【地球の王様】
[55]jessica
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2004年05月07日 (金) 20時32分
それでも、好きだと。 そう伝えた。
【地球の王様】
「もう!みんなやめてよ!!」 ホグワーツ城の回廊に、彼女の声が響いた。 透き通るような、高くてやわらかい声だと、ぼくは思っている。 ――どこか、あの人に似た声をしている。
結局、結論はそれか、と自分で自分にあきれてしまうが、きっと仕方の無いことなのだ。 ぼくは一生、あの人への想いで、自分を呪縛していくのだから。 死が、ぼくに訪れるそのときまで。
「彼は私をからかって、楽しんでるだけよ!」 どこか、拗ねた風に彼女は言った。 その言葉に、すぅっと、冷水をかけられたように急激に、しかし、徐々に秋から冬になるようにゆっくりと。心が冷たくなる。冷えていくような、そんな感じがしたのだ。
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