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徒然日記

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[50]jessica [ Mail ] [ HOME ] 2004年05月01日 (土) 19時05分
 しんとした京の都に、闇をつんざく悲鳴が響き渡った。それと同時に、ひらりと貴族の屋敷から、ひとりの男が姿を現した。
 誰かが、その名を呼ぶ。
 “童(キッド)”と。

 “童(キッド)”こと、“怪盗キッド”。今、都で彼の名を知らぬ者などいない。
 今日も、宮中は彼の話で持ちきりであった。
 なんでも、評判の美姫の血を吸うだとか。まあ、人を喰らうだとか。帝に納められるはずだった宝石を奪っただとか。ある貴族を一族皆殺しにして、富を奪っただとか。その姿は人とは思えず、まるで鬼のようだとか。
 そう、人とは思えないほど、美しい男の子であっただとか。
 後半部分は、ほとんど女中達の間の話であったが。
 それを、その輪の中にありながらも、意識の遠くで傍聴している男が。誰にも聞こえないように、密かに呟いた。
「鬼、ね…」
 全く、物好きな奴らだよ。


【キッドはいわゆる「酒呑童子」かな??新一は何なんだかよくわからないけど。都で「左京」と呼ばれる貴族ってことでv(「東の君」とかどうですか??あ、源氏物語の「頭中将」っぽく、「東中将」とかどうかなあ??(←ひとりで萌えてるヤツ一名))】


[あわせ鏡]
[52]jessica [ Mail ] [ HOME ] 2004年05月01日 (土) 19時23分
 自分と、まるで瓜二つ。
 快斗は驚かずにはいられなかった。勿論それは、新一も同じことで。
 よく、ドッペルゲンガーに会うと死ぬ、というが。不吉に思われていたのは、この時代も同じことだった。
 あわせ鏡をすると、魔物が映ると。

「鏡、とかそんなオチじゃねーよな??」
 明らかに、服装違うし。表情も違うしな、
「だろーな…」
 鏡の方が、幾らかマシだったかもよ?
 と、どう見ても、貴族のいいとこのお坊ちゃんの服装をしている新一が、まるでそうとは思えない、皮肉気な笑みを返したのを見て、快斗は驚きに目を見張った。
――こいつ、本当に貴族かよ…
 と。


「とりあえず、おまえ。名前は?」
 何て言うんだ?と。内裏の人気のない、外れのところに腰をつけた新一が、快斗にさらっとその疑問をぶつけた。
 未だ、立っていた快斗は、ちょいと肩を竦めると、自然な仕種で新一の隣に腰を落とした。
「俺は快だけど、」
 あんたは?
 そう聞き返した快斗に、新一がきょと、と快斗を凝視した。
 そして、直後に、何がおかしいのか笑い始めたのである。
 ひーひーと、腹を抱えて、すでに引き笑いの域まで達している新一に、快斗はわけがわからず、新一の笑いのツボが収まるまで待つしかなかった。

「いや、悪ィ悪ィ。まさか、そう返ってくるとは思わなくてよ…」
 と、やっと笑いに一段落つけた新一が、未だ笑いを含んだ声でそう言った。
「どーゆーこと?」
 怪訝に思って聞き返す快斗に、新一がにっと笑って、その背を叩いた。
「知らねーんなら、知らねー方が良い。俺は新だ」
 新一が告げたその名は、幼名だったが、宮中に上がってからも、幼名を使う者はしばしばいる。それに、快斗が名乗ったのも、幼名であったから、お互い様ということだろう。


[馬鹿だな、お前。]その1
[53]jessica [ Mail ] [ HOME ] 2004年05月02日 (日) 01時39分
「ですから、この者こそが“童(キッド)”なのです!」
 高らかに、自慢げに。優越感に浸りながら、左大臣の息子である左の中将、白馬探は言い放った。
 宮中の者達は、白馬が指し示した者が、まだ10代の少年であるということに驚きを示し、ざわめいていた。
 帝が、それを見て目を細めた。
――やばい…
 このままでは、今この場で首でも刎ねられそうだ。
――なんとか、しないと…
 快斗は、その顔にポーカーフェイスを貼り付けたまま、必死に考えを巡らせた。
 しかし、打開策は到底見つかりそうにない。

――…馬鹿だな、アイツ。
 本当に、馬鹿なヤツだと。本来、その場に、帝の謁見の席に居るべきであるのにも関わらず。代わり役を立て、その場にはいなかった人物が。その、白馬の言う“童(キッド)”が断罪されそうになっている光景を、その時まで、ただ傍観していた人物はそう思った。
――できれば…とか言ってる場合じゃねーよな……
 ふぅ、と残念そうにため息を吐いて、その男は謁見の間へと足を進めた。袖に忍ばせていた扇子を、そっと取り出して。

「帝!もはやこの者を生かしては置けませんでしょう!!

 光悦とした表情で、白馬がのたまった。仮にも、帝の午前であるにも関わらず、まるで帝のように自分勝手な行動をしたのである。
 帝が、気分を害し、それを止めようとした途端。
 さらりと、優雅な衣擦れの音が聞こえ、帝がそちらに視線を向けた時だった。涼やかな声が、それを制したのである。

「お待ちなさい、左の。仮にも、帝の御前なのですから」
 突然の、その人物の登場に、誰もがそちらを見た。そして、その姿から目をそらせなくなったのである。
 快斗は、床に押さえつけられ、肺を圧迫され、既に遠ざかり始めている意識の中で、流れるようなその声を聞いていた。
 シャッ、と扇子を広げ、快斗の方から。いや、帝以外には自分の顔が見えないように、その扇子で自分の顔をその人物は覆った。しかし、隠しているのは瞳の部分。つまりは鼻から上であって、口元は誰からも見えるようになっていた。
 くすり、と唇の端を、その男は擡げてみせる。
 それは、相手を、白馬を挑発するものであった。それに気を悪くした白馬は、顔を顰めてその人物の名を呼ぶ。といっても、総称だが。
「東の……」
 そういえば、この東中将は、初めて会ったときから、何かと自分の考えを否定してきた。そうして、自分よりも帝に気に入られていたために、この男の方が正しいと、認められたのである。
 白馬は、苦い過去を思い出しながら、その名を呟いた。
 といっても、本当に白馬の考えは、全く正しい、というものではなかった。確かに、少しばかりは事実だったのだが、肝心なところを間違えていたのである。それを、新一が嗜めて正した、というだけなのだが。
 常に、自分が全く正しいと思っていた白馬にとっては、気に入らないことだったのである。
「それに、まだその者が“童(キッド)”だと、決まったわけではありますまい。聞くところによると、その賊はもう18年も前から京に現れているのですよ?」
 その賊が、そんなに若い男の子であるはずがありますまい。
 すっと、本来自分に割り当てられていた席に向かいながら、東中将は言った。それを見、東中将の代役をしていた男が身を引いた。
 東中将の言葉に、宮中の者達は、おお、と。感嘆の声を上げる。流石、‘左京’と呼ばれるだけはある、と。
 白馬は、それが更に気に入らなかった。
「例えそうであったとしても、帝の前で刀を振るうとは…」
 何のおつもりですか?
 やんわりと嗜める東に、左はぐっと剣を握る拳を強めた。
「しかしですね、東の。僕の調べたところでは、彼が“童(キッド)”であることに間違いは…」
「窃盗は現行犯が常識でしょう?」
 す、と扇子の内で、新一が瞳を細めた。僅かに扇子をずらし、白馬に視線を向ける。
 白馬が、悔しさからギリリ、と歯ぎしりした。

