古(いにしえ)より愛されてきた「桜」 (7915) |
- 日時:2012年04月02日 (月) 04時24分
名前:伝統
以下は、百人一首に収められている「桜」を歌ったものです。
『花の色は うつりけりな いたづらに わが身世にふる ながめせしまに』
『ひさかたの 光りのどけき 春の日に 静心なく 花の散るらむ』
『いにしえに 奈良の都の 八重桜 けふ九重に にほひぬるかな』
『もろともに あはれと思へ 山桜 花よりほかに 知る人もなし』
『高砂の 尾の上の桜 咲きにけり 外山の霞 立たずもあらなむ』
『花さそふ 嵐の庭の雪ならで ふりゆくものは わが身なりけり』
百人一首では桜を歌ったものは6つ程ですが、 万葉集に詠まれた桜の歌は40首、対する梅の歌は118首あるそうです。
奈良時代には、花と云えば梅を指し、 平安時代になって花と云えば桜を指すようになったと云います。
奈良時代に中国の思想をもとに造営された平城京、そしてそれを受け継ぐ平安京、 その平安京では御所の紫宸殿(ししんでん)前にあるのは当初「左近の梅」でしたが、 菅原道真の進言によって桜に代わったと云います。
ただ、奈良時代より以前の神話の時代の話では、これまた花と云えば桜だったようです。 日本の代表的な花は、奈良時代を除けば、「桜」であったことは間違いがないようです。
さくらの語源については、いくつかの説があります。 その一つに、古事記に登場する「木花開耶姫」(このはなさくやひめ)のさくやが 転化したものだという説があります。
また、さくらの「さ」は穀霊(穀物の霊)を表す古語で、「くら」は神霊が鎮座する場所を意味し、 「さ+くら」で、穀霊の集まる依代(よりしろ)を表すという説があります。
昔から、桜の開花が農作業の目安の一つになっていたことを思えば、 いにしえの人々が桜に実りの神が宿ると考えていたようです。
<感謝合掌 平成24年4月2日 頓首再拝>
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