言えよ、その続きを
[117]james
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2007年05月12日 (土) 00時10分
▼言えよ、その続きを (クロラビのつもり/99夜を読んで)
「元帥さァ、いったいいくらアレンに借金ツけたの」 いつもはすっごいまっすぐな子なのに、金の話とか、あんたのこととかになると、アレン、性格変わっちゃうんだけど。 ひさしぶりに会って、本当にひさしぶりに。ノアの方舟の中だけど。みんなからちょっと離れたとこで、聞いてみたわけで。 お兄ちゃん悲しいっと演技派的にしてみたら、鼻で笑われた。ああ、そうだね、あんたそういう人だよね!初対面から俺様だったしね!(第一声が「邪魔だ、ガキ」だったもんね。その後も何度名前を言ってもずっと「ガキ」だった。まあ、俺は定期的に名前を変えるから、「そんなもの意味がない」と返されちゃあ、何にも言えなかったけれど。)(でもなんとか交渉して、やっとのことで「Jr.」になった!)自分を狙ってきてるノアにツけるくらいだしね!(あの二人はそのせいかすごい気迫があった。まあ、そりゃ自分が使ってもいないのに、100ギニーもツけられちゃぁ、な…) 「なんだ、おまえもツけてほしいのか」 そんなことをつらつらと考えていたら、思いもよらない言葉が降ってきた。どうやったら、今の流れでそうとれるのだろう。半ばどころか完璧あきれ気味に適当に返そうとして、 「いらないさ、そんな歪んだ…」 あ、しまった、つい、と思って途中で止めたら、尻切れトンボみたいに収まりがつかないセリフになってしまった。あきらかに不自然、不審極まりない。ああ、返事を律義に返さなければよかった。(自分で話し掛けておいて、何だけどさ) 「歪んだ、何だ?」 一応は尋ねる形をとっているくせに、威圧が強制している。あんまり離れると、はぐれる…と暗に示して先を急ごうとすれば阻まれた。気まずい沈黙。(俺だけが) 「言えよ、その続きを」 そうすれば、望み通りにしてやる。なんて言葉が続いて、やっぱり俺様だよなとか思ったりしてみて。(まあ俺ももう18なので、そうそう素直に一筋縄に言ってたまるかと、抵抗したわけですが、)やっぱり逆らえなかったというわけです。
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