「左の、下がれ。お前は早とちりが玉に瑕だ。暫く頭を冷やすと良い」
 沈黙が覆ったその場を、帝が冷たく、しかしやんわりと咎めるような言葉で制した。
 白馬が、名残惜しそうに、いや、残念そうに、だろうか。もうすぐで、長いこと追っていた獲物が、自分の爪にかかろうというところで。主人に咎められ、その爪を退ける猟犬のような仕種で、小さく了承の返事を呟き、刀を収めた。


「馬鹿だな、お前。」2
[54]jessica [ Mail ] [ HOME ] 2004年05月05日 (水) 01時02分
「さて、久しぶりだな、東の」
 白馬が名残惜しげに去る姿を見送った帝は、すっと事態の悪化を止める要因となった人物に視線を戻した。
 未だ、その者は、帝以外には顔が見えないように、落ち着いた色の檜扇で隠している。
 いつもは、―といっても、この者が帝に謁見するのは、宴以外には、月に2・3度あるかないかなのだが―早々に、自分の前ではその檜扇を畳むのに、今は一向に、それをおさめる雰囲気はない。まるで、ここにいる“誰か”に顔を見られたくないように。
「ええ、お久しぶりでございます。突然、口を挟んでしまって…申し訳ありませんでした」
 ご無礼をお許し下さい。
 すらりと流れるような音で、その人物は頭を下げた。その様子に、扇をおさめないことも勘弁しろと言っているのだと気付いた帝は、ふむ…と考えこむように視線を巡らせた。
 ふと、ある一点で視線を止める。
 そこには、居心地の悪そうな少年が居た。東のと同じくらいの年の。
「そこの、災難だったな。名を何と言う?」
 そうして、快斗の名前を尋ねた。帝の問いに答えないわけにもいかず、快斗は失礼ではないように、と細心の注意を払って言った。
「…お許し下さい。名乗るほどの名を持っていないのです」
 すっ、と快斗が頭を下げると、帝が急に笑いだし、東のに語りかけた。
「ははは…聞いたか?東の。こやつ、今お主と同じことを申したわ!」
 それから、未だ笑いを含んだ声で、帝はひとつの提案をもちあげた。
「そうだな…おまえとこやつは気が合いそうだ。見れば、見た事のない顔だ。まだ宮中にのぼったばかりであろう?」
 そこで一旦言葉を切り、快斗に確認する。快斗が頷くのを見て、帝は「やはりな、そうだと思ったのだ」と面白がるように言った。
「東の!こやつ、おまえのところで面倒をみろ」
 はい?と宮中の、者は驚きを隠せなかった。
 それは、ポーカーフェイスを信条と快斗とも同じであった。もちろん、東のと呼ばれる人物も。
「し、しかし、帝。私は大内裏にあまり詳しくは…」
 いつも冷静沈着と言われている東中将が、珍しく慌てて言った。が、帝に「なんだ、そんなことか」と切り返される。
「京の都にはおまえの方が詳しいだろう。それに…」
 余の命は絶対だぞ?
 最後は言葉を少し濁らせ、視線だけでそう言ってみせた後、くすりと笑う帝に東のは諦めたように扇をおさめた。
「御意に」
 そうして、その者は初めて快斗に顔をみせた。
 それは、鏡かと思うほど、快斗と似通っていた。内裏の外れで会った、互いに幼名を名乗り合った、とうてい貴族とは思えない口調の、狩衣姿の少年であった。

「おい、おまえ」
 その後、快斗は言われるままに新一の後ろをついて行った。まさか、あの少年が。そう見ても、自分と同い年にしか思えない少年が。都で有名な、真実を見抜く慧眼の持ち主と言われる、左京に住まう、東中将とよばれる人物だとは思わなかったのだ。
 左京には、評判の高い頭中将が2人居る。それが、先程自分を聞きに陥れた人物と、今自分の前を歩いる人物である。
 自分に刀を向けた方の人物を「左」、今から自分が世話になるであろう人物が「東」という風に総称されていた。
「なんだって言うんだ、さっきから」
 何が言いたいんだ?
 くるりと、人気がないのを確認してから新一が快斗の方へ振り向いた。
「………別に。」
 あんたが東中将だったとはね。
 と、毒づいた快斗に、新一が苦笑する。
「悪かったよ、そのことは。」
 さしてそう思ってもいないくせに、そう口にする男に、快斗は一層不機嫌な顔をした。
 その様子に、新一が檜扇で自分の頭を、器用にもぽりぽりと掻いた。そして、ふうと溜息を吐く。
「本当に悪いと思ってるって。ただ、おまえが初めてだったんだよ」
 俺を「東中将」じゃなく、ただの「同い年のやつ」って風に見てくれたヤツはさ。
 と、笑って言う姿に、快斗もはあと溜息を吐いた。
 その気持ちは、よくわかる、と。
 けれど、偽りで外をきっちりと固めている快斗としては、東中将の存在はすごく物騒なものだったのだ。その、真実を見抜くという慧眼が。
「とりあえず、内裏を出るまでその不機嫌な面しまっとけ」
 諦めたように言う新一の後を、快斗はやばいよな、と思いつつ、付いていくしかなかったのである。



[桜]
[48]jessica [ Mail ] [ HOME ] 2004年04月28日 (水) 19時35分
「だけどね、ぼくは」
 ざぁっと風が木々を揺らす。その微かな、しかし透き通るようなテノールをかき消すかのようだった。
「そーゆーとこも、」
 桜が舞っている。連れ去られてしまいそうだ、彼は。
 桜は、綺麗なものが好きだときくから。
「すきだよ。」
 ニコリと笑って、こちらを振り向いた彼は、本当に消えてしまいそうだった。
 桜が、彼を気に入ってしまったのだ。
 


[桜 ver.James]その1
[49]jessica [ Mail ] [ HOME ] 2004年05月01日 (土) 16時18分
 無邪気な子供でいたかったのだ。ただ、あの頃はそれだけで愛されていると思うことが出来たから。


[桜 ver.James]


