[ No.235 ]
糖尿病治療の薬物療法@薬剤師会
投稿者:
2012年12月08日 (土) 13時46分 |
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平成24年12月7日 江戸川区薬剤師会研修会 今井橋のお近く、田村医院田村秀樹先生のご講演を拝聴してきました。 演題は「糖尿病治療における薬物療法について」
疫学から、今や予備軍を含めると6人に1人が糖尿病、年々エネルギーの摂取量は減りつつも、脂質摂取量の増加、自動車普及台数の増加に比例して患者数が伸びているようです。 糖尿病の診断がついた時にはすでにインスリンは半減しているとのこと、早期に治療を開始することの大切さをおっしゃっていました。
糖尿病治療の現状と課題 *糖尿病患者は経時的にインスリン分泌能が低下する。 *糖尿病発症時は、すでにインスリン分泌能が低下した状態である。 *早期からの積極的な治療は、糖尿病に関する合併症の進展を予防する。 *糖尿病治療は糖尿病を改善させるが、大部分の治療は長期的に良好な状態を維持するのは難しい。おそらくそれは、従来の治療ではインスリン分泌能を保持するのが難しいためと推測される。 *今後求められるのはインスリン分泌能を保持しつつ、低血糖を生じることなく良好なHbA1cを維持することである。食後血糖の管理も重要。
DPP-4阻害剤について、検討し明らかになったこと *幅広い症例で糖尿病のコントロールを改善させる。(特にHbA1c 6〜9、BMI 25〜30の症例) *もともとコントロールが良い症例(HbA1c 5.9以下)ではHbA1cは改善させない。 *体重を減少させる可能性がある。 *SU薬を減量・中止しDPP-4阻害剤を開始してもHbA1cに有意な変化は見られない。 *SU薬との相性が良い。一方BG薬(ジベトス)とはいまひとつ。 *SU・BG併用患者では反応が良い。 *薬物療法を受けたことがない症例は反応が良い。 *適正に使用すれば安全である。
ラストメッセージは 「知識に心が入って知恵となる 技術に心が入って技となる」
心のこもったご講演でした。 |
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