声優が吹き替えるかえるのとどちらがいいかといったことのようにも思えます。(ちょっと違うけど)

純文学系の映画確かに虐げられているかもしれません。ほんと『サイダーハウスルール』なんて良かったんですけどね。(あれはヒットしたか)ちょっと昔すぎるけど、シェークスピアのものなんて古典なのに何度リメイクされたか(リメイクというかわからないけど)。この冬公開の『O』という映画もオセロの現代版らしく、改めて古典の偉大さを知った次第です。

『孤独の発明』がようやく手に入りましたので、ゴダードと並行読みしていますが、なんか最初から泣きそうです。また読み終わったら、こちらに来させていただきます。

(今回は間違いのない投稿を祈りつつボタンを押す私。ポチっとな)
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[177] 作家の翻訳 From:schazzie REPLY
2002/01/09 01:22
作家の翻訳といえば、鴎外のシェークスピアとかは有名ですよね。それに、漱石も上手かったらしい。

私、個人的に村上春樹が好きではないので、どうしても偏見を持って見てしまいがちなんですが、彼は鴎外や漱石のように文章が上手いわけではないから、自分の文体でしか文章が書けないんじゃないかと思います。
自分のスタイルに合った作家の作品を訳すのならいいかもしれないけれど、合わない作家は無理だと思いますね。

アーヴィングの『熊を放つ』も、春樹訳になってますが、実際最後にアップさせたのは柴田さんたち数人がかりだったんですし。
最初の訳に癖がついていると、後で直す人も大変ですよね。

レイモンド・カーヴァーはほとんど村上春樹の専売特許のようになってますが、私はそれ以外の訳が出るまで読まないと思っているので、どんな訳かわかりません。でも、カポーティーのクリスマスシリーズなんかはいいと思います。

そんなわけで春樹嫌いをばらしてしまいましたが、結構春樹ファンは多いんですよね。皆さん、怒らないでー!単なる好みですから。

本を読む時期やタイミングによって、読んだかどうか忘れてしまうものってありますね。そのときの自分の気持ちが本に入り込めていれば、覚えているだろうし、あんまり共感がなければ、忘れてしまう。たくさん読んでいると、ありがちですよ。

私はたまたまサイトに記録しているので、最近では忘れることはなくなりましたが、その前には何度同じ本を読んだことか!ローラさんだけじゃありませんから心配しないでねー!(^^;

『孤独の発明』、ローラさんなら絶対泣くと思います!じっくり読んでください!
No.29 2004年02月17日 (火) 00時56分

 

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[171] ムーンパレスの劇、それから翻訳のお話 From:ローラ  REPLY
2001/12/27 07:32
ムーンパレスのことを昨日友達に話していたら、今年の6月ごろ新国立劇場でムーンパレスの劇をやっていた、というのですが本当ですか?

もし本当なら、どのような脚本なのだろう?
どのような演出なのだろう?
どの様な人たちが演じているのだろう?

と、???が続きます。場所が場所なので、アングラとかではないと思いますが・・・映画にすら難しいと思った私は甘かった・・・

翻訳の話ですが、私の読んだ柴田さんの訳は2冊のみなので大きなことは言えませんが、素人として言わせてもらえば、本当に日本語がうまいです。原書と読み比べるのをやってみたくなるくらいこなれていると思います。翻訳の小説って、絶対どこか引っかかるところがある。(ことが多い)つるつるおそばを食べているみたいにのど越し良く入ってくる翻訳は少ないのです。

勿論元の文がごつごつしていて、無骨な文ならそれでもいいのですが、日本語中心に呼んでいる私にはその引っかかりが気になるとものすごく気になって、先に進むのが苦しくなります。

