[3491]選句・選評します 投稿者:泥亀 メール HOME
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夕凪さん、皆さん今日は選句・選評します。 「神渡し」とは陰暦十月に吹く西風のこと。
1○ 神渡し手を合はすものふいにあり
父の恩は山より高く、母の恩は海より深し」と言われ、 親に孝行を尽くすことは当たり前のことであります。 私たち人間は、今、合掌を素直に受け入れる対象こそ 仏の恩であります。見つけた対象に手を合わす報恩感謝 の心こそ生きる証であると述べている。
6○ 帰りなむいざふるさとへ神渡し
鳥羽や伊豆地方の船人の言葉に「陰暦・十月西吹く風を 神渡しと謂う」述べている。陰暦の十月は神無月にあたり 出雲大社に参集するため諸国の八百万の神を送る風とされる。 その頃にはきまって望郷の念がいや増すのである。
13○ 野路に立つ標の石や神渡し
大通りよりら一歩路地に入れば、住民だけが知っている 「本当の街」が、広がっている。何の標か、解らない ところが句の拡がりを感じる。
15〇 神渡し舟押し出すや都井岬 宮崎県最南橋、志布志湾東端にあたり山地が海に突き出し 周囲は絶壁をなす都井岬。野生の馬と猿で有名である。 崖にある御先神社は立ち入り禁止になっている。 直線状にある海沿いの御崎神社の礼拝所より西風に乗り 出雲大社を目指す舟を応援している姿が見られる。
妄評をお許しください。 泥亀 拝。
投稿日:2019年11月17日 (日) 13時50分
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