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まっつーでいいや - 2005年07月05日 (火) 17時45分

無?

本当の無を知ってるかい?

有?

本当の有を知ってるかい?

無と、有。

どちらも、本当はありえない事なんだ。

本当に無いんんだったら、俺は存在してない。

本当に有なんだったら、俺は死なない。

無と有、5:5の関係、バランスが崩れたとき、

有ではなく、無がやってくる。
























そう、殺ってくる。






















『無』

































あたり一面の砂漠、雲無き空、そして、大地に潜む白骨。

今、5:5の関係が崩れた。

食物が減り、あたりは死体と骨だけ。

老人、子供、若者、年齢を問わずに皆死んでいく。

バッサバッサと。


異常気象、洪水、食物不足、人口の増加、そして、減少。

俺は当てなく歩く。

歩く。

歩く。






俺の親友、先輩、親、もうすべてが残っていない。

残っているのは、俺の肉体のみ。

生きる屍と化した俺は、もうすでに精神など無かった。

いや、少なかった。

この世に無など無い。

今、無に限りなく近づいているだけ。

人間が絶滅しても、まだ大地が残っている。

星が残っている。

宇宙が残っている。

無が残っている。

無を超えたとき、それは誰にも予測できない。

だから、俺は歩く。

死にたい、でも死ぬ気力も無い。



バキ!!


自分の顔を殴った。

別に痛くもなんとも無い。


バキ!!!


もう一度殴った。

さっきより強く、さっきより力を籠めて。



バキ!!!!バキ!!!!!バキ!!!!!!

連続で、殴り続ける。

生きるという事を実感するまで、殴り続ける。

「ああああァぁぁぁぁ・・・・」

声にもならない叫びをあげる。

それでも殴り続ける、

骨が露出する。

血が出てくる。


刹那、俺の手は赤く深紅に染まり、頬をその手で撫でる。

目から滴がこぼれる。

水滴、涙ではない泪。

それが、深紅に染まった手を、頬を薄く染めた。

もう、眠るか・・・・。

泪、それは生きている証。

それが涙では無いとしても俺にはそれだけで十分。

ソレダケデ・・・・。

静かに、眠りにつくとした。

皆の後を追って。

スタートは遅れた。

でも、すぐにゴールはある。
























人生、というゴールが。



















俺は、白い空間にいた。

皆はいない。

何処に行ったんだ・・・・?


「君には、やってもらう事がある。」

ふと、声がした。

空間全体を振るわせるような、太い、低い声。

でも、優しい、そんな感じの声だった。

「今、人類は滅亡の危機だ。そこで、君にまだやってもらう事がある。」

また、声がした。

後ろを振り向いても、右、左、上、下、全てを向いても何処にも声の主はいない。


「もう、地球には君を抜いて190人しかいない。それを上手く人類滅亡回避へと向かわせる人が君だ。」

「なぜ、俺が・・・・、ほかに頭がいい奴なら、もっといるだろう」

「現在人が残っている国は、アマゾン、パプアニューギニア、その他文明開化していない国ばかりだ。」

頬の血が固まり、引きつる。

「つまり、『優秀』な日本人にリーダーを取ってもらうと。」

「それだけではない。君には、器というものを十分に満たしている。そこで最初にやってもらうのは・・・。」

そこで俺はことばを制した。

「まてよ、俺はまだやるとは行ってないぜ。」

190人から人類滅亡回避?

ふざけた事抜かしてんじゃねぇよ。

「君が、その条件を満たすまで、君は永遠の命を手にする。」

「!?」

「但し、原型がとどめられないほどの怪我などはもう無理だ。そして、一部分の臓器を失った場合、必ず代償が起こる」

「・・・・・・・」

「・・・もう・・・・時間だ・・・・・・さ・・・行け・・・」

「!?・・・ちょっとま・・・・」

刹那、俺の目の前が光で包まれた。

希望、というベールで。




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