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□ お題掲示板 □

現在メインはロマサガMSとTOS、サモナイ3です。
他ジャンルが突発的に入ることもあり。
お題は10個ひとまとまりですが、挑戦中は順不同になります。
(読みにくくてすみません…)

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01 花 (サモナイ3・レクディラ)
長山ゆう | MAIL | URL
「……これは何?」
 中央管理施設を訪れたレックスが中央に据え付けたテーブルに置いたものを見やり、アルディラは訝しさと困惑がないまぜになった表情で問うた。
「見た通り、タンポポの植木鉢だよ」
 レックスは邪気のない笑顔で応じる。
 一瞬、アルディラは頭痛に見舞われた。
「私が聞いているのは、何故ここにこんな物を持って来たのか、なのよ」
 機械に囲まれた部屋に、ただ一鉢。人工物に囲まれた黄色い花は、元気を失って見える。
 こういう花は、太陽の下で初めて輝くのだ。機械都市ラトリクスに不似合いなことこの上ない。
 確かに植木鉢に咲くこの花は、見る者に春の訪れを伝えてくれる。
 だが、都市に根付くはずのない花の存在に、どこかもの悲しさを感じてしまうのだ。
「アルディラはこの花が嫌いだった?」
「……そんなことはないけれど」
 嫌いではない。否、むしろ……。
「ごめん、君が好きな花だと思って、持ってきたんだ」
 可憐な花に向けられていたアルディラの瞳が見開かれる。
 驚きを隠せないまま、その瞳がレックスを捉えた。
「え?」
「前に風雷の郷でタンポポを見たとき、嬉しそうだったから……」
 ――この人は。
「違うのよ」
 申し訳なさそうに項垂れるレックスへ、アルディラは首を振って見せた。
「この花はね、マスターが好きだったの」 
 花を愛でた彼への懐かしさ、その彼を失った寂しさ、もの悲しさ、そして、花を届けてくれた青年への申し訳なさ。
 複雑な感情が絡み合い、アルディラの瞳は憂いを帯びた。
「だけど、アルディラも好きなんだろ?」
「!」
 アルディラが伏せていた顔を上げる。
 レックスは優しい微笑みを浮かべていた。
「タンポポを見ていた君の顔、とても優しかったからね」
「レックス……」
「好きなものから遠ざかる必要なんて無いだろ?アルディラが好きならいいじゃないか。ラトリクスに花壇だって似合うと思うしね」
 アルディラの躊躇いを、軽々と飛び越えてしまう、彼。
 ――かなわない。
 アルディラは小さく息をつくと、静かな笑みを返した。
「ありがとう、レックス」
 柔らかな笑顔を向けられ、レックスが照れくさそうに頬をかく。
「あ、うん。その……喜んでくれて、良かった」
 そんな彼の仕種が妙に幼く感じられ、アルディラは軽やかな笑い声を立てた。
 

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まずはレクディラ。この二人の話、書いてみたかったんです。
アルディラの中でマスターの存在は大きいでしょう。
けれど、レックスならばそれらを丸ごと受け止められると思います。二人に幸あれ。
……しかし、この世界にタンポポは存在するんでしょうか。
シルターンならありかなと思ったんですけど。うーむ。
2005年02月04日 (金) 23時35分 (1)





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