★のびのびキッズ掲示板★
記事 | ||
---|---|---|
[610] | 総会&講演会 ざっくりレポート | りんりん 04/20(土) 22:10 |
今日は年次総会と近藤先生を講師にお招きした「算数障害」がテーマの講演会がありました。 役員の皆様運営お疲れ様でした。いつもありがとうございます。 講演会の内容をざっくりレポートします。(例によって主観混じりですみません。) 講師の近藤先生はご存知の方も多いと思いますが、交野市で長年特別支援教育に携われ、安原先生の引き抜きでYCC子ども教育研究所へ移籍され、4年間算数障害などの学習障害を中心に子ども達の指導にあたられてきた先生です。 先生作製の支援ソフトは枚方市では全校にすでに配付され、寝屋川市でも9月以降に全校配付の予定とのことです。 去年の安原先生の記念講演でも講演されました。 今回は先生が交野市時代から開発してこられた色々のツール(支援ソフト、100円ショップなどで調達した材料で作製された教材)を使って算数の苦手な子にどのようにアプローチし、力をつけていくか、またその際に大切にされているマインドなどもご披露いただきました。 ----------- 子どもにとって一番大切なのは「自尊感情」です。これを育む、高める、維持して行くには色々の要素が必要であるが、その一つに「自己効力感」を高めることが挙げられます。 自己効力感は子どもが自分に可能性を感じる、「僕(私)にもできるんや」という感覚のことです。 算数障害などの学習障害への適切な理解と支援がないと、この自己効力感が低下し、自己否定に陥ります。自尊感情も下がります。 「できなかった」「わからなかった」などの失敗の経験ばかり積み上げると「学習性無力感」に陥ります。 (でけへん、わからん、しらん、無理。やらないことでプライドを守る。可能性を閉じてしまって開こうとしない状態。) 学習障害は「学び方が違う」と言われる状態なので、一般的アプローチが合いにくい。 教育側は一般的なやり方にこだわらず、色々なアプローチを開発し試す必要があります。 その子を間髪いれず褒めることができるアプローチが特に有効で、自信をつけると子どもが表情が柔らかくなり、笑顔もみられるようになるそうです。他者との比較ではなく、少し前の本人と比べて進歩したことを感じさせることが大切だそうです。 WISCをはじめとした検査の結果で「この項目が低いから苦手である」と分かったら終わりではありません。スモールステップ、エラーレス、ヒント満載にして苦手なことを少しずつ自信がつくよう持って行くやり方が求められます。 一般的な算数の学習方法として九九などの丸暗記、ドリルに代表される反復練習、等があると思います。 算数障害(数を一まとまりに把握する力が低い場合)は脳科学的には頭頂葉の部分が関係あると言われ、そこは空間認識もつかさどる部位でもあります。(成人になって頭頂葉の損傷による失算症の研究から分かってきたそうです。) よって数と空間を結びつける指導法が効果的であり、そのような脳であっても適切な指導法により神経回路をより効率的につなぐように発展させることは可能であるとされています。 (算数障害の子の中には暗記やドリル訓練により計算は得意でも数の概念が分かっていない、根本が分かっていない、ケースも多くみられます。 計算問題はできても文章題が解けない子は従来「国語力の問題」とされがちでしたが、それ以前に空間認識が弱く掛け算、割り算の概念が分かっていない、そのせいで式を立てることができないケースもあることが分かってきたそうです。) 空間認知に問題がある(頭頂葉型)算数障害の場合の支援例として、「数のまとまり」を捉えられるようにする、具体物(おもちゃやブロックなど)を実際に手で動かして触覚を使って確認させる訓練をする(教科書の図では実感に乏しいから)、具体物に慣れたら、そういう感覚に配慮した支援ソフトを使う、などが有効だそうです。 【教材例はプリントと、プロジェクターを使ったパソコン画面の表示などで例示されました。また、雑誌「実践障害児教育」に寄稿されたもののコピーも配布されました】 100円ショップ等で調達した材料で作った実際に手で触れて確認できる教材も様々な工夫があり、なるほどと思うことがたくさんありました。 教育支援ソフトも音声や動画、クリックする触覚などの他感覚刺激を使う、一課題一画面で集中しやすい、正解かどうかすぐチェックできるので褒める/修正するフィードバックかけやすいなどのメリットを説かれていました。 発達障害のある子どもへの課題設定の留意点として、 1)無誤学習(エラーレスラーニング) 初期課題はヒントをてんこ盛りにして間違えさせない。 