柴田さんはエッセイも出していらっしゃいますか?もしあったら、それもきっと面白いと思います。これだけの訳ができる人ですもの。『良い翻訳者のエッセイはおもしろい。』これは私が勝手に作った格言です。^^;
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[174] Re:ムーンパレスの劇、それから翻訳のお話 From:schazzie REPLY
2001/12/28 19:14
「ムーンパレス」の劇なんて、初めて聞きました。
演劇にはうといので全然わかりませんが、同名で内容が違うというのも考えられますね。ムーンパレスなんて、特に珍しいタイトルでもないですもの。でも本当のところは何もわかりません。

昨日、オースターの映画「スモーク」の解説を書いたという人に
偶然会ったのですが、純文学系の映画って、残念ながら虐げられているって話になりました。
たしかに私も以前、やはりオースターの「ルル・オン・ザ・ブリッジ」のビデオをビデオ屋さんに頼んだら、どうせ売れないからただでいいよと言われ、うれしいんだか、悲しいんだか、複雑な気持ちになりました。特にオースターの作品は、ビジュアルにするのは難しいかもしれませんね。
ジョン・アーヴィングの映画などは結構受け入れられていたしするし、純文学系の作品が全部虐げられているってわけでもないとは思います。

翻訳家は作家と同様か、あるいはそれ以上に文章力がないとだめと言われています。それは正しいと思いますね。だから上手い翻訳家の書くエッセイは当然面白いと思います。
翻訳で作品のイメージがぶち壊しになってる例は結構多いですから、翻訳家は訳すことだけでなく、文章を書くという勉強もしなくてはならない。というか、本が好きで、本をたくさん読むことが、まず第一の条件ではないでしょうか?

私もとうとう風邪を引いてしまいました。
大晦日からお正月にかけて日光に行くので、なんとか早く治さなければ!今日も、絶対キャンセルしないでくださいね!と念を押されてしまったし・・・。
ローラさんも風邪などひかないように、気をつけてくださいね!
No.28 2004年02月17日 (火) 00時55分

 

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[168] ムーンパレス読了 From:ローラ  REPLY
2001/12/25 08:51
mainの方で昨日は失礼しました。
よっぽど消そうとも思いましたが、それももし読まれていたら失礼かなと思い、そのままに。
しかしワイン一杯で酔っ払う私って経済的???

『ムーンパレス』集中して一気に読みました。
面白かったです。入れ子のような構造になっているのですね。最初主人公の青春物語(これは良かった)、これがずーっと続いていくのかなと思ったら、途中から、エフィングの生涯、そして最後にバーバーの生涯、それぞれの人と自分との意外なつながり、とにかくあきませんでした。

最初の方はディケンズのデイビッドコッパーフィールドなんかを喚起させられました。(この中にもディケンズの話が出てきますが。)
あの中に出てくる人たち全員がとてつもない孤独感を持っているのですね。schazzieさんおっしゃる、『落ちていく感覚」というのも、ようやくわかりました。

これの最後の赤い車がこの間の『偶然の音楽』につながっているとは・・・両方良かったけど、私の心に楔を打ち込んだという点では『ムーンパレス』に軍配が上がります。

あえて言うなら、『偶然の音楽』の方は場面場面で非常に魅力的な場面があります。カードの対決のところとか、石を積み上げるところとか、娼婦とのパーティーとか、今でも眼を閉じれば浮かんできます。

『ムーンパレス』これぞ映像にはしにくい作品でしょう。主人公の内面の動きとか、それぞれの人物の動きが巧みに文章で書かれていますから。勿論一つ一つのエピソードもぐいぐいひきつけるものがありますが、この壮絶な孤独感を、文の端々から感じるのは本読みならではの醍醐味でしょうね。
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[169] Re:ムーンパレス読了 From:schazzie REPLY
2001/12/25 23:16
「ムーンパレス」読了おめでとうございます。

メインのほうも読んでいて楽しかったですよ!ワイン1杯ですか?ううう、私もそれくらい経済的になりたい・・・。(^^;

「落ちていく感覚」がわかっていただけてうれしいです。これって、説明のしにくい感覚で、やっぱり読んでもらうしかないんですよね。
食べるものもなくなって、最後の卵を落としてしまうところなんて、もう唖然として、読んでるこちらも泣きそうになる。ああああー!なんで、パンとか他のものでなく、卵なの?みたいな・・・。

