[560]朝倉みこ
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2007年11月19日 (月) 16時56分
(・・・・・・さーて)
なるべく音を立てないように、アハトは歩く。徐々に近づいて見える影は少女と猫の影。おそらくあの少女が「クレア」で猫が「アル君」なのだろう。おそらく、普通の人間と猫のコンビじゃない。猫が喋っている時点で、否、彼女たちが放つオーラを感じ取る時点で、彼らは普通の世界とは一線越えた世界にいるような、人物なのだろう。
「そこでなにやってるんだよ」 「うわぁ!」 「ほら見つかったよクレアぁ!」
一言声をかけただけだというのに、この謎の二人組(正確に言うと一人と一匹)は尋常ではない声を上げて騒ぎ出した。「おばけおばけ!!」などと言いながら。
「誰がお化けだよ」 「うわぁ!生きてる!!」 「クレアぁ、この人お化けじゃなくて天使だよ〜」
「正確に言えば堕天使って奴だけどね」 そう言って、アハトは一つため息を吐いた。自身で自身が天使だと認めたのはつい最近のことなのだ。それなのになぜこうも冷静に自分は天使だと真実を口にできたのか。謎だ。さらにいうなればこの発言を聞いている目の前の彼女らや以前に発言したときにいたセシル以外の誰かがいるかもしれない、なのになぜ、その事が分かっていながらこんな発言をしたのか。軽く後悔を覚えながら。
「・・・堕天使ってなにしたのさ、お兄さん」 「ちょっとね」
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11/4 ダークファンタジー中編「kaleidoscope」Act.4を更新しました。よろしければどうぞ。
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