 目の前で、色づいたばかりの花びらが舞っていた。さっき、強く風が吹いたからだ。その風は木々を揺らし、その若い花びらを散らしたのである。
 ホグワーツで、この花を見たのは、もう5度ほど。つまりは、もうすぐ、ぼくは6年生になると言うことである。
 そういえば。
 入学する前だ。ゴドリックの谷では、とても珍しい桜の花を見た。ゴドリックの谷では、とても強い種の薔薇しか咲かないからだ。最も、その薔薇は、ゴドリックの谷の、特殊な土でしか咲くことが出来ないらしいが。ともかく、その木の下で、何か秘密の言葉を囁き合った。
 そう、ずっと。ずっと子供で居ようと、誰かと誓い合った。いや、誓ったのは僕だけだ。
 ずっと、無邪気な子供でいるようにと。誓わされたのは僕だけだ。
 何故、そう誓ったのだろうか。
 何故、僕もそうあろうとおもったのだろうか。
 今となっては、何も思い出せないということだけが事実として存在している。


 



a
[47]jessica [ Mail ] [ HOME ] 2004年04月16日 (金) 03時30分
00195375
00225766
00218245



 いつもどこか孤独で
 
 心が満たされなかった
 
 復讐という名の嘘
 
 高く築いた塀はもう
 
 俺の力では登れない
 
 壊す力だって
 
 俺にはもう無い
 


「よくここがおわかりになりましたね。」

 白いマントが風でなびく。
 
 月明かりに照らされた建物の屋上。
 
 息をきらせてやってきたのは新一。
 
「しかし、他の警官はダミーにつられて行ってしまいましたか。」

 微笑を浮かべるKID。
 
「てめぇ一人くらい俺だけで十分だ!」

 KIDに掴みかかろうと走りよる。
 
 KIDは新一の両腕をいとも簡単に掴みフェンスに体を押し付けた。
 
「私も、貴方を捕まえるくらい簡単ですよ?」

 KIDはそのまま新一の唇にキスをする。
 
 舌を絡ませ唾液を共有する。
 
 新一の唇から甘い吐息が出てくる。
 
 KIDは片手で新一のズボンを脱がす。
 
「ふ・・・・ぁ。」

 新一のズボンの中からは半だち状態のナニが出てきた。
 
 KIDの手がそれをしごいていく。
 
 新一の呼吸が上がっていく。
 
「貴方もこりませんね・・何度もこうして体を重ねているのに・・。」

 KIDの舌が新一の喉を舐める。
 
「う・・るさい・・・・。お前・・を捕まえるまで・・・は・・・・。」

 KIDは指を新一の秘花に沈める。
 
「ヒッ・・・・!!あ・・・はぁ・・・・。」

 新一の体から力が抜ける。
 
 KIDは片手で新一の体を支えた。
 
「あいかわらず、ココは弱いようですね。」

 KIDの指が中をかきまわす。
 
「そろそろ時間も無いので、いれさせていただきますよ・・。」

 KIDのモノはすでに天を仰いでいる。
 
 新一の秘花に指と入れ替わりで侵入する。
 
「・・・・ヒッ・・・・・ひ・・ぁ・・・!!」

 新一の秘花がKIDのモノを締め付ける。
 
「すぐにイってしまいそうですね・・。」

 KIDの腰が動くたび淫靡な音が奏でられる。
 
「貴方ももうイキそうですけどね。」

 KIDが指で新一の男根を撫でる。
 
 新一の体がビクンッと反応する。
 
「さて・・そろそろミルクの時間のようですね。」

 KIDの男根が一気に奥まで突き進む。
 
 そして一気に欲望を開放した。
 
 新一の男根からも白濁とした液が放出された。
 
「なぁ、俺・・・お前のこと嫌いじゃないぜ。」

 KIDが驚いた顔で新一の顔を覗く。
 
「ポーカーフェイスはどーした?」

 その顔を見て新一が半分笑いながらそう言った。
 
「良い意味で取って良いのでしょうか?」

「好きにしろ。」

 KIDの体が新一の体から離れる。
 
「では、またの機会を楽しみにしてますよ・・。」

 フェンスを軽く飛び越えハングライダーで去って行った。
 
 新一は夜のネオンを見ながらつぶやいた。
 
「嫌いじゃないぜ・・快斗。」


 孤独だと思ってるのは自分だけで
 
 いつだってどこかに逃げ道はある
 
 全ては自分が気付かないだけ
 
 だからどこかに道は在るよ
 
 光に導かれいつかきっと・・・




 平次につれられやってきたのは工藤邸。
 平次は何も言わないまま新一の前を歩いた。
「なぁ?ここ俺の家だぜ!?快斗は高跳びして海外なんだろ?」
 平次は何も言わないままポケットから鍵を取り出し扉を開けた。
 扉を開き家の中へと入っていく。
「高跳び言うたんは嘘や。ああいうたら日本は探さんやろからな。」
 平次はそう言って靴を脱ぎ奥へと進んでいく。
「じゃぁ、快斗はここにいるんだな!?」
「ああ、おんで。この奥に。」
 そういい終わるや否や新一はリビングのドアを開けて中に入る。
 平次は後から入り、リビングの扉に黒服の男を立たせた。
「どうしたんや?感動のご対面やろ?」
 ニヤリと笑った平次が新一の肩をたたく。
「まぁ、俺には感動のご対面なんぞどうでもええねんけどな。」
 肩に置かれた手がゆるゆると下へ下りていく。
 新一のお尻を撫でまわす。
「どういうつもりだ!?」
 新一は服部の顔面めがけてパンチをくりだす。
 平次はそのパンチをあっけなく止めた。
「簡単なこっちゃ。黒羽も工藤も俺の玩具やってことや。」
 新一の目の前にいる快斗は黒服の男3人にめちゃくちゃに犯されている最中だった。
「白馬からのメールで駅のトイレに行ったらこいつ、めっちゃやらしい顔して一人でやっとってん。せやから続きをこいつらにさせたっちゅうわけや。」
 平次は新一の両手をふさぎ新一のズボンをおろした。
「白馬に感度の上がる薬うたれたんやろ?そしたらすぐに気持ちようなるわ。」
 新一を広いじゅうたんの上に押し倒す。
「やめろ!!服部、快斗だけでも・・!!」
 平次は新一の横にひざをつく。
「工藤はやらしいあえぎ声だけあげてればええんや。」
 新一の上にかぶさりキスをする。
「そやな〜、俺のん上手に舐められたら黒羽のことちょっとは考えたってもええけど?」
 そう言って自分のズボンのジッパーをおろす。
 中からまだ突起していない大きなモノがぶらさがっている。
「どないしてん?黒羽あのまんまでええんか?なんならもう一人増やしたってもええねんで?」
 新一は平次を睨んで平次のモノに舌を這わせた。
 平次のモノを口にくわえ舌を動かす。
「そないないいかげんな舐め方やったら俺を満足させられへんで?」
 平次は新一の額の髪をかきわけ新一の顔を見て薄っすら笑いをうかべる。
 新一は音を立てるくらい激しく平次のモノを舐めた。
「そろそろご褒美やろか。」
 そう言って新一の頭を抑え、新一の喉まで自分のモノを突っ込み中に精を爆発させた。
「ごほっ・・・!」
 むせるまもなく口の中から出ていった平次のモノによって顔中**をかけられる。
「どや?美味いやろ?」
 にやっと笑いながら新一の顔の前に自分の顔をもっていく。
「んなわけ・・!!?」
 平次は新一のモノをきつく握った。
「お前は俺の精奴隷・・玩具や。もう一回聞いたろ?」
 新一は屈辱的に顔をゆがませた。
「美味しいです。」
 平次はにやりと笑った。
「ほな、黒羽にもう一人ついたれ。」
 ぱんぱんっと平次が手をたたくと黒服の男がもう一人現れた。
 そして快斗の体を犯し始める。
「約束と違う!!」
 抗議を唱えた新一の口にもう一度平次のモノが入ってきた。
「美味しかったんやろ〜?そしたら工藤にとってプラスになってもうたやん。せやから黒羽に苦しんでもらわんとこっちとしては損やないか。」
 快斗には二本の男根が入れられ、口に男根をくわえさせられ、もう一人に自分のモノを舐められている。
「工藤はこれからが本番やで〜。」
 そう言って平次は新一の口の中を激しく行き来した。
 大きく持ち上がった男根を新一の口から出す。
「ディナータイムの始まりや。」


