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■ 前世は女と答える硝子瓶
これは無季俳句。どうして季語を入れなければ俳句ではないという空気が蔓延しているかというと、高浜虚子さんが「有季定型」を提唱したから。中学の教科書にちゃーんと載っている。季語は便利である。例えば春の雷と書くと、それだけで危うさや期待や様々な感情が惹起され、それだけ読む人の解釈の幅が許される。だから深読みという手前勝手も生まれる。書かれた言葉、それだけの意味の純粋さで勝負したいのだけれど、言葉への揺るぎない自信を持ち得ないので、いつも不安定だ。そのなかでこの句は好きな句。