[ No.239 ]
DPP4阻害薬@薬剤師会
投稿者:
2013年04月11日 (木) 15時57分 |
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平成25年4月10日、江戸川区薬剤師会研修会に参加。 江戸川病院内科部長伊藤裕之先生のご講演を拝聴してきました。 演題は「DPP4阻害薬を中心とした糖尿病治療薬の選択方法」
DPP4阻害薬が発売されて約3年。 前回伊藤先生のお話をうかがった時にはまだDPP4阻害薬が出ていませんでした。 DPP4阻害薬が加わったことで糖尿病の治療にがどのように変わってきたかを伊藤先生に聞いてみたかったので今回のご講演は本当に楽しみでした。 今回も箇条書きにはなりますが、ポイントを書いておきたいと思います。
* 非専門の医師が現在のDM治療ガイドラインにそって処方を選択していくには、どうしていいかわからないようなGLになっている?! * HbA1cを下げるのは、SU>BG>TZDであることは間違いない。 * SUが使われる理由に、BSをよく下げる、安価、使い慣れなどがあるが、重篤な低血糖を生じることへの意識が不足している症例が多いのでは? * 遷延性低血糖を起こすSUの使用は控えていくべき。 * SUによる低血糖はINSによる低血糖に比べ厄介。 * 遷延性低血糖は入院加療が原則。ブドウ糖の投与で改善が見られても、第二波、第三波と津波のように低血糖が起こりやすいため。 * 遷延性低血糖は腎機能の悪い方に起こりやすい。GFRが45とかになってくると、薬剤の蓄積も考慮していかなくてはいけない。DMの3割の方が腎機能の低下を認めるため注意が必要。 * ということは、T2DMの約3割の方がSU、BG、TZDが禁忌となり、INSの適応を検討する必要がある。 * キーワード→糖尿病腎症、顕性腎症、微量アルブミン尿。 * 経口血糖降下薬(OHA: oral hypoglycemic agent)に求められることは、@血糖値、HbA1cを下げる、A低血糖が生じにくい、B体重をふやさない、C動脈硬化を抑制できる、ということで、BGが条件的には適してくることになる。 * 単剤で始めるときにはメトホルミン、それでも改善が見られない場合にはDPP4阻害薬を併用するとよい。 * 太っていても、太っていなくても、メトホルミンの効果に変わりはない。 * BGの副作用の乳酸アシドーシスは致命的な副作用ではあるが、頻度も高くはない。 * 透析患者ではINSの排泄も遅れるためINS治療は減少し、DPP4阻害薬が有効となってくる。 * DPP4阻害薬は脱落者が少ないことも特徴、長所のひとつである。グリニドやαGIでは、アドヒアランスがあがらない。 * CGMを使用した持続血糖測定法。日内の血糖値変動をみることができる。夜間や無意識に起こっている低血糖は治療予後がわるいので、CGMで血糖値の状態を知ることはとても有意義である。 * HbA1cが低値を示して喜んでいるわけにはいかない。 * DMは罹病期間が長くなってくると病状も悪化してくるため、また、加齢とともに内因性のINSが減少するため、高齢者でもINS導入という選択をせざるを得ない場面が出てくる。
他にもたくさんのよいお話がありましたが、メモしきれませんでした。もう一度聞かせていただきたいご講演でした。 |
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