「言っとくけど、妙なマネしたらあいつの頭割ったるからな。」
 立ち上がった男根で新一の白い尻を撫で回す。
「コレ欲しいやろ?びんびんに立ってるやん。」
 指先で新一のモノの先端をいじる。
 新一の体がビクンと反応した。
「工藤、お前は俺の精奴隷、わかっとんやろ?どうしたらええか。」
 新一のモノを軽く握る。
「入れて・・俺の中に入れてください・・・・。」
 小声で新一はそう言った。
 平次はニヤリと細く笑む。
「よくできました。」
 新一の尻を撫で回していた男根を新一の秘花に一気に突っ込む。
 新一の小さな悲鳴が上がった。
 秘花からは赤い血が流れ落ちてきている。
「慣れとってもいきなしはやっぱきつかったか。」
 そう言いながらも無茶なピストン運動をやめる気配は無い。
 新一の瞳からは涙がこぼれ出ている。
「工藤の中、ええ感じやわ〜。ずっと入れてたいくらいや。」
 新一の耳を音をたてながら舐める。
「・・・も・・や・・・・・っ。」
「やめてええんか〜?ココも解放されんけど、黒羽がどないなめにあうか想像してみぃ?」
 新一の体を抱き上げ、快斗の様子を見させる。
「クリスタル・ラピュエールみたいな事になってもええんか?」
 新一の頭の中に一つの事件の記事が浮かんできた。
「あの女の子はかわいそうやったなぁ。何度もレイプされて最後は泥水で溺死させられた。黒羽もそういうめにあわしたろか?」
 新一は平次の腕の中で小さく震えている。
「快斗には・・俺はどうなってもいいから!!」
 新一は顔を上げ、平次の顔を見た。
 一瞬新一の顔が青くなった。
 平次は恐いぐらい恐ろしい殺人鬼のような顔をしていた。
「ほな、続けさせてもらうで。」
 再度新一を押し倒し腰の動きを再開させる。
「・・・っぁ・・・・・はぁ。」
 新一は唇を噛み締め屈辱に耐えている。
「たっぷり出したるからしっかり飲めや。」
 そう言って新一の中に深々と男根を差込んだ。
 新一の中にあふれ出るほどの**が注ぎ込まれた。
 新一も同じくして精を放出させる。
「こんなこぼしおって。あかん子やなぁ。お仕置きが必要やな・・・。」
 平次が**用のピアスを取り出した瞬間、部屋のドアが勢いよく開いた。
「警察だ!動くな!!」
 警察官たちが銃をかまえ中に突入してきた。
「ど、どういうこっちゃ?!」
「へっ・・・遅すぎるぜ親父。」
 警官たちの後ろから勇作が現れた。
「助けに来た父親にそういうコメントはないだろう。」
 黒服の男たちが次々手錠をかけられていく。
「白馬の家に行く前にすでにこっちの計画は始まってたんだよ。」
「新一は写真その他のものが流出する覚悟で犯人逮捕へ踏み切ったのさ。」
 平次の手にも手錠がかけられる。
「警察上層部にもメスが入るっちゅうわけか。」
 勇作はニッと笑った。
「君たちには良い弁護士をつけてあげるよ。かなりの女王蜂をね。」

 その後、次々に組織の人間が逮捕されていった。
 新一と快斗は日本を離れ、海外で暮らすこととなった。

終わり(こんな結末でいいのか・・?)





 水族の神殿内を二人の影が駆け抜ける。
 一人は風族の新一、もう一人は地族のコナン。
 二人の目的は違うが、探している場所は同じだ。
 カツ・・カツ・・・
 ヒールの音が二人の前を遮った。
「誰だ!?」
 目の前に現れたロングヘアの女性に新一は問いかけた。
 服装からして水族の人間のようだ。
「私は紅子。KID様の言いつけでまいりました。」
「KIDの?」
 いかにも怪しい女性に二人はまゆをひそめた。
「はい。あなたがたお二人を足止めするように・・と。」
 新一は腰に下げていた剣を抜いた。
「痛い目見る前にそこをどけ!」
 新一は紅子に切っ先を向けた。
 紅子は動じる様子はない。
「なめてもらっては困りますわ。これでも私、この国一番の暗殺者ですのよ。」
 紅子は新一の剣を指さし、なにやら呪文を唱えた。
 新一とコナンの足が凍りづけにされる。
「なっ・・!?」
 紅子が高らかに笑った。
「くそっ。こいつ魔女だったのか!」



「新一・・・しんいちぃ・・!」
 快斗はKIDに体を弄ばれながら愛する人の名前を何度も呼ぶ。
「新一はここに、たどりつけませんよ。途中に魔女を一人置いておきましたから。」
 そう言ってKIDは何度も快斗の体の線を唇でなぞった。
 快斗の肌は、嫌がりながらも敏感に反応する。
「そろそろココを味見させていただきましょうか・・。」
 笑みを浮かべ、KIDは頭の一をどんどん下げていく。
 快斗の足を無理矢理開かせ、その奥にある秘華に舌をはわせた。
 快斗の体がビクンッと震えた。
「やっ・・ソコは・・ソコは嫌!!」
 快斗は力を込め、KIDの頭をのけようとする。
 しかしびくともしない。
 KIDの舌が徐々に快斗の中へと侵入してきた。
 まるで生き物のようにKIDの舌は快斗の中で動き回る。
「や・・・ヤダ・・・・・も・・・やめっ・・・・!!」
 快斗の体がピンク色に染まっていく。
 快斗の秘華がほぐれてきたのを見計らってKIDは舌を抜いた。
 快斗はふうっと大きく深呼吸した。
「なかなかの味ですよ・・。次はコレをくわえてもらいましょうか・・。」
 そう言って、もう天を仰いでいる分身を取りだした。
 快斗の顔が青ざめる。
「怖がらなくて良いですよ。ちゃんとゆっくり入れてあげますから。」
 震えている快斗の足をわきにはさみ、一点に狙いを定めた。
 そして、ゆっくりと快斗の中に侵入してきた。
「ひっ・・・あ・・ぁ。し・・んいち・・ぃ・・!!」
 新一より質量のあるKIDのモノがどんどん入ってくる。
 快斗は腰を引こうとするが、それも許されない。
「そんなに呼んでも無駄だって、まだわかりませんか?お姫様。」
 そう言ってKIDは快斗に口づけた。
 快斗の瞳から涙があふれ出る。
「快斗のココ、俺を全部くわえこんじゃった。ほら、わかるだろ?」
 そう言って腰を少し動かした。
「・・・っ!!・・あぁ・・・・!!」
 短い悲鳴が上がる。
「しっかりくわえこんでますよ。新一ともこうなの?」
 快斗の耳元で息を吹きかけながら喋る。
 快斗の秘部が更にKIDを締めつけた。
「さぁ、もっと私の下で咲き乱れてください。そして最高の一瞬を俺に見せて。」






