バブルが弾けて数年経ったある時、それは始まった。突然何の前触れもなく、ロボット部門を廃止すると一方的に通告があった、部門責任者ではない同席していた数人は、その場から席を外して行った。かねてより利益率の点で、意見の食い違いはあった。それは１台数百万もする高額商品を、消耗品と同等の利益率を確保して、販売すると言う要求で、これに対し、１台１台の利益率は低くても,販売台数を確保する事で、営業効率が向上し、利益率は結果として確保できるとした対案を示した。
　バブルが弾けた今、薄利でも、身の丈で、業界に貢献できる様、共に痛みを分かち、力を結集するべき時に、ただ数十％が適正で十数％ではだめだというその考え方に、大きな喰い違いが有った。ロボット部門を廃止するとい
う通告を受けた時、この独りよがりな考え方では、業会の為にならないと考え、この会社には、何が何でもロボット部門のカケラも残してはだめだと判断し、会社を辞め独立を決意した。
　開発者として中心的立場で、販売活動をしてきた私にとって、すでに稼働している我が子も同然の、スプレーロボットシステムの可能性に何ら不安は無かったが、何より高額商品の仕入れと言う難問に、幸い社外の多くの理解者に恵まれ独立に力を貸して下さり、地獄に仏、感謝感謝である。退社した時４０数台、それから５年目を迎え３００台を目標射程に毎日頑張っております。
　廃止を決定した段階で、その商品の将来性をも含めて、可能性が無いと判断した、と理解するべきである。あれから５年目廃止を決定した事に、大いに感謝である。
　　　リストラは人生最大のチャンスだ