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[1185]最期の連合艦隊司令長官

連合艦隊司令長官は東郷平八郎や山本五十六が有名であるが小沢治三郎には敗軍の将のイメージのみが強調される。本人も連合艦隊司令長官拝命にあたり大将昇進辞退したのは戦局悪化によるものか自身の敗戦責任によるものであろう。然しながら山本五十六が真珠湾攻撃を思いついたのは空母を集中運用し機動艦隊編成を提唱する小沢第一航空戦隊司令官の演習を見てからだと言いながら山本長官は、航空艦隊構想の主唱者である小沢治三郎を機動艦隊司令官にすることなく海兵1期違いで同じ水雷専門でもあるが南雲忠一中将を任命する。この人事で小沢中将は時機を逸して勝利の女神から見放されることになる。

第一機動艦隊兼第三艦隊司令長官として指揮したマリアナ沖海戦ではミッドウェイ敗戦に懲りて艦船防護を重視するあまり航空機に負担をかけさせるアウトレンジ戦法を採用したことで米軍側からマリアナの七面鳥狩りと揶揄されることになる。ミッドウェイで失ったベテランパイロットの損失は大きく既に日本のパイロットの操縦技術では小沢中将の抱く作戦実行能力はなくなっていた。つまりミッドウェイ敗戦を参考にしたことが裏目に出た結果になる。

レイテ沖海戦では見事、囮となりハルゼー機動艦隊をひきつけるも肝心の栗田艦隊が反転してしまい空振り。

終戦時、海軍内の継戦派の反乱鎮静化に努めて

米太平洋艦隊ニミッツ元帥は小沢中将について
「敗将を愚将と批判するのはジャーナリズムの評価にすぎない。小沢提督の場合、敗戦の連続なれど敗将と言えども可能性が見出せる限り名将である。」

つまるところ、
従来の空母の運用方法の常識を覆し、航空艦隊による艦載機の集中爆撃による敵母港への攻撃や戦艦への雷撃爆撃が当然になったのも小沢中将の発想からである。されど理論では大いに評価されるも実戦では敗北の連続は時すでに遅く勝敗は時の運としか言いようがないけれども少なくとも山本五十六長官が南雲でなく小沢を機動艦隊長官に任用しておればミッドウェイ敗戦はなかったと思料される。山本長官が自身と同じような才能を持つ部将の採用を疎んだ人事の失敗。

名前:舐小路実麿 / 自宅にて / 私信 / HP
2019年12月08日 (日) 11時42分




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