 あいつはいつもふわふわしてるのに・・。
 どこか隙がない感じがする。
 頭も良いし、かっこいいし、だけど笑った顔がすごく素敵で・・。
 俺はいつもあいつにはかなわない・・。

「なんだ?俺の顔ばっか見て・・。」
 新一が振り返った。
「べ、別に見てなんかいないよ・・。」
 ちょっと恥ずかしそうに快斗はそう言った。
 新一は少し笑った。
「何だ?まだヤり足りねぇのか?」
 そう言って新一は快斗の上に被さった。
 快斗のすべすべの肌を手で愛撫する。
 快斗はくすぐったそうに笑った。
「違うよ・・違うったら!」
 少し抵抗を見せたが、そんなに嫌がってるようには見えない。
 新一の手が胸の突起物に触れる。
 快斗の体が少し震えた。
「第二ラウンド、しようか・・?」
 快斗は少し頬を赤らめてコクリと頷いた。

「あっ・・はぁ・・・・ソコ・・・もっとぉ。」
 熱い吐息が快斗の口から漏れる。
 新一は快斗のGスポットを責め立てた。
 指はいつの間にか2本から3本へと変わっていた。
 激しく中を荒らされ、快斗は爆発寸前だった。
 新一は少し笑みを浮かべて快斗の中心で熱くなっているモノを口に含んだ。
 下で竿を舐めながら、敏感なところを吸い上げる。
 快斗のモノがいっそう大きくなった。
「し・・いち・・・・で・・る。」
 そう言って快斗は新一の口の中で果てた。
 新一は口を離し、快斗の出した液体を口に含んだまま快斗の唇に口づけた。
「ん・・・うう・・・。」
 新一の口から流されてくる液体を快斗はこくこくと飲みほぐしていく。
 飲みきれなかった液体は、唇を伝い頬を伝っていく。
「どう?自分の**の味は?」
 快斗はふるふると頭をふった。
「熱くて甘くて最高だろ?」
 新一は耳たぶにかじりつきながら言った。
「新一の方が美味しいよ・・。」
「だったら俺の、飲むか?」
 そう言って快斗の口の前に自らのモノを突きだした。
 快斗はおずおずと新一のモノを口の中に含んだ。
 新一のモノに舌を絡め、吸いつく。
 口の中で新一のモノが熱く大きくなっていくのがわかった。
「ご褒美だ・・。全部飲めよ・・。」
 そう言うと新一は快斗の口の中で**を爆発させた。
「う・・く・・・。」
 快斗は少し苦しそうに新一の**を飲み込んでいく。
「どうだ?」
 新一は少し笑って聞いた。
「美味しい・・。」
 少し赤くなりながら快斗が答えた。
「じゃぁ、次は一緒に気持ちよくなろーな。」
 そう言って新一は体を少しずらした。
 快斗の秘華に新一のモノがあたる。
「あっ・・・。」
 快斗の顔がピンク色に染まっていく。
 新一はゆっくりと侵入を開始した。
「ひっ・・・ぁ・・。」
 快斗のとぎれとぎれのあえぎ声が新一の欲情をくすぐる。
「わかるか?ここに全部俺が入ってるんだ・・。」
 快斗の手を接続部にあながう。
「し・・いち・・・・。動いて・・もっと、気持ちよくして・・。」
 新一は快斗の足をかつぎあげ、ゆっくりと動かした。
「あん・・・あ・・ソコ・・。」
 新一はだんだん動きを激しくしていく。
 快斗の中で新一はどんどん大きくなっていく。
「快斗・・。」
 新一は快斗の中心で天を仰いでいるモノを片手で愛撫しはじめた。
 快斗は前と後ろの刺激でどんどん上り詰めていく。
「っく・・・快斗、出すぞ・・。」
「お、俺も、もうで・・る。」
 そう言って二人同時に**をした。
 快斗の中から白濁した液がこぼれ出てきた。
「ふ・・ぁ・・。」
 快斗の中から新一のモノが抜き去られる。
「どうだ?気持ちよかったか?」
 快斗はコクリと頷いた。
「新一は?新一はちゃんと良かった?」
「ああ。ちゃんと良かったよ・・。」
 新一は快斗の髪をさらっと撫でた。

「ッ痛・・。」
 快斗はベットでうずくまったままである。
「やっぱ二ラウンドはきつかったか・・。」
 そう言ってうずくまっている快斗の頭を撫でた。
「今日は休みだし、ゆっくり寝てろよ。」
 着替えを終えた新一はベットサイドに腰を下ろした。
「ちゃんと俺が看病してやるよ。」






 やっぱり好きなんだ・・
 何度もそう感じる今日このごろ
 その好きな相手は男で、しかも女の子に超モテモテ
 女の子なんか選びたいほうだい
 なのに何故か
 あいつは俺を選んだ・・・

「あっ・・・嫌だって・・。」
 くちゅくちゅっと淫乱な音を奏でる快斗のアナル。
 そこを好きほうだいむさぼっているのは新一の巨根。
 快斗の手には手錠によってベッドに固定されている。
 そして快斗の中心には、ひものような物がくくりつけられていた。
「嫌?快斗のココはもっと欲しがってるぜ?」
 そう言って、もう少しで快斗の中から全て抜き去りそうだった自分のモノを快斗の最奥まで一気に腰を進める。
「ひぃっ!・・・やぁ・・・も、もう・・・。」
 快斗の中心はもうパンパン。
 しかし一向に新一にはひもをほどく気なんて無いようだ。
 じわじわと追い込んで壊れさせていく気だ。
「もう、何?」
 にたっと笑った新一は意地悪げに快斗の中心に爪を立てる。
 快斗の体がびくんっとはねた。
「い・・かせて・・・いかせて・・・・くださ・・・い・・・。」
 快斗の手首は縛り付ける金属で赤く晴れ上がっている。
「まだダメ・・。お前が俺に壊されるまでこれは取らない。」
 そう言って止まっていた腰の動きをさいかいする。
 快斗の中心ぱピクピクと痙攣しながら白濁した液をにじみ出している。
「そ・・んな・・・・。も・・壊れ・・そう・・・。」
 荒い呼吸。
 乱れた髪。
 そして涙で濡れた瞳。
 どれもが釘付けになるほど美しい。
「まだだ・・。俺がもっと美しく咲かしてやるから・・。」
 新一は更に腰の動きを荒くしてくる。
 快斗は半ば半狂乱になりながら新一に許しを請うた。
 しかし、新一はそれを受け付けない。
 快斗の涙声に混じって金属音がジャラジャラ言っている。
「中、出すぞ・・。」
「やっ・・・だめぇ!!」
 快斗の制止の言葉も聞かず、新一は快斗の中に欲望をぶちまける。
 そのショックで快斗は気を失ってしまった・・。
 新一は自らのモノを抜き去り、快斗の中心に巻き付けたひもをほどいた。
 そしてまだ立ったままの快斗の中心を口に含んだ。
 気絶した快斗の口から小さなあえぎ声が聞こえる。
 新一は快斗のあえぎ声を聞きながら丹念に快斗のモノを舐め回していった。
 新一が快斗のモノの先端を思いっきり吸い上げると快斗は絶頂を迎えた。
 快斗のモノから口を離し、快斗の白濁とした液を飲み込んだ。

