先日、芸術本を見た。アンリ・マティスのミニブックレット。ざっくり立ち見でみたが、何か様子が変だ。何がおかしいのか最初は解らなかったが、あまりにも有名な例の青いドレスの婦人像を目にした時に即判明。青いドレスの婦人像なのに・・・ドレス灰色。他も再度流し見してみたら色味が妙な気がする。自信をもって、色が違うと言い切れるのは、つい半年程前、上野の美術館で原作をこの目で確認した青いドレスの婦人像だけ(ダンスの連作も多分、色味がすんごい違うと思うけど、何分、印刷物でしか確認してないから。原作みてないから。いや、連作の一部は見てるはずだけど、肌色ピンクの色味がどこまで違うか自信がない、笑)。えっと。ここまで、色味違いで堂々と芸術本と出せるというのは、何なんでしょうか。なんちゃって本かなぁ。絵画本って、どこまで色味を原画に忠実に合わせられるかが勝負ってところだと思うんだけど。いや、原画っていうか、サンプルでくばられてるポジの色味にどこまで近付けられるか・・・だったりもするけど(笑)。オンデマンド印刷みたいだったけど、印刷する時のデータで、ドレスの部分だけ、GRBの情報が欠けてしまった・・・って事かにゃ。想像してみよう。知らない人が最初にこの本でアンリ・マティスの青いドレスの夫人像を見る。「ほほぉ、青いドレスといいながら、灰色のドレスなのか。この表現に隠されている意図はいったい・・・ムニャムニャムニャ」。かようにして芸術は本来の作品意図からどんどんかけ離れて流通していくのだな。
『ええええええーーーーーーーーーーっ!なんで、よりにもよって、この作品で!!』『・・・どうするよ、コレ』『阿呆、本人が気付いてないねんから黙っとけ。私らは何も知りません。原画は知らないし、今回色落ちしてるのも気付いてません。てか、私らソレを確認する役と違うから。違う役割の事にでしゃばらんでええねんて!ついでにわざわざ、天国のマティス様に この色味違うんですけど・・・ なんてご報告さしあげる事のも控えておけって。何事も当たらずさわらず。知りませんでした が万能の答。えっへん』
真実なんて一切の意味を持たなくなってしまいますね。色校正の時、忙しかったのかもね。てへ。