2)多段階学習(スモールステップ) 少しずつほめながらしっかりとした力をつけていく 3)エンリッチメント(豊かな力をつける) 発達にはリストラクチャリングとエンリッチメントがあり、前者は年齢とともに発展しステップアップしていくもの、後者は横に広げてより実用的な力をつけていくもの(買い物、料理などの生活場面での応用など) また、 難しい状態で相談に来た子ども達を支援する際に近藤先生が大切にされていることは、 1)Oneness(ワンネス) 2)Iness(アイネス) 3)Weness(ウィネス) の順に支援を進めることだそうです。 まず1)で子どもと一体化を目指して全てを受容する。 その次に2)で「ぼくはこう思う」というアイメッセージで語る。最後に3)一緒に考えよう、と寄り添う。 ---------- 先生の支援ツールやアセスメント(事前評価。その子の何が弱いかを確認できる)、詳しい解説書も入ったDVDが2000円で頒布されました。 去年6月の講演会でのDVDよりバージョンアップされたものだそうです。 家庭で活用したいと思います。 中学生用のネット上の学習ソフトも紹介されていました。 とても盛りだくさんで示唆に富み、また先生の特別支援を必要とする子ども達への愛情に触れ、保護者としても勉強になった講演でした。ありがとうございました。 お母さん算数勉強会を提案されていたので、企画実現されることを心待ちにしています。 |
||
コメント | ||
---|---|---|
[613] | 蛇足 | りんりん 04/21(日) 13:51 |
小六のわが子は安原先生から「算数障害」と言われています。 WISCVの「算数」という項目が他に比べて極端に低いからです。 同時に「数唱」と「符号」と「記号」も低いです。 ゆえに群指数は処理速度が特に低くなります。 (注意記憶も低いので)グラフは左が高く、右ががけのように下がって低くなります。 近藤先生にお尋ねしたら、講座に出てきた頭頂葉の空間認知・数認識機能に問題がある算数障害の場合、「積木模様」と「組み合わせ」が低くなる傾向があり、「算数」が低いだけでは算数障害とは言い切れない、他の原因があるかもしれない、とのことでした。 本質を理解して、自分で立式できる力を養うことに注力されている近藤先生の方針はうちの子にも役に立つように思います。 |
||
コメント | ||
---|---|---|
[614] | 蛇足2 | りんりん 04/21(日) 14:03 |
子どもが小一の時、陰山先生の百マス計算が流行っていて、学校の宿題も百マス計算でした。 みんな分や秒を競って取り組んでいましたが、わが子は一問に120分以上(タイマーが意味なくなる)かかりました。冬休みは毎日足し算と引き算の百マス問題が1問ずつ、14枚。 励ましても、ものさしを当てたりして余計な情報がないように隠しても、時間がかかりました。しまいに「頭が痛い」「オシッコの色が赤い」と言い出して、そこまで無理をさせたか、と百マス計算から「完全撤退」を決めました。 その時であった本が糸山泰造先生の『絶対学力』です。 低学年の柔らかい脳に反復練習によるスピード重視の学習がどれだけ害があるか説かれていて、多少後ろめたく感じていた背中を推してくれました。 糸山先生は図を使って思考力を養う文章題の通販をされています。「どんぐり倶楽部」と言います。うちは今小六なのに一年〜三年の問題を時々やっていますが、絵を書いて思考力を養うのに手ごたえを感じています。(なんせ、九九が定着するのに小四の三学期くらいまでかかった子なので) 今は図形問題が得意です。また、副効果として、作文や読書感想文などを書くときにも役立っているように思います。 一般の反復による学習方法(○文式・・とかありますよね。)でうまく行かないお子さんの参考になればと思います。 |
||
コメント | ||
---|---|---|
[640] | りんりん 06/09(日) 13:11 | |
近藤先生に譲っていただいたDVD、アセスメントが抜けていてその差し替えなどがあり、やっと本日子どもに実施することができました。 小六ですが、掛け算・割り算の立式でけつまずいていました。また、計算のために数字を読みあげているのを横で聞いていたら、読み違えもみられました。 空間認知に問題がないと勝手に思っていましたが、ちょっともたついてるところも見受けられました。アセスメント通じて感じることもあったので子どもに実施してよかったです。 近藤先生からアセスメントのデータを連絡もらえたらありがたい、とのことだったので、メールしました。 DVD差し替え済みの方で、アセスメントお子さんに試された方、YCC子ども教育研究所あてにメールしたら届くかと思います。ご協力よろしくお願いします。 |
||
このレスは下記の投稿への返信になります。内容が異なる場合はブラウザのバックにて戻ってください。 |
---|