日本人の魂のふるさと (10911) |
- 日時:2012年07月04日 (水) 07時16分
名前:伝統
*村上和雄・著「幸せの遺伝子」(P71~72)より
現在、神宮のそばに、おかげ参りでにぎわったころの伊勢の町並みを再現した 「おかげ横丁」があります。参詣した人々が、帰りにそこで名物料理を食べたり 地酒を振る舞われたりして、「おかげさまで」と感謝する。
私もお酒をごちそうになってきましたが、 このおかげさまも、何のおかげなのか特定していないところがいいなと思いました。
伊勢の神宮にお参りすると、自然と「おかげまさ」という深い感謝の気持ちなります。 鎌倉時代、初めて伊勢の神宮に参拝した西行法師は感動のあまり、 次のような歌を詠んだと伝えられています。
なにごとの おわしますかは しらねども かたじけなさに 涙こぼるる
この神々しさの実体が何なのかわからないけれど、いま自分が存在していることが 身にすぎてありがたく、ただただ涙があふれて止まらない。
ちなみに、「かたじけない」とは、ありがたいのあらたまったいい方で、 自分には不相応で畏れ多いという意味から感謝を表す日本人独特の感情表現です。
伊勢の神宮の杜(もり)で、西行法師みたいな心持ちになる人は、 いまも少なくないでしょう。
日本人は忘れかけていても、伊勢の神宮のような伝統をしっかりと守ってきている ところには、日本文化の特徴である自然と共生するという精神が息づいている。
だから、お参りすると、眠っていた「おかげさまの気持ち」が目覚めるようです。 お伊勢さんは、”日本人の魂のふるさと”なのかもしれません。
<感謝合掌 平成24年7月4日 頓首再拝>
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