私はやっぱり主人公の青春時代が一番ぐっときました。主人公の「救いようのない孤独感を理解できる自分の孤独」というものまで感じ、私の孤独を言葉で表現してくれる人がいたんだということが、非常に嬉しかった。そこからオースターファンになったと言っても過言ではないでしょう。

父の死について表現できずにいた私の気持ちを書いてくれたのもオースターでした。「孤独の発明」を読んで、まさにこういう気持ちなのだと、ぼろぼろ泣きましたよ。

そういう意味で、オースターは私と同じ気持ちを持っているんだと勝手に思い込み、オースターの感覚は無条件に受け入れてしまう私なのですが、だんだん有名になり、作品も変わってくると、当然違う部分も見えてくる。そのあたりにとまどっていたりもします。
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[170] Re:ムーンパレス読了 From:schazzie REPLY
2001/12/25 23:25
もうひとつ。
オースターの英文は特に好きというわけではないのですが、柴田さんの訳によって救われている部分もかなりあるんじゃないかと思います。

「ムーン・パレス」は原文と翻訳をつき合わせて読んでみたんですが、柴田さんの訳の上手さがよくわかりました。
原文以上に感動させることが、果たしていいのかと言われると、どうなんだろう?とは思いますが、個人的にはもしかしたらオースターそのものが好きなのではなく、柴田さん訳のオースターが好きなのかもしれないとまで思ってます。

なので、「ミスター・ヴァーティゴ」は翻訳が出るまでに時間がかかったんですが、柴田さん訳で読もうと決めていたため、原書には見向きもしませんでしたね。いいのか、悪いのか・・・。
No.27 2004年02月17日 (火) 00時53分

 

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[166] 翻訳それからムーンパレス From:ローラ  REPLY
2001/12/21 07:18
早速のお返事ありがとうございます。
ライブハウスからとは・・・楽しい音が聞こえてきましたよ・・・うそうそ。

翻訳は本当に難しい。傍目八目でこちらから批判はいくらでもできるけど、心血注いでいる翻訳者からすれば、トホホのところもあるのでしょうね。
私は日本語の本を多く読んでいるので、どうしても翻訳が引っかかるとそこで詰まってしまうのだけど・・・
だったら原語で読め!!といわれそうですが・・・

ムーンパレス、いろいろ別件で忙殺されていて、まだ3ページです。グスン。しかし、これはやられそうです。最初からぐいぐいひっぱっていきます。涙腺弱い私は先が怖い・・・

しかし、オースター作品はあとでじわりと効いてきますね。
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[167] Re:翻訳それからムーンパレス From:schazzie REPLY
2001/12/21 11:23
年末年始は、なんとなく気ぜわしい。忙しさにかまけて、体調を崩しませんように。

翻訳は、全く別の言語に置きかえるものですから、イコールではないのですよね。それを一部だけ取り上げて、誤訳であると指摘する人もいて、そういう場合には、それが誤訳であるかどうかの前に、翻訳とはどういうものかということを説明しなくてはならない。
原作と大きく違っても困りますが、基本的には別物なんですよね。日本語を母語とする人たちが読むために、より良い日本語にするということですから。
私もお気に入りの原書の翻訳には、つい点が辛くなりますけど、下手な翻訳というのは実際あります。これといって誤訳というものはないものの、原作のイメージを大きく取り違えているといったようなものとか、訳は間違いだとは言えないものの、言葉の選び方にセンスがないとか・・・。他人のことはどうとでも言えるんですけどね。(^^;

「ムーンパレス」は私も出だしから引きずりこまれました。ものすごく貧乏でどん底まで落ちるのに、どこかスノッブな感じがして、品もある。それがオースターの特徴だという感じがしました。「ムーンパレス」を短的に表すと、「落ちていく感覚と孤独感」といったところでしょうか。これはオースター作品の全てに言えることでもありますが。

