[ No.244 ]
関節リウマチ(RA)@薬剤師会
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2013年10月18日 (金) 14時13分 |
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平成25年10月16日(水)19:30〜21:00 タワーホール船堀 4階 研修室にて
江戸川区薬剤師会研修会に参加。 東京臨海病院リウマチ膠原病内科松本孝夫先生のご講演でした。 演題は「関節リウマチの新たな治療戦略」。
* RA新分類基準によって極早期RA,早期RAの診断はつくようになってきた。それでもRA以外の除外診断(関節を脅かす他疾患、他の膠原病など)が重要で、かつその判断はとても難しい。 * MTX、DMARDs、生物学的製剤で治療の選択肢広くなってきている。また、その効果も以前に比べると格段に進んでいる。ただし、生物学的製剤では効果も高いが、経済的患者負担も莫大なため、患者背景を考慮した治療方法を選択しなくてはならない難しさも出てきている。
【最新のRA治療戦略】 * RAの治療戦略は目標達成に向けて短期的に治療を調整・強化するTreat to Target(目標達成に向けた治療;T2T)が確立している。 * 2010年、ACR/EULAR新RA分類基準が発表され、RAの早期診断・早期治療が可能になった。 * 2011年、ACR/EULAR新寛解基準が発表され、Boolean法による判定と指数判定を併用した形で定義された。
【アンカードラッグMTXの適正使用】 * MTXはRA治療の中心的薬剤で、DMARDsや生物学的製剤との併用療法の基本薬としてエビデンスも集積され、アンカードラッグとして位置づけられている。 * MTXは2011年2月に公知申請が承認され、16mg/週までの投与と、第一選択薬としての使用が可能となった。 * MTXの「禁忌」や「慎重投与」に該当する患者さんに死亡や重篤な副作用が報告されているので、初期の問診やスクリーニング検査でリスクを検討し、投与の可否を決定する。骨髄抑制、腎障害、肺疾患によるものが多数を占めている。(ファイザー社による) * MTXの副作用及び治療のために葉酸をMTX終了後24〜48時間に服用する。葉酸は通常5r/週以内、最大10rである。 * 葉酸含有のサプリメントに注意し、アルコール常飲は避け、MTX服用日には禁酒するように指導する。 * MTXの副作用は早期発見と初期の処置が重要。患者さんに初期症状を繰り返し説明し、疑わしい場合は休薬して相談することを指導する。
昔話、といってもほんの20年前には、進行したRAの患者さんは病棟で入院生活を強いられていました。 今でも進行したRAの患者さんを見かけますが、その数は本当に少なくなりました。進行したRAを現在患っておられる患者さんが進行する前に現在の治療を受けることができたらと思うと残念に思うところもあります。 昔のことを話すようになって自分も年を重ねてきたなあと思いますが、その当時のことを目の当たりにしていないと、この先に起りうる患者さんの不利益を退避させたり、早期治療を促したり、アドヒアランスを上げる説得したりするチカラには乏しくなってしまうのかなあと思ったりもします。 RAの治療は本当に目覚ましいものがあります。 若い医療従事者が最新の治療方法を学ぶ際には、現時点での治療方法を学ぶことと同時に、過去の歴史を少し振り返り知っておくことは、患者指導にはやはり大事なことだと改めて思いました。 このことは、何もRAに限ったことでなく、様々な疾患にあてはまります。 |
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