 うっすらと目を開きその瞳に映し出されたのは新一の寝顔。
 新一はそのままベットで眠ってしまったらしい。
 快斗はさっきの事を思い出しほっぺを真っ赤に染めた。
 快斗の手はすでに手錠が外されている。
 両手で顔を隠しながら新一の寝顔を見た。
(さっきまで俺・・・。)
 いやらしい妄想が快斗の頭をよぎる。
 ぶんぶんっと頭をふってその妄想から逃れた。
「何?まだヤリたりねぇ?」
 はっと振り返ってみるとさっきまで眠っていた新一が目を開けてこっちを見ている。
「そ、そんなんじゃねぇよ!」
 快斗はぷいっと新一の視線から逃れた。
「しゃ、シャワー浴びてくる。」
 そう言ってベットから飛び降りる。
 まだ痛みの残る下半身をひきずりシャワールームへと向かった。

 どうしてこんな奴好きになったんだろう
 そう心に問いただしてみる。
 しかし答えは見つからない。
 さっきのSEXを思い出しつつシャワールームへ入っていった・・。





bn.1@petitks.b.to



4月13日
[46]jessica [ Mail ] [ HOME ] 2004年04月13日 (火) 18時47分
ね、頑張るよ。

キンキのこの曲、題名結構いいね。
俺も頑張るよ。

大丈夫、信じていこう。
たった一つの祈りを胸に抱き、七つの海を越えていくんだ。
そしてきっと、そこがユートピア。



【Need to say Good-bye.】
[44]jessica [ Mail ] [ HOME ] 2004年03月20日 (土) 03時52分
――だって知らなかった。
 心の中で必死になってみても、そんなこと言い訳にもならないことくらい、知ってるけれど。
 叫ばずにはいられないほどに。
 痛かったのは、何?




【Need to say Good-bye】




 初めてでもないくせに。自分でも信じられないくらい緊張してることは認める。
 けれど、けれどもだ。ガラじゃない、だろう。これは、いくらなんでも。らしくない、に違いない。だって、だってそうだ。こんな、こんなのは有り得ない。今、自分の細胞に必死になって酸素を送っている物体が、まるで自分のモノじゃないかのように思えるのだ。
 かつてない、それ。尋常ではない。明らかに、この心音は異常である。
――ああ、ああ。
 恥ずかしさの余り、今にも叫んでしまいそうだった。
――ちきしょう…
 心の中で毒づいて、その気持ちの正体を。知っていたけれど、まさかこれほどまでとは思っていなかったものの正体を。これまた心の中で呟く。
――そうか、‘好き’ってこういうことか……っ!!
 今まで、知らなかったものの名前。知らないフリをしていたものの名前だ。


徒然〜
[45]jessica [ Mail ] [ HOME ] 2004年03月23日 (火) 19時20分
「…ぁっ……」
 微かに漏れた声に、心の中で自分に毒づいて。夢中になって、相手の背中に縋り付いていたことに初めて気が付いた。
「ごめ……っ」
 しまった。傷つけるつもりはなかったのに。なんてことだ。爪をちゃんと切っておけばよかったと、そう思って手を引くと、相手がふと優しい瞳で(元々優しかったけど、それは穏やかなものだった)、けれどそれは燃えるように熱かった。そう、その瞳で。おれの手を引き留めた。
 そのまま、おれの指先に優しく口づけるその様に、この男は正気なのかと凝視してしまった。
 すると、そんなおれの様子を見て、ふ、と呆れたように優しく、笑った。
「…おまえはいつもそうやって、」
――そうやって………何?
 その言葉は途中で紡がれることを止めてしまって。続きを待っていたおれに降ってきたのはこの上なく甘く優しい言葉だった。まるで、親が子供を甘やかすときにでも使うような。
「しっかり、掴まっていろ。離すとどうなるか、私にもわからないからな」
 そう言って、にやりと笑った綺麗な顔を見て、やっぱり惚れた弱みもあるけれど、格好良ぇ(かっけぇ)な……とか思うわけで。端から見ても、そうなんだろうなとか。
 だから、なんでおれなんかの相手してんだろとか、考えたりする。



快新。(最初はジェ新ネタだった)
[42]jessica [ Mail ] [ HOME ] 2004年03月01日 (月) 04時55分
『新一は私と居ても、ホームズとか事件のことしか話さないね』
 と、蘭に言われた。



[Tell me yourself]



 家に帰っても、ずっとずっとその言葉が頭の中を回り続けるばかりで。ついつい、深く溜息を吐いてしまう。
 違う。そうじゃない。ただ、何を話して良いか、わからないだけなんだ。って、言えたら楽だったなと思いながら。
 自分の部屋に入って、無造作に上着とタイを抜き取るとすぐ、プツリと操り人形の糸が切れたようにベットへと倒れ込んだ。
 白いシーツに顔を埋めて。考える事はやっぱり蘭の言葉で。それに対する言い訳で。
 そう、言い訳でしか無くて。
 情けなくて。こんなにも自分が弱いとは思って無くて。
 悲しかった。

 いつの間にか、寝ていたみたいだった。
 ベランダから差し込む光が、太陽のそれではなく、月のそれへと変わっていたからだ。
 寝返りを打って、はぁと深く息を吐いた。

 ふと、カタリと音がした。ベランダの、窓が開く音。
 不審に思って咄嗟に身体を起こした。
 そこには、白い白い怪盗がいた。
 きっと睨んで言い放つ。
「……何しに来た…」
 怪盗が、探偵の家に。
 白い怪盗は、くすりと苦笑して言った。
「相変わらず、釣れない人ですね」
 会いたかったからでは、いけませんか?と。気障な口調でそう言った。
「………帰れよ」
 いつもなら。そう、いつもなら。ここで憎まれ口の一つや二つ。皮肉を言うことができるのに。
 今日は、その気力さえなくて。
 そう言うだけで、精一杯で。
 それ以上喋れば、全然違う事…そう、弱音を吐いてしまいそうだったから。
 ただ俯いて、そう言った。

