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[857] | 2018年1月11日事例検討会まとめ | 宮本 01/13(土) 06:46 |
2018年1月11日事例検討会まとめ テーマは、男子の性的成長?に関するトラブルの捉え方と対応の基本です。 好きな女子の持ち物への関心や執着の強さが招く不適切な行動がエスカレートしており、必要な自立訓練もままならないという主訴でした。 学校としては、指導を繰り返しており、本人も不適切な行動だと理解はしているものの、止めることができない、という事でした。 こうした多くの場合で言えることは、 「●●をしてはいけない」というダメ出しが指導の中心になり、「○○なら、しても良い」とか、「○○しなさい」と言った肯定的な指導がなおざりになりがちな事かもしれません。もちろん、事例の学校の先生達は、そういう事も含んで指導を繰り返してこられたと思うのですが、上手くパズルのピースがはまらない焦りを抱えておられるようでした。 しかしながら、事例の子の学校から若い7人もの先生が来ていただき、会場からの厳しい意見にも謙虚で熱心に参加して耳を傾けてくださっています。 本当に有難い思いでいっぱいで、長年続けてきた事例検討会の重みを感じています。 さて、事例に即して考えると、 異性に関心を持ってきたことは喜ばしいことですから、受け止める側は、その関心を適切な行動をモデリングしてロールプレイする事を実践するべきという意見がでました。 検査結果からは、長期記憶と検索がもっとも強いので、口頭で言うだけではなく、モデリングしてロールプレイすると、知識として定着して運用しやすいからだそうです。 具体的にいうと、 @性的な興味には、犯罪にならないチラ見を教える、というものでした。 どんなチラ見って? それは、ここではお伝えしないでおきます。参加された方だけが知っている事にしておきます。 また、どこまでが許されるチラ見か、学校と家庭で共通認識しておく事も忘れたくない事です。 A不適切な行動には、両立しない分化強化を使う。 応用行動分析の一つのスキルで、不適切な行動ができないような環境を作って、褒めて成功体験を積む事です。これは、口頭での修正だけではできません。 例えば、教室移動中に女子に触ったり、壁や物を叩いて迷惑な音を立てるような時、そのような不適切な事に手が使えないように、仕事や役割を与えます。教科や活動に必要なツールを持たせて運ばせるということです。 役割を遂げることができたら、みんなの前で褒める。それをきっかけに、その仕事を自主的にかってでるようなら、しめたものです。 B他の楽しみを作ってゆく。 背景情報を読むと、学習能力は高く、支援学校で学ぶ内容は退屈で、しかも同年齢の男子との関わりも充分ではありません。 他に楽しみがないから、性的興味に執着してゆくことも考えられるというご指摘も受けました。 そこで、 学校だけの仲間作りにこだわらず、好きな電車の仲間と関われるような集いに参加するなどして、外に仲間を求めるのも、性的興味を緩めていく事に繋がるはず。 もちろん、学校行事の中で、男子同士の関わりをコーディネートする事も可能。男の若い男性教諭も何人かおられるようなので、一緒に遊んだり、つるむ事も大事では。 ここで、伊丹先生から、大事なコメントをいただきました。 「楽しみというのは、例えば、けん玉の達人と一緒にやっても面白くない。 下手だけど、実に楽しそうにけん玉している人と一緒にすると、楽しいとおもうものだ。」 本当に、その通りですね。 次のようなこともよくいわれますよね。 「成績優秀な人が必ずしも上手い指導ができるわけではない。落ちこぼれで勉強してきた人の方が教え方が上手い事がある」 C背景情報から、前頭葉の機能不全からと思われる衝動性も大きいと思われるので、抑制力を高める投薬の必要を安原Dr.からアドバイスいただきました。昨年は、コンサータとストラテラに加えて、インチュヌブというお薬もふえ、その思わぬ効果も臨床で確認されてきているようです。この辺りの情報が聞けるのは、Dr.がいてくださるので、本当に有難いです。 また、安原Dr.からは、性の不適切な行動を理解してくれる医師は基本男性じゃないと理解しにくいと思う、男性でも真面目一方の医師は避けた方がよいとのご発言あり、ご推薦していただいたDr.のお名前も記憶させていただきました。さもありなん。 D興味のあるものを強化子にすると、事例の子の場合は、それに執着してものすごい量になる。例えば、気になる女子の持ち物に触るのはダメだけど、同じものを買ってあるのなら、写メで撮ってそれをカタログ化して冊子にしてみるのはok! また、同じものを買うのも個数は制限しておいた方が無難。特性から際限がなくなるので注意、とDr.からもアドバイスいただきました。 E告知の課題について。 思春期までには、自己認知をやっておいた方がよい。 診断名を告げるのではなく、自分とは何者かをを知る事だ。 どんな得意があって、どんな課題を持っていて、それをどのように乗り越えたらよいのか、具体的に伝えることが大事。 Dr.からも、たまに診断名を告げることはあるが、課題に肯定的に向き合う具体的な方法は必ず伝えるということでした。 今回は、フェイスブックへの投稿記事の反応数が極端に少なかったのですが、いつも通りたくさんご参加くださり、ありがとうございます😊 非常に活発な議論が飛び交い、いつものように逆発想豊かな安原Drや、ウィットに飛ぶ伊丹先生の返しが溢れて、和やかで楽しい検討会ができました。 次回は、3月8日の木曜日です。 事例の応募がありました。 小学6年生で、限局型学習障害とはいえ、未だにひらがなが読めない状態とは深刻なケースです。皆さまのお越しをお待ちしています。 |
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