[25] 原発ではなく太陽を!天草宝島ネットワークからの訴え |
- tora - 2010年05月24日 (月) 13時09分
生駒織光 作
緊急シンポジウム“原発推進は地球温暖化対策になるのか”主催:公害・地球環境問題懇談会 2010年5月23日(日)13時30分?16時30分 東京都文京シビックホール 原発ではなく太陽を!天草宝島ネットワークからの訴え (原発ではなく太陽を!天草宝島ネットワーク事務局長)生駒研二
「公害・地球環境問題」は、私にとって社会科の教師になる原点(自分の将来を決めるための大学4年になる前のオーストラリアの旅の中で、「日本の公害特集」のテレビ番組が僕に決定的な影響を与えた)でありました。今日の報告のテーマは「原発ではなく太陽を!」。話は1年前にさかのぼって始まります。 (報告は講談調で行います。2009年8月26日、私こと生駒研二は、あの「はだしのゲン」で有名な 社会派女流講談師、神田香織師匠の外弟子となり、天草初の講談師とてデビューいたしました。 では、生駒織光原作『ピンピンコロリ』と『原発を探せ』より)
ことの発端は2008年10月下旬。大阪で開かれた、NHKの朝の連続ドラマ「藍より青く」の舞台となった旧牛深市と天草町出身者の集い。配られた資料に出席者は驚いた。天草への原発誘致を呼びかけるカラー印刷の資料。天草下島を建設候補地する地図も付けてございます。配布したのは関西の「天草を語ろう会」世話人のОさん。「寝耳に水」とはこのことと、すぐに声を上げたのは安田公寛天草市長。「今も多くの被爆者が暮らす天草では、兵器としての原子力『原爆や水爆』が世界に存在する以上、原発は認められない。『日本の宝島:天草』に原発はそぐわない。原発は観光や一次産業、歴史文化をはじめ天草のイメージを損なう。私は原発ではなく太陽光発電の誘致を積極的に働き掛けたい」と明確。上天草市長も苓北町長も、議会で「原発は必要ない」と答弁。天草の2市1町の首長は頼もしいのであります。毎年、天草の原爆犠牲者慰霊祭に参加され、非核宣言をし、そして広島・長崎市が呼びかける平和市長会議にも、天草の2市1町の首長さんは参加されているのであります。 天草への原発関係の誘致話が持ち上がったのは今回で4度目。最初の話は1967年。雲仙・天草国立公園随一の景勝地、天草町大江がその候補地。冷却用の海水は東シナ海から、淡水は羊角湾を閉め切り供給する構想。町長らは期成会を結成して原発誘致を陳情。もうこれまでかと思ったが、工事を始めると羊角湾は瞬く間に濁った。これに怒った地元漁民の必死の抵抗。工事はすぐにストップ。同時に原発計画は消えました。2度目の話は1993年の新和町の小さな離れ島の横島。町が集団移転を計画。「集団移転計画は横島に原発を誘致するためではないか。橋をかけないのは移転やむなしと思わせるためではないか」と町当局を追求したのが、元九州電力職員の浦川繁さん。ついに若き町議が町長選出馬。現職を破り原発計画を葬ったのであります。3度目は2004年に持ち上がった御所浦町の高レベル放射性廃棄物最終処分場の誘致話。町長を中心に町議らも加わり、町の経済浮揚のためにと手を上げた。ところがどっこい、天草だけではなく対岸の芦北・水俣も猛反発。すぐに矛を収めてしまいました。私などは思ったものでございます。「恐竜の島をゴジラの島にするなー!」と。 このようにして始まった天草4度目の原発騒動を、何とかボヤのうちに消し止めたいと立ち上がったのが、『天草の自然を生かす会』。その代表がわたくし:生駒研二であります。『天草の自然を生かすセミナー』を開催し、太陽光を始めとする自然エネルギーと原発の問題を勉強していきます。その参加者を中心に、2009年7月12日には「原発ではなく太陽を!天草宝島ネットワーク」を立ち上げます。8月の衆議院議員選挙では熊本県4区立候補予定者に公開質問を行い、自民党・国民新党・幸福実現党の3名全員から原発関係施設の建設反対の意思表明をゲット。原発反対の看板も設置したころに、私の体にも原発があることがわかったのであります。 時は2009年8月26日。苓明高校社会科教諭:生駒研二センセー、A病院の内科の診察室の前におりました。7月に行った人間ドッグの再検査のためであります。あの時はB先生、僕の胸のレントゲン写真を見て、「きれいな肺です。問題ありません」と確かにおっしゃったのに、家に送られた検査結果では、肺に影が映っているから精密検査を受けるようにとのこと。細君にせかされて、ちょっと体調もおかしいこともあり、夏休みも終盤のこの日、再検査にでかけたのでございました。B先生、肺の断層写真を見て、深刻な顔をされています。「影のところは骨が写っていたようで何ともなかったのですが……」(やはり何ともなかったのかな)「小さな点々がいくつもあるんですよ」(小さな点々?何だ?)「転移性腫瘍かもしれません」(???)「大きなものは肺にありませんから、もしこの点々が腫瘍だとしたら、どこかから移ってきた可能性が高いです」(???)「どこから移ってきたかすぐに調べましょう。