「帰れません」
 だけど、きっぱりとその怪盗は否定した。
 俺は驚いてつい、キッドを見遣った。
 キッドはいつの間にか、随分と俺の近くに来ていた。
「帰るなんて、できません…」
 泣いている貴方を放っておくなど…
 そう言われて、俺は自分が泣いている事にやっと気付いた。
 慌てて、涙を拭う。
 しかし、それは無駄だった。
 拭っても。拭っても。また新しくそれが零れてくるからだ。止めようと思っても、止められなかった。
 ふと、キッドの動く気配を感じた。
 呆れられたか、と思って顔を上げようとした。
 でも、そこには何もなくて。
 ただ、白が広がっていた。
「泣くなよ…」
 耳元で声がして、やっと。そう、やっと。自分が抱きしめられている事に気付いた。
 それほど体格差の無い相手なのだから、押し返そうと思えばすぐにできる。
 しかし、できなかった。それに、する気もなかった。
 妙に、安心できたからだ。

「何が、あったわけ?」
 キッドの声が優しく問いかけた。
 俺は、少し戸惑ったが、ゆっくりと口を開いた。
「らん、が…おれ、ほかのことばっか……はなすって……おれ、そんなつもり…ぜんぜんなく、て……」
 子供のように、泣きじゃくりながら言うと、キッドがさらに優しく抱きしめてくれた。
 右手で、落ち着かせるように俺の頭を撫でる。
 そうされたことにより、俺は縋るように、ぎゅっとキッドにしがみついた。
 涙が、またぼろぼろとこぼれ落ちた。

「じぶんの好きなこと、話してろよ」
 優しい声が、俺の耳を擽る。
 それが妙に心地よかった。
「無理する必要なんかないし、」
 その言葉が、嬉しかった。
 例え、俺に同情しての言葉だったとしても。
 偽りだったとしても。
「その方が、俺も嬉しいしね」
 きっとこれは夢だから。
 俺の都合の良い夢だから。

 本当のあいつが、俺にこんな優しい言葉をかけるはずないから。

 その言葉が嬉しかったのは、ふりほどこうとしなかったのは。
 俺が、あいつを好きだからだと。
 やっと気付いた。


「…ん……」
 窓から差し込む太陽の光が眩しくて。
 必然的に、夢の世界から呼び戻された。
 何故か横に人の気配がして、ふと瞼を上げると…
 そこには、キッドがいた。
(俺、まだ夢見てるのか……)
 そう思って、どうせ夢ならひっついてしまえと擦り寄る。
 と、困ったような声が頭上から聞こえてきた。
「あんまり煽らないでくせませんか?」
 はた、と目を開いてキッドの顔を見上げると、にっこりと笑って、そいつは言った。
「おはようございます、新一」

 夢、じゃ…なかったわけだ………



 その後、俺は赤くなったりとか青くなったりとか同時にしてしまうという奇行を成し遂げ、自分の部屋から逃げるように洗面所に向かった。
(夢?夢???)
 と繰り返しながらあれは幻に違いないと決めつけ、自分で納得し、心を落ち着かせて、喉が渇いたのでキッチンに入ると、そこには、白い上着を脱いで、青いシャツを来て、赤いタイを少々緩めたそれが居て。
 心の中で、夢なんだ〜〜〜〜〜〜〜!!と叫び続けた。




 
 数日後、そいつは俺の家に住み込む結果となった。
 ………別に、嫌ってわけじゃないけど、嫌。
 なんか、意識しちまって、落ち着かないから……


あとがき
[43]jessica [ Mail ] [ HOME ] 2004年03月01日 (月) 05時01分
ラブラブなK新エンディングにしてみました。
キッドにメロメロな新一って良いと思う。
いまいち、不燃焼。
F.E.D.officeさんの「実力行使」みたいになるといいんだけどなァ…あれ、大好きなの!キッドかっこいいし、新一は可愛いしv
惚れるぜ……
ジェ新ジェではこんなにはなりません。
この二人は兄弟って感じなのです。



[雨降りの罪]
[41]jessica [ Mail ] [ HOME ] 2004年02月27日 (金) 06時56分
―細い。
 いちばん最初に思った事はそれだった。





[雨降りの罪]





 珍しく二人で駅前の本屋へ出かけた。家(工藤の)を出た時は、雨なんかちっとも降りそうにないほど晴れていたのに。今は、太陽はその姿を灰色に隠していた。
 玄関に駆け込んだ途端、チッと小さく舌打ちをした。工藤も気にする事もなく、むしろしだしそうな顔をしていた。
「先、入るか?」
 工藤が俺に背中を向けたまま、戸棚から引っ張り出したところのタオルをこっちに投げながら言った。
「え…?」
 俺がワケがわからないという風な答えを返すと、頭をタオルで拭きながら、くるりとこっちを向いた。
「風呂だよ、風呂!」
 ちょっと不機嫌そうな顔が可愛くて、つい吹き出しそうになってしまった。が、それを顔に出すほど俺は未熟じゃない(つもりだ)。仮にも、奇術師を目指しているし、キッドなんてものもやっているのだから。
「あ〜…でも、そしたら工藤はどうすんの?」
「……とりあえず、この濡れてる服を着替えるな」
 俺の問いに、工藤はさも「こいつ、何言ってんだ?」とても言いたげな顔をした後、そう言った。返された言葉はごくごく、当たり前なことで。ニュアンスが違ったな……と内心思った。
「いいよ、先入りなよ」
「でも……おまえ………」
 風邪ひくぞ?と工藤が困ったように言った。たぶん、明日キッドの仕事があるから、気をつかってくれてるんだろう…
「心配してくれるのは嬉しいけどさ、名探偵こそ風邪引くぜ?」
 ついでに「なんなら一緒に入る?」と、にやりと笑うと、工藤は素直に風呂場へ向かっていった。
 ちょっと残念とは思いつつも、俺は服を着替えるために2階へ上がった。
 ぶっちゃけ、逃げたかったから。
 目の毒。あれ以上、工藤を見てたら理性が保ちそうになかったから。
―ああ、もう。なんで、真っ白なシャツが濡れて、張り付いて、透けてるのに。そのシャツより、工藤の肌は白いのかねぇ…露わになった細い肩とか腕とか腰とか。下がジーンズだから、分かりづらくてよかったよ!
 頼むから自覚してくれ!!と心の中で叫びながら、扉を開けて自分の部屋に入った。クローゼットから着替えを出して、濡れた服に手をかけた。ふと、その手を止めて。はた、と気付いた。気付いてしまった。
 工藤の着替えは、着替えの服はどうなるんだ、と。
 はぁと溜息を吐いて、工藤の部屋へ向かう。が、工藤の部屋のクローゼットには全くと言って良いほど、家の中で着るような、ラフなものが入っていなかった。
―しまった……
 そうなのだ。工藤の服は、工藤が溜め込んでいた所為で、今日、出かける前に全て洗濯機の中へ放り込んでしまった。
 仕方なく、ズボンは工藤のを。シャツは、俺のを。
 その二つを持って、下にむかった。
 と、リビングに入ったところで、鉢合わせてしまった。
 まさに、最悪のタイミング。

