[ No.217 ]
無菌調剤@薬局実務実習
投稿者:
2012年03月11日 (日) 10時37分 |
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平成24年3月10日、実習生に付き添って無菌調剤の実習に行ってきました。
A 500mlの溶解液ボトル1本 B 2mlの薬液アンプル2本 C 1gの散薬バイアル1本
上記医薬品を混合するというものです。
準備すべきもの 酒精綿、ウエルパス、キムワイプ、トレー複数、シリンジなど。
忘れないうちにポイントを列記します。
* クリーンルーム、クリーンベンチの空気の流れを知る。 * 前述を理解して作業エリアの消毒。Zに清拭(文章では難しいですね)。 * 廃棄物は利き手側に置くようトレーを設置、投薬するものはその反対側にトレーを設置。作業していく‘聖域’を侵さないため。 * シリンジに針をつけた状態で2本準備。不潔な包装は早めに廃棄物に。針先の向き、シリンジの目盛りが見えるように。 * Bのアンプルをカットする部分を消毒してカット、使用しないものは手元から離しておき、開封したアンプルの上部には侵入しない。アンプルは陰圧になっていることを頭に入れておく。 * Bのアンプルから薬液をシリンジで吸引。吸引はカットした後に混入が予想されるガラス破片が沈むの待ってから。2ml程度の少量のものなら親指で引くことも。通常は小指で引いている。 * 薬液を引いた後の針のリキャップは縦方向に。かぶせたら引力に任せて落とす方法。リキャップをしたらすぐにAに混合せずCの混合に取り掛かる。できたものをDとする。 * これらの操作、親指の位置が一定であることに注意。 * Aにシリンジを穿刺するときはゴム片などのコアリングを防ぐために針の角度と垂直に進入させ、針先断面が進入したらまっすぐ穿刺していく。以下穿刺の場合は同様に。 * Aから薬液をシリンジにて吸引。常にボトル、バイアルの陽圧・陰圧を念頭に。この場合、Aのボトルの内圧を保持するためには、吸引量と同量のエアをAに移し、同量の溶解液と置換する。抜針の際はボトル内が若干陰圧であることが望ましい。(※でも、後にAにC溶解後の薬液を戻すのだから単純にぬくのもよいような。) * 前述同様にリキャップ。できたものをEとする。 * CにEを注入。この場合、押し込む方法と引き込む方法がある。抗がん剤など外部に漏れないようにするためには引き込む方法で慣れていたほうがいいような気がしました。 * EをCに穿刺、フランジャーを引けばEの溶解液が少しずつCに移動、数回繰り返し溶解液が移ったら更にフランジャーを若干引いてCを陰圧にして抜針。溶解が困難な場合は振盪。再度CをEに吸引する場合は、Cから採取したい量の8割程度のエアをEに準備しCに穿刺、そのまま逆さにしてフランジャーを引いて溶解後の薬液を置換していく。常に陰圧が保たれるように。 * Cからシリンジをいったん抜いて混和溶解するのも良いが、穿刺したままバイアルとシリンジを固定して振盪してもよい。 * 前述同様にリキャップ。 * 着色していないもの方混和するほうが過誤のリスクは軽減できる。今回はEが着色されているのでDから注入。 * Dを4mlに合わせる。針の中の薬液を考慮して、針先で量るのかシリンジのメモリで量るのかを決めること。針先の薬液を注入させるためには注入後に薬液を引いて再度注入し針先の薬液まで入るようにする。 * Dは4ml、Aの500mlに対してはそのまま注入してもよいのかな? * Eはそのまま入れるとAが陽圧になるので・・・、まっすぐ穿刺してフランジャーをひけばAが陰圧に、少しずつ置換していくはず。抜針の際はさらにフランジャーを引けばAは陰圧で保たれるはずですね。 * Aのゴム栓を酒精綿で清拭、無菌シールをするのかな?できあがり。
常に考えながら行動することは本当に難しいことです。それでも、ちゃんと理屈がわかっていなければちゃんとした仕事ができないということです。 できあがり付近はちょっと怪しい部分もありますが、機会があったら講師の先生に再確認させていただきます。
在宅医療が進む中、保険薬局での無菌調剤も需要が増えてきます。ポータブルクリーンベンチも薬剤師会が準備してくれました。いつ処方せんをいただいてもできるようにします。
実習生に混ざって教えていただいたK先生、本当にありがとうございました。 |
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