OさんとKさん

Kさんは、ノリ一発で演奏する人。
演奏する姿といいスピーディーなフレーズといい、
まるで野生の豹のよう。
ロックやポップスの歌手のバックでも活躍しているし、
きっとピアノとか習ってなくて、ピアノでなく、キーボー
ドでロックから入って、色んなミュージシャンのマネを
しながら、バンドをやってうまくなってきた人だと思って
いた。

Oさんは、とってもきれいで甘い音から迫力あるガツン
とした音まで幅広く、ピアノの魅力を存分に引き出せる
人だ。きっとクラシックをきっちりやって音大を出てそれ
からジャズをやったんだろうと思っていた。

ところが・・・・むしろ逆に近かったのだ(笑)。
Kさんは、子供の頃、クラシックを習っていて、しかも
なんでも初見で弾けて、先生が月謝は要らないから
とにかく来てピアノを続けてくれといったらしい。そして
17歳からピアノ＆キーボーディストとしてプロ活動。

で、Oさんは、習ったことがなく、中学生の頃から
リチャード・ティーらフュージョン系のピアニストが好きで
見よう見まねで弾き始め、クラシックは17歳の頃から
自分で独学で練習しはじめたのだという。
レッスンは19歳の頃、ポピュラー系の音楽学校に
1年間行っただけとのこと。

プロになってライブをやっても、
「ピットイン（ジャズの聖地）ですら、一晩3000円じゃ
毎日やったって食っていけないから」とのことで、昼は
スタジオ・ミュージシャンとして、ポップスやフュージョン
を中心にあらゆる音楽を弾きながら色んな弾きかたを
身につけたんだそうです。

「ドラマやCMの音楽では、クラシックだろうとタンゴだろ
うとなんでも弾くことになるから、なんでも練習したよ。
だからジャズだけやってきた人より色んな音が出せる」

厳しい厳しい中をくぐってきた自信に満ちていました。
一緒に話を聞いていたHさん（元生徒）は、もうライブ
活動を始めていますが、去年、バーでの歌伴で、
ポップスを弾かされることが多いことに嫌気がさして
やめてしまったばかりだったので、とても神妙な面持ち
で聞いていましたが、いい方向に刺激を受けたようで
「私も頑張ります！」と言って帰っていきました。

僕も頑張ります！(笑)