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[846] | 2016年9月事例検討会報告 | 宮本 09/09(金) 10:28 |
9月事例検討会報告です。 主訴は、この子が過ごしやすい環境整備です。 特性により集団活動が苦手で、一日中支援級で過ごしています。家庭では母子分離ができません。 学校でも先生がいないと一人で過ごす事ができませんが、好きな活動をさせておけば、先生は他の子の支援を少しは出来るそうです。 情緒は不安定で、激しいイライラが家族を振り回し、取り合わなければ、メルトダウンを起こします。主導権を取られがち。家族のストレスは非常に高い。特に兄妹のストレスは大きく理不尽さを抱えている。 支援級の先生との関係は良好な印象を受ける。 wisc4の発達検査の結果では、一般知的能力に比べて、認知熟達度能力が、稀な低さ。 理解力や推理力が平均の力を持っているが、学習し、絶えず変化する環境に適応する事が追いつかない状態がうかがえる。 新しい課題解決に柔軟に対応する事が特に苦手。物事にじっくりと取り組むのも苦手。待てない、課題の答えがすぐわからなかったり、思い通りにならないと不安定になる。 学習課題の学び方は、単調な繰り返し学習での効果はあまり望めず、動機付けが重要。 対応は、興味関心のある事を最大限に使う事。 事例児童は、KABC2の語の学習では特徴のある絵柄の名前さえなかなか覚えられなかった。 ところが、妖怪ウォッチの名前や特徴については非常に詳しい。 これは、無意味な機械的な記憶は苦手だが、妖怪ウォッチのネーミングは、絵と名前の因果関係がうかがえるネーミングが多いので、覚えやすいからだ。 だから、似ているようで、違うものだ。 意味付けがしっかりできて、イメージできれば覚える力はしっかり持っているという事になる。 ここに、学習指導のコツがある❣ 今回の事例は、伊丹先生によると、 【2E twice-exceptional 】 才能と発達障害の二重の特殊性を持つ子だという事でした。 才能はあるのに、発達障害の特性がその才能を隠してしまうというタイプで、幼少期には発達障害が隠れて見つけにくいタイプだということでした。 このタイプは増えており、今後もっと増えてくるとということです。 才能が特に高い場合に、gftidとよばれます。 詳しくは、ネットで検索してください。 このような場合、発達障害の特性を本人が気づいていく事が大事で、それを支援してゆく事が、本事例児童自身がイライラの要因や対応の仕方を学んで行く事になる、という事でした。 ❶具体的には、感情のラベリングが大事。 しかも、この子には、マイナスの感情のラベリングではなく、プラスの感情のラベリングから始める。 ここがコツですね❣ 「お友達が遊びに来てくれて、楽しかったね、嬉しかったね〜〜」 と、言葉をかける。 プラスの感情のラベリングがうまくいけば、マイナスの感情のラベリングに取り掛かり、 自分の感情への気づきをうながしていく。 この支援が後に、自分で感情のコントロールをしていける力を育てる。 ❷主導権をこの子から取り戻す。 四六時中、何をしたら良いか聞いてくるのに、機嫌を損ねると、大人の提案を受け入れず、ごね、理不尽な要求で周囲の人を振り回す。 まずは行動の意味の理解をする。 ペアレントトレーニングが有効。 ❸失敗への耐性が低いということは、成功体験が欲しいということ。 それと、本人が言うには、 「自分で自慢するのは好きだけど、褒められても嬉しくない」というそうです。 なぜ、自分はできないのか、という思いが強く、セルエステームが下がりがち。 よくこういう子はプライドが高いと評価されがちだが、全く見当違い。 対応の視点は、 失敗させないようにするではなく、成功させるにはどうするか、で支援を考える。 ここ、同じように見えて違いますね、これも指導のコツ❣ 例えば、トランプなどのゲームを大人が相手でするとき、大人はわざと負けたりするが、わざと負けることはしない。 その代わり、取り組む姿勢や、結果にいたる過程を褒める。 学習課題もあげないと物足りないタイプ。 もちろん、興味関心を活用する。 (・・・・・でも、小さい子には、初めは勝たせてやるけどなあ〜〜で、徐々にこちらも勝って、事前に負けてかんしゃくを3回起こしたら、その日のゲームは終わりで、チャンスはまた明日、と伝えるほうが多いけど。 こういうすぐかんしゃく起こして投げ出す子には、この方法、ちょっと勇気いる、です。 でも、なんかポッカンと閃きます。 この子、自分で納得しないと、褒められても嬉しくない、というのが着目点かも。 これは、アスリート魂? メダル取ってるのに、金メダルじゃないから悔しいとかいって泣く、あれに似てる?……つまり、こういうタイプには、こちらはしっかり向き合って関わるってのがポイントということか………)宮本の独白です。失礼。 ❹母子分離は、勇気を持って離す。 ❺運動会の練習に参加できないなら、ビデオで練習。 運動会に参加や見学できないのは、感覚過敏などの特性によることが多いので、無理強いはさせない。代わりに、ビデオで練習させる。 積み木の成績は良いので、モデリングはできる。 みんなから見えないところで努力させるのが有効。 ❻学習保障は大事だが、この子に取って、今、その事に指導のポイントを持っていくことが幸せかと問うて欲しい。 支援級で過ごす課題が、直接的な勉強とは違っていても、子どもがその活動をする反応に注目すること。集中して楽しそうに取り組んでいれば意味がある。 そこから、ステップアップすることも可能だ。 この子にとって支援級は居場所になっている。 自信を持とう。 ❼この先、不登校になるのではないかとか、起きていないマイナス予測はしない。 休みが挟むと、状態は下がりがちで、出来ていたこともできないことが多い。 そんなときは、うまくできていたときの事を検証して仕切り直しをする。 受容しながら、進む。 ❽主導権をとるには、先に指示を出す。 「そろそろ退屈する頃やね、次はこれやりなさい」という。 ❾認知の柔軟性を育てるには、信頼できる大人が冗談を言うこと。同年齢から言われると激怒するので、注意。 この子にとって、支援級は居場所になっている。その事に自信を持とう❣ 以上、各グループからの発表や質問、伊丹先生のまとめのコメントなど、宮本が咀嚼できたかぎりで、まとめてみましたが、ライブはもっと濃密でした。 次回は、11月24日になります。 |
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