[3077]選評します 投稿者:泥亀 メール HOME
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まことさん、皆さん、今日は。 選評します。宜しくお願いします。
小春日和に誘われて、春に咲く草木が季節外れの花をつけることを 返り花という。主にサクラについていうがツツジやヤマブキ、タン ポポなどにもみられる。花がほとんどない季節に自然からの授かり 物のように思う。
2. ヴィオロンの音透き通る帰り花 帰り花にバイオリンの音が、鋭く突きあたり通りすぎてゆく。 もうこれ以上、健気に咲く花を苛めないでとの思いを込め、 祈るようなような気持ちが見て取れる。
3. 待つとなく便り待ちをり返り花 厳しい寒さの訪れない穏やかな日和がしばらく続く。寒さを 迎える前のほっと一息つくような返り花を描写している。
5. たつぷりと光集めて帰り花 冬の太陽はいかにも弱弱しいが、返り花の霜を被った草むらに 映える朝日や帰り花をあかあかと照らす夕日など華やかである。
6. 名忘れはうつるものらし返り花 ぼ〜っとすることが増えた……うっかり約束を忘れていた…… あれっ?思い出せない………おっくうで外出や家事が面倒……… 「らし」は表現に尊重・優美な感じをもたらすために添えている。 忘却曲線にある通りどんな賢者でもいずれは忘れ去るものである。 忘却もいいことであると教えてくれる。
9. 目つむれば彼の日香りぬ返り花 窪田空穂は「まつはただ意志あるのみの今日なれど眼(まなこ} つぶればまぶたの重し」と歌っているが返り花を見かけて目蓋を とじて過去の楽しい想い出を彷彿させるキャリアは羨ましい。
18. 返り花少なき数をかぞへけり 毎年、十一月頃になると新聞の片隅に返り花の写真と記事が掲載 されていたりする。今年は台風が日本全土を駆け巡り被害が多かった。 こんな時季は返り花の当たり年である。そんな時、可憐に咲く返り 花に着目し描写した点は素晴らしい発想である。
20. 憂きことのふたつみつあり返り花 私たちは日常生活のなかで物事を判断するとき、どうしても主観的 になりがちです。主観的に考えて判断しょうとせず一歩下がって周囲の状況や自分の行動を客観的な目で眺め、分析してみると実態がはっきり捉えられます。健康の問題ついても身体の調子が悪くなった原因や経過を客観的に分析され自然にその対応も正確につかめるはずです。 俳句の句創りにも通じることを暗喩している。
以上。
妄評をお許しください。
投稿日:2017年11月23日 (木) 14時35分
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