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[645] | 6月の先生学習会報告 | 宮本 06/21(金) 16:13 |
6月20日の夜7時から9時で安原こどもクリニックの多目的室で開催しました。 事例は、高校1年生の女子。 テーマは、「自立にむけて今すべきこと」、でしたが、 実際に生活上で御両親が困っていたことは、家では携帯(iphon]を手放さず、食事や入浴などの切り替えがなかなかできない、最近は夜中も遅くまで画面をみていて、学校も遅刻したり、授業中、集中できない状態が増えていることでした。 思春期のお子さんですから、強制的に携帯に制限を与えることあまり効果的だとは思えず、今回の相談となりました。 高校からも先生がきてくださり、グループに分かれて対応を考えました。 このようにお子さんがテクノロジー機器に依存して生活上の支障が出て、その躾けに頭を悩まされている方は、本当に多いです。 一昔前にはなかった子育ての悩みです。 さて、今回は、4つのグループから、さまざまな意見がでてきて、とても有意義な検討会を持つことができました。 まず、検査結果から、事例の子の認知的な特徴は以下の通りです。 ●言語理解が高く、他は横並び。全体的には平均内ですが、丁寧な指導が必要な水準です。 さらに、同指標間内の差があり、それらを解釈すると 視覚的認知能力の方が、視覚的推理力よりも高いが、絵などが言葉と結びつきにくい傾向が強く、 さらに、目線を縦に動かすのが苦手で、黒板を写したり、書くことが苦手、 言語は高いが、ワーキングメモリーが低いので、知識の積み上げや記憶学習に負にがかかっているため、学習の習熟がうまく行きにくい、ということが考えられました。 他、白黒よりもカラーの方が処理がしやすいということもわかりました。 よって、 有効な支援方法は、 @ワーキングメモリーの低さに配慮し、視覚的手がかりで指導、言葉をそこに添えること、 見本など、いつでも手元に置いて見てよいようにする、 A書くことへの配慮としては、筆記用具の活用にこだわらず、テクノロジーなどの活用を考える、 ということが、基本的に考えられました。 それをもとに4つのグループから出た携帯依存への対応は、 @携帯使用の支障が学校でもでているので、学校、家庭、本人の3者で懇談会を開き、改めてルール作りをする。 思春期の子どもには、親や先生が一方的にルールを決めて従わせるのは逆効果。 口頭だけの話し合いではなく、今のままの状態を続けていたときの結果の可能性、 携帯使用を時と場所を選んでコントロールできたら、将来につながることなどをフォローチャートなどで見せて、考えさせ、自分でルールなどを決めさせる、 Aよいところはいっぱいあることをまずは認める。結果から本当によく頑張って登校していることをまずは大いに喜び、評価する。 携帯をやめさせるよりも、指示などはメールで送ってはどうか。 代用貨幣のトークンの導入で、成功体験を増やして子どもの成就感を高める。これは、親が娘に対して主導権をとることを意味する。 B御両親の工夫は日々いろいろされて努力されていることはよくわかった。 しかし、まずテクノロジー依存になる心理的理由を考えてみたい。 夜中に方が、一人の世界に没頭でき、画面を操作したり、見続けることで自分なりの世界を楽しんでいるのかもしれない。 裏返せば、他のことで自分の世界を満足できれば、テクノロジー依存は減るのではないか。 あるいは、家族以外のだれかが、彼女の興味に関心をもってともに愉しみ、共感し、話題がつづけば、彼女への指導は容易になるのではないか。 はまっていることをやめさせるよりも、もっと効果があるはずだ。 不登校生徒にその子の担任は毎日家庭訪問したが、直接的な登校刺激はせずに、その子の興味や趣味の話をして帰ることを続けた結果、登校し始めた事例にヒントはあると考える。 C友達との待ち合わせ場所に行くときにナビを使ったり、必要な情報を得たり、テクノロジーの活用をいろいろし始めていると感じた。 ホームページなども作成したい意欲もあるので、テクノロジーの正しい活用は、これからではないか。もっとテクノロジーの活用を支援することも大事。 ●各グループの意見発表の後には、必ず、伊丹先生がコメントをくださり、よりわかりやすかったです。 最後に伊丹先生からは、 携帯などの画面にくぎつけなのは、一種の感覚刺激だ。 使ってよい時と使わない時などの区別は教えていかないといけないが、 たとえば、食事のときに携帯を障らないという文化も疑ってもよいのではないか。 時代は、テクノロジーなしでは成り立たない世になった。だれもがテクノロジー携帯で情報をいつでも手に入れ、いつでもだれかとコミュニケーションすできる時代であることを柔軟に受け止めてもよいのだろうと思う。 なにより、この子にとって学校での学習は決して楽ではない、にもかかわらず、通っていることを評価したい。よく頑張っているのです。 以上は、 宮本が聞いていてまとめたものですから、多少の理解不足や、記憶わすれ、表現方などは違う部分があると思います。ご了承ください。 |
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コメント | ||
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[646] | 報告2 | 宮本 06/21(金) 16:26 |
事例を出してくださった御両親からは、 「家庭で夫婦で悩んでいたのとは違い、わが子の良いところもいっぱい気付けて、考え方もいろいろあるのだと思った。」 とおっしゃっていただきました。 学校の先生からは、 「時間がなくて、こういう勉強会には足がとおかったが、今日は、伊丹先生のとても暖かなまなざしや視点に接し、もっとこういう学習会に参加しないといけないと思った」 と、おっしゃっていただけました。 また、紹介でも口コミではなく、指導に悩まれてネットでこのホームページに辿りつかれて単身参加された先生もおられて、参加してよかった、勉強になったとおっしゃっていただきました。 他、会員先生に連れてこられた先生も、「すごく話しやすい場所だった」と言ってくださり、 主催する者としてはとてもうれしい感想をいただきました。 これも伊丹先生や安原ドクターがいつも支えてくださり、参加してくださる方々がおられてこそです。 今年は、回数がへりますが、一回、一回の事例を大切に扱っていきたい思いは今後も変わりません。 皆さま、今後ともよろしくお願いします。 |
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コメント | ||
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[647] | テクノロジー活用のための書籍紹介 | 宮本 06/21(金) 16:34 |
「発達障害の子を育てる本 ケータイ・パソコン活用編」学研 上記の本は、中邑賢龍先生や近藤武夫先生が監修されており、イラストが豊富で、お子さんの苦手に応じて具体的に説明されています。 |
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