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No.6 筑波山の山の形 山が砕ける 投稿者:滝おやじ     投稿日:2012年05月29日 (火) 15時53分 [返信]

最近、筑波山の登山道沿いにある怪石群を見に何度か行きました。それで、石を見るための前提として、山の地形分類をしてみました。
 すると、筑波山は、いわゆる斑糲岩の残丘地形といわれていますが、それだけでは言い尽くせないものがあると思います。
 残丘地形が形成されたのはかなり古そうですが、むしろ、その後の地形変化が著しいと思います。
 山頂部は、以前の地形が重力崩壊(岩盤クリープ)して3つに分離しています。 また、山頂部斜面が、更新世後期まで、面的に改変され、さらに、完新世になって、山頂部の斜面の化石化と谷の侵食が進んでいるようで、稜線の南北での斜面地形の違いも著しい。
 画像は、常磐道から見た筑波山。左:男体山 中央:女体山 右の手前の塔と重なる部分:つつじヶ丘。

No.7  投稿者:滝おやじ    投稿日:2012年05月29日 (火) 16時04分

 山頂部が3つに砕けていることについては、羽田野先生の指摘があり、男体山の東端と女体山の東端、つつじヶ丘の東端で3つのブロックに分かれると述べておられます。羽田野(1989)。ものすごく納得。
 女体山を頂点とする三角形の山があったことになりますね。
 ただ、先生は言葉で言っただけで、図を示しているわけではないので、私見を図化して示します。この図は、地形図から断層を推定して作成。
 図は、上の画像と大体同方向からの山体ブロック概念図 作 滝おやじ。

No.8  投稿者:滝おやじ    投稿日:2012年05月29日 (火) 16時13分

断層の推定図です。
 男体山と女体山の東端の2カ所は、正断層風の滑落地形で、すごく明瞭。
 つつじヶ丘の東端は西側が押してきて、のし上げた逆断層風の地形と私は解釈しました・・・羽田野先生は明瞭な言及なし。
 地形は明瞭ですが、露頭での断層割れ目の確認はなされていません。露頭がないとのこと。男体山の東端の断層についての露頭は、御幸ヶ原と千手沢に以前あったが現存しないとのことです。
地質図(5万真壁)にも記載されいません。その辺で、あまり指摘する方がいないのでしょう。
 
 ところで、このように、周辺と岩質が異なり、屹立している平面が細長い山が、自重により自壊し、稜線を横断する方向の割れ目によって分離する現象は、報告がされていないだけで、実際はかなり普遍的と思われます。
 たとえば、関東山地北部の叶山、二子山は、海山起源のスライスされた石灰岩体の山ですが、見事に割れています。5万地質図「万場」にも断層として記載されている。その割れ目の「叶後の牢口」は天然記念物だったと思います。
 国土地理院1万国土基本図に加筆。作:滝おやじ



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