[1932] ≪０８/３０今日のお喋り≫ 投稿者：五茶 投稿日：2006年08月30日 (水) 05時30分

●過去の地すべりで思うこと

◆長野市の地附山地すべりは国内有数の災害

▽長野市外の北西部の地附山地（ぢづきやま）すべりは
昭和60（1985）年7月26日発生しました。
梅雨の長雨で山の斜面の岩盤の上の特殊な地層が滑ったものでした。
▽この地滑りによって特別養護老人ホームの26人の命が奪われ、
麓の高級な湯谷団地の全壊家屋64棟の被害が出ました。
▽自然災害といわれていますが私はちょっと変わった見解を持ています。

◆古地名は歴史を語っている

▽私は郷土史が好きで、
足で方々を歩いて「古来よりの地名」に興味を持っています。
▽長野の地附山の地名は山本体（硬い岩盤層の地層）に滑りやすい表土が
附いていることから付いた地名と考えられます。
だからここは地すべりがありうると考えていました。
▽このような古い地名を探すと分かる例がたくさんあります。
例えば全国に「崩沢」という地名が沢山あります。
それなりの曰く付きの地名なのでご注意あれというところです。

◆購入をあきらめた団地
▽私の兄が以前にこの眺望のよい湯谷団地を購入しようとした
　理由は・高台で高級感がある・湯谷のネーミングから温泉を連想など
私は現地を見せて反対しました。
ズバリ私の予測が的中して、いまは喜ばれています。

◆県が開発
地附山地すべりの一帯は長野県が開発しました。
戸隠高原への有料道路が地すべり発生地の中をじぐざくに何箇所も横断しました。
中間には特別養護老人ホーム施設をつくりました。
下部には湯谷団地の造成。
これらが流れてしまったのです。

◆地層と地質

▽地附山の地層は�@岩盤�A粘土�B水の透る地層です。
滑りやすい地層の粘土のサンプルを実際に水に濡らして触ってきましたが
ヌルヌルしていて滑りやすいものでした。
▽地附山は裾花凝灰岩層から構成されていて岩盤の上の粘土が乾くと
パウダー状のような層があって水を含むと表土もろ共に滑ります。
▽私のような素人でも疑っていた地域です。
もちろんその斜面にりんごを作っていた旧耕作者も気づいていたようです。
知らぬは役人だけといっては悪い気もしますが、
役所仕事にどうも心配が・・

◆住民監視
▽ここから僅かの距離の同じ地層に脱ダムで中止になった「淺川ダム」がある。
新知事になって復活するようになったら、よ〜く調べてからにしてほしい。
▽いま全国で県や国の計画した大型プロジェクトの中には
地域活性化の為ばかりが重視されて安全面や環境面が
検討不十分のものが沢山あるようです。
▽お役所任せでなく、住民のなかには専門家がいるはずですから、
しっかりと住民監視が出来る仕組みを作らねばいけませんね。