「要約すると二文字になるが、」
[159]arshe
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2008年07月26日 (土) 16時40分
「ちょ、ちょっと待てよ!」 放っておけばつらつらと話し続けそうな兄をサスケは遮った。何が言いたいのか、全く話は見えてこないし、達者な口は語彙が豊富で詩的な表現も多く、そういう芸術的な、文学的感受性を重視しないサスケにとっては異界の暗号にも等しい。 幼い頃の記憶のままに、どこまでも澄んだ漆黒の瞳が、自分の言葉を遮った弟の言葉を待っている。 「それは、どういう…」 サスケにはイタチの言わんとするところは図りかねる。まさか、そんなことはあるまいと浮かんだ予想を振り払う様も、真摯に向き合ってくる兄の前では意味を成さない。 「要約すると二文字になるが、」 まだわからないか、とイタチは首を傾げた。これは修行ばかりさせずに、いくらか本を読ませた方がいいかもしれない。兄が大真面目にそう考えていることなど知るはずもなく、また今構っている余裕もない弟の頭の中はパニックを起こしかけていた。 そんな様子も、その成長を見てきたイタチには手にとるようにわかる。予想の範疇を越えると思えば、こうも予想を裏切らない。弟の根はどこまでも純真だ。 「好き。」 最初からこうすればよかった。器から滴って言溢れ出すのを止められるわけではないが、言葉にすることで出口を見つけた。 少し後悔もしたけれど、ただ見開かれた瞳が愛しい。それだけで充分だ。
兄ちゃん編です
[160]arshe
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2008年07月26日 (土) 16時41分
兄ちゃんはヴァッシュみたいなイメージあります、 恥ずかしげもなく告白するみたいな。 開き直ってるんじゃないですよ、素なんです。
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