ゴールデンウィークの始まりに実家に行った。
その日はちょうど父の退院の日だった。
退院を喜んで私たちは病院に迎えに行った。でも・・・そこには弱り切った父がいた。
えっ。どうしたの?
2週間前に来た時はもっと元気で、一緒に笑ったでしょ?
2週間たって、元気になるどころか、歩く力も弱まって、玄関まで車いすで行くと自分から言った。あんなに自分で何でもしようとしていたのに、どうしたの。
言葉も少なく、表情もない。病院のご飯がまずくて、食事の時間が苦痛だったと言う。家に帰って美味しいもの食べようね。

家までの道は、遠回りをして、まだ残っている桜を見たり、山を見たり気にしていた畑を見たりした。外の空気を吸って少し気分がよくなったと言ってくれた。
でも・・・、自宅に帰って久しぶりの夕食もほとんど食べられない。
日本酒を美味しそうに飲んだだけ。

翌日は素晴らしい天気で、父に北アルプスを見にドライブに行かないかと誘う。
喜んで車に乗ったが、なんだか辛そうで、あんまり山の方にも目をやらない。
夕食も、ほんのちょっぴりと日本酒だけ。

弱り果てた父がとても心配だったが、仕事があるので明日は帰らなければいけない。

父がとても心配で、連休後半も会いに行った。
この前よりも少しでも元気になっていますように。

でも、3日会わなかっただけなのにさらに弱っている気がした。
食事をするのがとてもつらそうだ。本当は食べたくないんだろうなとおもう。
食べ物を目の前にして、じっと眺めてやっとほんのちょっぴり口にするだけ。

少しでも元気づけたくて、安曇野の田に映るアルプスを見にドライブに行こうと誘う。
この前は少し早くてまだ、田に水がほとんど入っていなかった。
父はやっと起きて行くとしたくした。

でも、出発して1時間もすると家に帰りたいと言った。家に帰ると、すぐベットに行って寝てしまった。寝たまま何時間も起きない。心配して見に行ったが、起きる気配もない。
もしかしたら、このまま目が覚めないのではと、救急車を呼ぼうかとみんなで心配した。
でも、夕方目を覚ました。よかった。

明日は帰らなくてはいけない。
どんどん弱って行く父が心配でならない。退院したら元気になると思っていたのに、全く逆で弱って行く。
不安だ。