[ No.219 ]
第1回 双極性障害 Live Seminar 2012
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2012年03月30日 (金) 13時16分 |
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平成24年3月28日 東京女子医科大学医学部精神医学教室教授坂元薫先生のご講演。 指定発言はひもろぎ心のクリニック理事長渡部芳徳先生。 テーマは、双極性障害治療に求められるパラダイムシフトとは。 双極性障害 bipolar disorder(BD) 双極性障害は、躁状態を伴う双極 I 型障害と、軽躁状態を伴う双極 II 型障害に区分される。 双極性障害を見逃さないことが大事。過眠、過食など。現在に注目し、過去に注目し、抗うつ剤の反応に注目。 SCID(シキッド)という米国精神医学会が発行しているDSM-IVの1軸にあたる精神障害を診断するための 構造化面接SCIDの日本語版。精神科医療従事者にとって必要不可欠の手引書である。 BDの治療は原則気分安定剤の単独投与。 リチウムは0.8mg以上を保つ。 三環系抗うつ剤は使用しない。 SGA(OLZジプレキサ、QTP:セロクエル、APZ:エビリファイ)LTGの使用を考慮。 Liは再発を予防する薬剤であったが、現在ではその使用目的が??異なってきた。 LTGは維持量になるまで6週間を要するため、早く治療を開始することが大切。 LTGは躁状態を伴う双極 I 型障害の方が効果が高い。 BDは不安障害の多い疾患である。LTGを処方して5か月位で良くなってくるが、不安障害は残ることが多い。 LTGの副作用としては発疹に気をつける。25mgから50mgに増量するころは特に注意。服用を開始する時には必ず皮膚障害の可能性を伝え、発疹が出たらすぐに中止するよう伝える。発疹がたとえ虫刺されであっても同様に中止。 LTGはおおむね8週までに起こる発疹の副作用さえクリアできれば、非定型薬のような体重増加や血糖値変動の心配がなく処方しやすい。 LTGはそうの目立たない人に、うつの予防を目的に処方、充分な量を使うこと、安定するまではおおむね5か月。 Liは攻撃性のある人に、そうの再発予防を目的に処方。 LTGとLiの併用は最強の処方ということになる。 妊娠を希望される女性にはLiをVPAに変えたり、LTGが有効。 オランザピンのような抗精神薬をBDに処方するのはあくまでも急性期のみ。よくなったら、抗うつ剤に切り替えたり、抗精神薬を減量する。 |
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