大腸から検査しましょう」「はあ、はい。転移性腫瘍というのはガンのことですか」「はい。はっきりとは言えませんが、ガンの可能性があります」「はあ」「それで、原発がどこにあるか探さなければなりません」「原発ですか」「ええ、転移したガンの、元になっているガンの発生場所を原発というのです」 こうして生駒センセーの原発との闘いは、2つになっていくのであります。原発は前立腺ガンだとわかり、前立腺の腫瘍マーカーPSAは630と高レベル。骨にもリンパにも、もちろん肺にも転移し、手術も放射線治療もできないとのご託宣に、一時は「なんでこの僕が」なんて思ったものでございます。しかしご安心ください。立ち直りが早いのも生駒センセーであります。たくさんの方々からの励ましやアドバイス。嬉しいものであります。「生駒さん、ガンは恐れを栄養にして大きくなるんです。ガンを恐れてはいけません。生駒さんならきっと治せます」「ガンは生活習慣病。食生活を変え、ストレスのない生活を送ることでガンは退治できます」「玄米菜食をやりなさい。噛むことが大事です。一口30回以上」と、みんな力強いのです。僕もだんだんその気になってきました。菊池養生園の竹熊先生の紹介で、熊本の橋本先生の所へ行き、「ガンは自分で治す」と方向性を明らかにすることもできました。ホルモン・免疫・食事・呼吸・笑い・歌・心理・運動・温泉等々、自分で納得した治療をこの8ヶ月間やってきました。その結果、PSAは2010年2月26日現在0,41まで低下。体調はここ数年で最も良い状況であります。さらには4月のPETの検査では、どこにもガンはありません。大きなガンは消えていたのでありました。しかし油断は致しません。ガンは生活習慣病。自分の免疫力をさらに上げるため、良いことを続けてまいりましょう。 天草の原発もやっつけられる状況が見えてきました。九州電力にはこれまで3通の公開質問書を送り、その公開回答会を3回開くことが出来ました。その結果、天草が建設候補地であるかはもちろん、私たちの質問にまともに答えようとしない九州電力の姿勢に島民から不振の声が上がっています。蒲島熊本県知事も慎重な表現ながら、原発には反対の意向を表明されました。3月に実施された天草市長選・市議選の立候補予定者のアンケートでは、3名の市長立候補者は絶対反対。市議候補32名の内30名は反対を表明していただき、そのうち29名が当選されました。もう1名の当選者の方は勉強中と、原発を積極的に推進する人は一人もいません。ヨシヨシです。しかし油断は致しません。次の手も打ってあります。車に付けるステッカーの準備も着々に進んでいます。パンフレットは完成しました。神田香織師匠も次は「チェルノブイリの祈り」をやるわよと張り切っています。夏には原発問題に取り組んでいる九州の仲間も、天草にやってきます。この動きを、2050年の天草につなげていきたいと思います。 時は移り、2050年の8月26日。ここは天草市新和町の龍洞山の中腹。原発建設かと心配した天草でしたが、ところがどっこい、2050年の天草には原発はございません。 空には太陽がサンサンと輝き、空気は澄み渡り、鳥たちはさえずり、山々には大木が根を張り、沢にはきれいな水が流れています。棚田は黄金色に輝き、村人はこぞって稲刈り。子どもたちも手伝っています。不知火海には小舟が浮かび、藍より青い天草ブルーの海で、釣りを楽しんでいます。すべての家に太陽光発電があります。天草は食料だけでなく、エネルギーも自給自足の島となりました。 『みんなの家』でバラモン凧を作っているおじいちゃんは安田公寛さん。40年前、原発ではなく太陽をと、ソーラーローンを導入した市長さんです。太陽光発電をつけるなら、200万円まで無条件で融資する制度。お金がなくても天草の人々は太陽光発電を次々と設置。借金は太陽が返してくれました。それから『太陽の島:天草』がマニュフェストになりました。 天草の人々はみんな元気。太陽のもとで「ピンピン」と働き、天寿を全うし、寿命が来たら「コロリ」と、苦しむことなくこの世とお別れをするのです。『ピンピンコロリ』の世界の宝島:天草であります。平均寿命は男:100歳、女:108歳と、世界で最も長寿の島。 「太陽の宝島:天草」は世界的に有名になり、アメリカの大統領だった米寿のオバマさんもやってきた。このオバマさん、2011年に広島・長崎の原爆慰霊祭に初めて出席。そこから世界に「日本国憲法」の精神が広がった。どの国も戦争放棄し、軍隊も武器ももたないことにした。そして2040年、この地球上からすべての核兵器がなくなった。核兵器がなくなると、当然原子力発電所も不用になったのです。 白寿の生駒織光師匠はオバマさんの前で大きな声で講談を演じています。『元気で長生きの「ピンピンコロリ」の極楽の「太陽の宝島:天草」が、地球に希望を与えております。世界は平和になり、国境も2051年・来年にはなくなります。アンダースタンド? オバマさん。 OK? グード。メデタシ、メデタシ。「ピンピンコロリ」の物語り、これをもって読み終わりでございます。』
|
|