ビーチバレーボールでは、オーバーハンドパスを使うほとんどの場合がセット(トス)になります。
よってここではセットについて書きたいと思います。
セットが重要なのは言うまでもありません。
セットが上手くいけば、パートナーのスパイク決定率を上げることも可能だし、失敗してしまえば、いくら優れたスパイカーでもポイントをとることは難しくなるでしょう。
コートのあらゆる所からセットが出来なければならないし、常に風の状態を把握しながら行わなければなりません。
セットをする上で気をつけたいことは、ボールへの移動です。上手くいかないときのほとんどがセットを上げる前の動きに原因があると思います。
簡単に言えば、ボールの下に入りすぎたり、ボールの下に入り遅れたりすることです。
パスに対して最良のスピード(速すぎず、遅すぎず)で移動することが大事で、遅れると移動しながらのセットになり、パスが出された位置を正確に把握できないことがあります。早すぎれば、パスを失敗してしまった時に、余計な動きをすることになり、リスクを負うことがあります。
より多くの選択肢を残すことによって、臨機応変に対応することが出来ます。
風が吹いている中でいつも同じところでボールを捕えることは難しいことですが、まずは自分にあったハンドリングポジションを見つけ出し、常にそこでボールを触るように努めましょう。
セットは選手によって手の形や、ボールに触れている時間など様々です。よって今回は私自身が行っているセットについて書いてみたいと思います。
まず手の形・・・一番最初にオーバーハンドパスを習う時は、額の前に両手の親指と人差し指で三角形を作り行いましょうと教えられることが多いと思います。
この時、親指と人差し指とで作られる角度は約60度になります。
しかし私の場合は、その角度が30度くらいです。
手のひらでボールを受けるというより、ボールを挟む感じでセットを行っています。ようは手のひらと手のひらが向かい合った状態でセットをします。
こうすることにより、手首をまったく使えなくなり(手首の力は使いません)、肘や脚、そして体全体でボールを運ばないとパスが飛ばなくなるので、どこにボールを上げたいのかが体全体を使って表現できます。
質問にもあったボールが逆回転してしまうのは、親指を突き出してしまうことが原因と思われるので、手首をなるべく使わないように意識して行ってください。
肘は最後まで伸ばすようにしています。(日本代表監督の山本知寿さんは肘は伸ばさないほうが好きみたいですが・・・)
肘はボールを上げたい目標に向かって一直線に伸ばします。大事なことは一直線に伸ばすことで、いくら肘を伸ばしても、曲線を描きながら伸ばしたりするとボールはこの曲線に従って曲がっていくからです。
そのアプローチをする為に、目標に向かい真っ直ぐ体を向けることが大事で、それはボールを触る前の動きがとても重要だということがわかると思います。
練習方法として行って欲しいことは、コートラインの上を
オーバーハンドパスをしながらまわるという練習です。
ここでは肘と手首を使わず、脚の力だけを使って行い、ボールを常に体の中心で捕えてください。
体重移動が進行方向に出来ていないと、なかなか進むことが出来ないはずです。腕の器用さに頼らず、体全体で行いましょう。
地味な練習ですが、多くのトップ選手たちがこの練習を経験していますので、効果は必ずあると思います。
やっぱり実際に海で説明するほうがわかりやすいと思うので、見かけたら遠慮せずに声をかけてくださいね♪