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[691] | 9月19日の事例検討会内容報告とまとめ | 宮本 09/20(金) 10:16 |
2013年09月20日 9月の先生学習会の内容報告 今月は、安原ドクターが久々に参加してくださり、 医療面からの視点を聴けました。 事例の子に当てはまるかは、情報がないので、わかりませんが、 臨床経験豊富で感性するどい安原ドクターだからこその指摘に、みなさんも、なーるほど!だったことでしょう。 又一つ、事例を考えるときの視点のポケットを広げることができました。感謝! さて、今回は、中度から軽度の知的障害がメインのお子さんの支援相談事例で、 ポイントは大きく2点でした。 @知的障害があるということを親御さんにどのように肯定的に受け止めていただくか、 A学習指導では、発達にそくした具体的内容をどのようにとらえるか だったと、私は思います。 事例児童は、8歳。就学前から学習塾に通い、御両親の熱心な指導のもと、 文字、計算スキルなどはかなり鍛えられています。 就学前は、保育所からも支援の必要をアドバイスされたようですが、就学ではそのことは伏せて入学されて 通常学級のみ在籍。課題はみなと同じことを課されてきています。 ところが、数の概念理解や意味理解が充分ではないので、長期記憶に残りにくく、 学習の積み上げが上手くいきません。 親御さんは焦るし、イライラし、子どもにきつくあたられることも多いと思います。 親として、すごく頑張っているのに、思うような成果が得られないとき、 親子関係は、学習という場面で、子どもとのバトルが繰り返されていくことが察しられます。 課題が難しいうえに、親から叱責、罵倒されて日々苦しむのは子どもだけではなく、親も同じです。 さらに、知的障害+他の障害特性が絡むと、行動面の諸問題も数々出てきます。 親御さんの葛藤の大きさは想像するにあまりあります。 だからこそ、お子さんの状態をお伝えするときには、誠実に、思いやりをもって伝えることが重要になります。 ここまで頑張って我が子と関わってこられた親御さんが、 我が子が知的障害であるということをマイナスに捉えてほしくないからです。 どんな子も、必ず、成長する、いや、成長していることを実感してほしい、命に優劣はないのだし、 知的障害の有無にかかわらず、子どもが「当然の権利として自分の生を受け止められる人生」を 応援するのが、親の一番の役割のはずです。 子どもの理解や能力を超える課題を要求して経済的自立を果たすために引きのばすように ひっぱることが親の役割ではないと、私は断言します。 とはいうものの、知的障害でも経済的に自立して生きて行けるという情報がいきわたっていない、 ということも、親が悲想観や絶望感に陥りやすい要因でもあるでしょう。 また、知的水準が遅れていると言う事だけ伝えると、親御さんによっては、 「鍛えれば追いつく」という捉え方をしがちなケースも多く、子育ては実践的な成果がみえない無限地獄(言いすぎかも。。)におちいりやすいです。 だから、子育ての舵を親子とも楽になる方向に切りかえるお手伝いをするのが支援者の役割なのでしょう。 さて、生活年齢が8歳でも、結果からは発達年齢が5歳以下と思われますので、 そのような発達水準の場合は、具体物での理解が中心。 数の概念理解の水準を考えると、足し算だと5までが限度。 机上の学びよりも体験重視。体験と知識を結び付けること。 事例児童は、特にワーキングメモリーが有意に低く、空間認知や視覚的推理が良好でした。 ですので、具体物を操作することが取り組みやすい。 安原ドクターの冗談ぽい指摘でしたが、いたずらの中に、その得意が活かされていることがありました。 それをきいたとき、洗濯ものたたみや、片付け、プリント折などは練習するとできるかもしれないと思いました。 自立課題を中心に置くのが、知的障害の子への基本的指導なら、 生活の中での作業体験が一番、取り組みやすいはずです。 ただ、それが子どもを追い込んだり、苦手を鍛える療育だと位置づけて、出来を点検して責めることにならないようにするのは必須。 この子のいたずらやトラブルは、ほとんどが注目要求が多かったので、 好ましくない行動を好ましい行動にかえて、正当な注目要求に変える行動を用意する事がまずは重要。 人から「ありがとう」といわれることを増やすには、どんな事を任せればよいか、 どの得意をもっと伸ばしてやれるかを無理のない範囲で支援者が考えることが、大事な視点なのだと思います。 説教臭い長々とした文面になりましたが、今日の先生方のご意見や伊丹先生や安原先生のコメントを聴きながら、 私なりにまとめてみました。 参考になることがあれば、幸いです。 しかし、先生学習会は、長くつづけていますが、毎回学びが多くて、ほんと、やめられないです。 来年から、また月一度のペースで開催することもお約束していただけました。 次にはどんな事例にであえることやら。 今回も勇気をだして事例応募して下さったS先生、ほんとうにありがとうございます! これからも、お子さんの支援、よろしくおねがいします!! |
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