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No.41 屏風ヶ浦の海食崖を正面から見る 投稿者:滝おやじ     投稿日:2012年11月27日 (火) 21時25分 [返信]

屏風ヶ浦の海岸線沿いに海食崖の輪郭を描いたある程度正確な図が見当たらないので、描いてみました。
2.5万地形図を元に、旭市と銚子市の2500分の1地形図を参照して作成。なので、標高は2m刻みで、海岸線に沿って投影した正面図ということになります。勿論高さが誇張された図になっています
実線で海食崖の輪郭、点線で海食崖背後の下総台地各段丘の平坦面輪郭を描いています。
実線は、海食崖を刻む谷の断面でもあります。
海岸線の消波堤から見上げると、崖の下半部しか見えず、切り立った連続した崖という印象ですが、作成した投影正面図では、崖の上半部は谷がたくさん入っていて、連続した崖にはなっていません。
 No.32に記したように、崖上部の谷は、北部は風隙、南部は懸谷という地域性があります。
この図に地質を入れるといろんな事が分かる面白い図になりそうです。

No.42 <海食崖正面図第2弾> 投稿者:滝おやじ     投稿日:2012年11月28日 (水) 23時43分

断面図第1弾と実際に海側から撮影した画像(今後掲載)を比べてみると、海食崖の下部にも、海面にまで達する切れ込みがあり、海食崖が不連続になっている所が数カ所あります。
 南部の不連続箇所は、海食崖懸谷の末端から海に落ちる小さな水流の滝が後退して、海食崖を少々削り込んだ奥行きの浅い峡谷になっている地形です。
 北部の不連続箇所は、海食崖の風隙凹所地点から、直下の海岸に降りる道を作るために作られたV字谷型の人工掘り込み地形です。
 以上の切り込みを書き足し、海食崖の凹所となっている地形を、書き上げたのが、今度の図(第2弾)です。各々の懸谷と風隙には識別のために番号を振りました。
 ということで、図を作ったところ、風隙でも懸谷でもない2箇所の凹所に気がつきました。磯見川の谷の断面と、名洗の町のある凹地です。
 この2箇所は、凹地の谷底面ができた当初の地形断面を、図に沖積谷底として示しました。 そのころは、海面との比高が小さいが、磯見川の凹所は懸谷、名洗の凹所は風隙と行っても良い地形だったのですが、その後の河川による地形の変化が絡んで地形が変わり、懸谷や風隙とは言えない地形となってしまった所です・・・これも後述。

No.44 海食崖平面図 第3弾 投稿者:滝おやじ     投稿日:2012年12月11日 (火) 18時28分

地質を入れた図を作ってみました。
現状では、屏風ヶ浦海食崖を正面から見た図では、最も正確な図・・・と思う。(^_^)v

・段丘面については、杉原重夫(1976)下総台地東部の地形 ポケット版巡検案内第2版 銚子半島と九十九里平野 日本地理学会予稿集10 p281-283、を参照しました。
・犬吠層群については、酒井豊三郎(1990)千葉県銚子地域の上部新生界―岩相・古磁気・放散虫化石層序― 宇都宮大学教育学部紀要 No.23 Sec2 p1-34を参照しました。
・侵食谷の沖積層については、磯見川や名洗の谷の埋没谷の形は?です。
・海食崖上端の台地面上に砂丘が這い上がっていることが多いのですが、鹿島浦海岸沿いの海食崖とは違って、屏風ヶ浦では目立たないようです。三崎町一丁目付近から西小川町の風隙と台地面上に小規模な砂丘が見られる程度のようですね。
・風隙については、人工切り土のため谷形が消滅した風隙の位置を図に追加しました。

No.45 <屏風ヶ浦南部の正面画像> 投稿者:滝おやじ     投稿日:2012年12月13日 (木) 14時11分

上は、名洗の埋め立て地から撮影した画像。高さを1.5倍に拡大しています。撮影時期は9月。
下は、国土地理院2.5万地形図で、海食崖が切っている段丘面と、段丘面の侵食谷を彩色。
 上の画像(海面近くから見あげた側面画像)では、懸谷や風隙地形の位置すらあんまりよく分かりません。それで、上から見下ろした地形図や空中写真による情報で、懸谷や風隙の判読をして、位置を入れてみました。朱線参照。・・・・今回は、地形判読に、2.5万地形図のほかに、2500地形図や空中写真を使いました。
 ところで、
下の図に示した上から目線の情報を、上の画像に入れて、下から目線で見あげると、また、見えてくるものがありますね。
 ・濃い緑の樹林部分と、白色や薄い緑の露岩や灌木部分とがあるが、樹林部分はすべて侵食谷の斜面で、露岩と灌木部分はすべて海食崖面ですね。・・・崖下に崖錐の部分もある。
 ・海食崖の中途にある不整合面を境にして、上の香取層以上と下の犬吠層群(小浜層と倉橋層)では、岩質・固結度が違うのを反映して海食崖の傾斜が全然違う。
 ・磯見川の谷は、結構大きな谷で、川は谷底を掘り込んで海面に協和的合流をしているのですが、谷底は段丘化していて、その沖積段丘面を切る連続した海食崖が見えます。海食が激しいところでないとなかなか見られない珍しい地形と思います。

No.46 <磯見川谷の河口地形> 投稿者:滝おやじ     投稿日:2012年12月14日 (金) 10時01分

上の画像 内陸側から見た磯見川河口。幅の広い谷底平野が海食崖で切られていて、海が見える・・・上記書き込み参照。
この景観、良いですね。

 下の画像 河口の海食崖を海側から見る。比高10m弱の低い海食崖が沖積段丘面を切っている。

No.47 ・・・あらあら 投稿者:滝おやじ    投稿日:2012年12月14日 (金) 20時05分

今気がつきました。
12/11の図で、犬吠層群の地層間を上の不整合面と同じ点線で描いてしまいました。凡例を信じると不整合に見えますね。
まあ、こんな歪んだローカル掲示板の図を見てくださる奇特な方々が、間違うとは思えませんが・・・・「犬吠層群の名洗〜倉橋の各層は整合ですので、実線で描くべきでした」。 修正忘れです。スミマセン (-_-;)

No.48 <おまけ 3.11の津波跡> 投稿者:滝おやじ     投稿日:2012年12月16日 (日) 23時17分

 磯見川河口の右岸側。沖積段丘面の海食崖に残る2011.3.11津波の跡。1年半後でもまだ分かりました。
 画像左下が海面。灰色の地層が小浜層。
 斜めの不整合面があって、その上は河成の沖積層、人物腹より上、腐植質。藪部分の上部1mぐらいは砂丘砂がありそう。

 人物足下に、津波運搬の貝殻が露頭表面に載っている。
 人物の向こうにあるビニールゴミは津波によるもの。
 人物頭上の植生の乱れたところが津波遡上部分。
 遡上高度が海岸線の地形により局地的に高くなっている所で、標高6mぐらいに達している。



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