[ No.227 ]
薬剤師のためのベッドサイドティーチング2012 A
投稿者:
2012年09月13日 (木) 07時19分 |
|
|
|
平成24年9月12(水)、薬剤師のためのベッドサイドティーチング2012に参加してきました。 第1回から第5回までのシリーズで、今回が2回目。 今回のテーマは「感染症治療編」。 国立国際医療研究センター病院国際感染症センター長の大曲貴夫先生のご講演でした。 演題は「感染症治療のロジック」 ロジックとは、論理や筋道といった意味合い。 感染症治療には以下に掲げるロジックが必要 ■患者背景を理解 ■どの臓器の問題か? ■原因となる微生物は? ■抗菌薬の選択 ■適切な経過観察 ☆蜂窩織炎cellulitisは傷口の有無で起因菌の想定が異なる。あり→S.aureus なし→A群β溶連菌。 ☆肺炎の重症度を考えるとき、WBCやCRPの数値だけで判断しない。肺炎の重症度を考えるには‘CURB65’を検討する。‘CURB65’にはWBCもCRPも評価されていない。スコアによって死亡率まで判明してしまう‘怖い’スコア。 (そういえば、小児の場合WBCは重症感染で低値を示す、特に新生児で、CRPは炎症のマーカーであり、感染のマーカーではない、と学んだことが・・・。) C:Confusion 意識障害・見当識障害 U:Urea BUN 21mg/dl以上 正常値7〜18 R:Respiratory rate 呼吸数 ≧30毎分 B:Blood pressure 収縮期圧<90mmHgもしくは拡張期圧≦60mgHg Age ≧65歳 ☆Empiric Therapy 初期治療 Definitive Therapy 最適治療 ☆グラム染色によって顕微鏡下でグラム陽性、陰性、球菌、桿菌を確認すれば、培養による菌同定より迅速に起因菌を想定した治療が開始できる。 ☆培養結果に隠れた落とし穴。培養結果が1種の菌でも、G染色で確認されている菌が培養されないことも。嫌気性菌などは、培養の方法で同定されないこともある。 ☆抗菌薬の選択は、ファーストチョイスの薬剤に感受性があれば、ほかの薬剤のMICが数値的に成績がよくても、ファーストチョイスに推奨されているものを選択すべき。 ☆適切な経過観察を行うための知識としての一例→@急性単純性腎盂腎炎は解熱までに平均34時間がかかる。A小児の血行性骨髄炎の経過中はCRPが血沈より早く低下する。 ☆再発しにくい感染症 急性咽頭炎、肺炎、皮膚軟部組織感染、他多くの感染症 ☆再発しやすい感染 心内膜炎、膿瘍、骨髄炎、前立腺炎 ☆抗菌薬治療のゴールは2種類ある。ひとつは患者さんの状態が落ち着くというゴール。もうひとつは再発・合併症を防ぐというゴール。 |
|