「ミスター・ヴァーティゴ」は、まだ冒頭なので、何とも言えませんが、スノッブで品があるとは言えないかな?ちょっと異質な感じがします。最高傑作という人もいますが、個人的にはそうは思えません。今のところ。
No.26 2004年02月17日 (火) 00時52分

 

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[162] 偶然の音楽 From:ローラ  REPLY
2001/12/19 07:50
オースターを一冊読んだだけでこちらに入るとは・・・
私も太い根性しているけど・・・ ^^;
いつもmainの方でお世話になっているローラです。皆様、schazzieさんよろしくね。ペコリ。

『偶然の音楽』昨日の夜遅く読み終わりました。
読んでいる途中も面白かったのですけど、読み終わった後、じわじわ効いてきますね。
この掲示板の下↓にある『偶然の音楽』の映画についてのやり取り非常に興味深く読みました。

私も当然ナッシュは死んだところで終わり、と単純に思っていたので、びっくりしました。ここを覗いた甲斐がありました。

私もschazzieさんと同様、あれは映画には向いていない気はします。でも映画にしたい気持ち、というのもまたわかります。映画を作る人だったら、食指が動く作品ですから。映像が浮かんできます、いろいろなところで。

わが町ではなかなか手に入らなかった『ムーンパレス』を昨日ようやく手に入れましたので、またもくもく読んでいきます。ミスター・ヴァーティゴにいつになったら行き着くやら・・・グス・・・感想お聞かせくださいね。

(柴田さんの訳はとても読みやすいのだけど、ひとつだけ気になった訳。「あたりきしゃりき」は今の子にわかる言葉なのでしょうか?思わず柴田さんの生年を確かめ1954年というので頷いた私。)
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[163] Re:偶然の音楽 From:schazzie REPLY
2001/12/19 14:56
ローラさん、オースターの世界にようこそ!
「偶然の音楽」読了おめでとうございます!
私はこの作品はサラリと読み流したのですが、意外にひっかかる人が多いようで、結構びっくりしています。
オースターの作品は、皆どこかで繋がっているというのが多いです。次の「ムーンパレス」、楽しんでください。
今日は外からモバイルで書いてます。なので、またのちほど再度書きますね。
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[164] Re:偶然の音楽 From:schazzie REPLY
2001/12/20 23:45
前のレスは、ライブ会場で、開演前に打ち込んでいて、途中で急に演奏が始まり、慌てておしまいにしたので、ちゃんとしたレスになってなくてすみません。

今日になって、以前の映画についての書き込みを読み返したら、誤字とかたくさんあって、恥ずかしくなりました。パソコンの変換ミスですが、コンピュータのせいにしちゃいけませんね。(^^;

『ムーンパレス』は進んでますか?
私も今日から『ミスター・ヴァーティゴ』を読み始めました。これまでで、もっともイメージの違ったものと言うと、『TIMBUKTU』(未訳)なんですが、『ミスター・ヴァーティゴ』もだいぶイメージが違う。でも、たぶん根底にあるものは一緒なんだろうなと思います。これがどの作品と繋がっているのか、それを探るのもまた楽しみです。
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[165] Re:偶然の音楽 From:schazzie REPLY
2001/12/20 23:53
翻訳の件ですが、原文で誰がしゃべっているかとか、時代背景とか、そういうのも関係してきますよね。柴田さんは東大の助教授ですから、現代の若者の言葉もたくさん知ってはいると思いますが、作品の内容とか、そういうことを考えると、現代の言葉使いに必ずしも合っていなければならないということでもないでしょう。むしろ今の若者の言葉は、文学では使えないと見たほうがいいかと。。。

では、若者が古くさい言葉がわかるか?というと、個人的には、オースターを読むような人なら、その程度の言葉は分かると思いたいですね。

逆に翻訳では、流行言葉はなるべく使わないというのが原則です。今流行っていても、数年後には死語になってしまうものも多いですからね。というわけで、翻訳は本当に難しい。
No.25 2004年02月17日 (火) 00時51分

 




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