 風呂に入った所為で、ちょっと赤くなってる頬とか。
 未だぱたぱたと床にしぶきを落とす濡れた髪とか。
 なにより、その格好。
 頼むから、腰にタオル一枚巻き付けただけという、その格好をやめてほしかった。

―蛇の生殺し状態……
 内心泣きたくなりながら、にこっり笑って工藤にもっていたシャツとズボンを渡した。
「あ、わりぃ」
 工藤がふわっと笑って言った。
 俺みたいにつくったような、「にこっ」じゃなくて、花がほころぶような「ふわっ…」って感じの笑みで。

―自覚、してくれよぉ………


「じゃ、次俺入ってくるよ……」
 ちょっと…いや、かなり。同じその空間にいれる自身がなかったのでいそいそと工藤の横をすり抜けるように通ろうとした。
 すると、工藤が俺の腕を掴んで止めた。



窓には虚ろな鳩甘美な言葉だけを食べてしまった
[40]jessica [ Mail ] [ HOME ] 2004年02月26日 (木) 00時55分
 おれがあの人に貰ったものは、たくさんあるけれど、おれは彼に何もしてあげられなかった。
 子供だったから、もっともっとと、望むばかりで。
 与えられることが嬉しかったから。欲しがれば与えられるということが嬉しかったから。
 ただ、我が侭に、自分勝手に望んでいた。
 欲しい、欲しいと。
 ただそれだけを。




[屋根には虚ろな鳩甘美な言葉だけを食べてしまった]




 独りで見る景色には、もう慣れていたけれど。あの人を好きになってからは、物足りなさばかりで。
 しんしんと降る雪が、全て覆ってしまえばいいのにと思った。
 あの人絡みだと、おれは‘ぼくらしく’ないことを考えてしまうみたいだから。
 押し殺した感情が行きを吹き返すらしいから。
 この醜い心を覆ってくれればいいのにと思った。
 そうすれば、周りにつもる雪と同じに、真っ白になって元に戻るんじゃないかって。生まれ変われるんじゃないかって、そう思ったから。

 いつしか、愛されることを恐がるようになっていた。
 あの人しか愛せない何て、実はきっと建前に過ぎない。
 おれにそんなことできるはずないから。
 でも、唯一、だと思っている。
 彼はこの世で唯一の人だと。
 まっさらの、そのままのおれ…取り繕った‘ぼく’ではなく、醜い‘おれ自身’を愛してくれた、唯一の人だから。
 だから、ただの建前ってだけではないと思っている。
 彼はきっと消えない。
 おれの中にきっと今も。
 この風の中にだって、彼は息づいている。

 けれど、酷い。と思う。
 結局、彼も。彼さえも。
 おれをおいていったのだから。

 約束だけ。言葉だけ。思い出だけ。気持ちだけ。それだけ残して、彼はおれから去ってしまったから。

 うそつきは嫌いって、言った筈なのにな……

 ひとりごちては、考えるのだ。
 どうすれば、どうすれば。
 彼以外の人を愛せるだろうか。

 誰かひとりに愛されれば、それでよかった。
 でも、その誰かひとりが叶わなかったから、誰にも嫌われたくなかった。
 約束も、言葉も、思い出も、気持ちもいらなかった。
 そんなものは、いらないから、ただ傍に。
 傍に居て欲しかった。
 それだけで、よかったのだ。
 他は、何も要らない。
 望まない。
 欲しがらないから。


 傍 に い て



 紡いだ言葉は、雪の中へと消えた。
 届く事はない。
 きっとずっと。
 彼は、おれをおいていってしまったのだから。



 本当に欲しかったものは、ただ、ひとつだけ。
 たったひとつなのだ。








 そ ば に い て


  お れ は ひ つ よ う ?




う ま れ て き て も 、 よ か っ た ?







  お れ さ え い な け れ ば 、





   あ な た は し な ず に す ん だ ?












そ ば に い て 。
 こ こ に い て 。
  お い て い か な い で 。





「おれ、あんたのこと結構好きだったよ?」


『‘さよなら’はまた会う日のために言うんだって』











 「 さ よ な ら … 」






end



[39]jessica [ Mail ] [ HOME ] 2004年01月12日 (月) 03時28分
00195375
00143412
○about【完結!】
┠快新
┠1〜20話(up17〜20話┠1〜20(17〜20)
┗about.**@shy-boy.b.to
BN】mitsuru.1@shy-boy.b.to
00189291
00123740
●快コ(新)●
第二話-火傷→44〜57@kaito-k.b.to
up→58@kaito-k.b.to
徐々に近付く]]]の時…
●快新●33〜38@kaiko-love-69.b.to
哀しいお話です
自分で読み返して沈みました
コナンkonanbn.1@rei0204.b.to



あけおめ・オルザラ・パラレル戦後
[38]jessica [ Mail ] [ HOME ] 2004年01月01日 (木) 18時12分
「明けましておめでとう、オルガ」
 にこりと、アスランが微笑んだ。



[A happy new year]



(寒い……)
 12月31日午後11時45分。何故か急にアスランに呼び出された。内容はいつもの如く、『迎えに来い』だった。大晦日まで仕事をしているアスランもアスランだが、なんで俺は車の中で待ってりゃいいのに、いちいち車から出て待つんだろうとか……すっかり下僕根性染みついてるし……嫌になっちまうぜ…………
 53分……呼び出されたのが45分、大急ぎでここに来て、着いたのが48分(おお、俺ちょーはえーじゃん)。もう5分も、こんな寒いっとこで待ってる俺としては早く出てきて欲しいのだが……ってだいたい、呼び出すんなら、仕事終わってから呼び出せよって感じで。
 そうこうしてる間に、もう55分。あーあー……年が明けちまう〜〜……!!俺、年越しそば(ディアッカに教えて貰った日本って国の風習。自分の国のは覚えてねぇし、だいたい、自分がどこ出身かもわかんねぇっつの)まだ食ってないし。年明けてからじゃダメかな?
(寒い……)
 吐く息が白い。手も凍ってるみたいだ。なのに、なんで俺は車の中に入ろうとしねぇんだろ……
 ………
 どーせ、吐く息白いなら、煙草でも吸おうかね…(ヤケクソ)どーせどーせ、後10分くらい来ねぇって。ばれやしねぇよ。(アスランに煙草禁止にされたけど〜)
(カチ、て煙草に火をつける瞬間!これが堪んねぇんだよな〜)
 フー……と吸い込んだ煙を吹き出しながら、空を見上げると、真っ黒だった。流石プラント。
(地球の空わかってる〜)
と、感心してしまった。地球軍に居たときに、夜中に見上げた空も確かにこんな風にすっげー澄んでて、月だけが浮いてるみてーでキレエだった。
(アスランみてー……)
 いつか、何かの本で読んだフレーズが頭の中に浮かび上がった。


  月は無慈悲な夜の女王


(無慈悲じゃないけどな〜)
 クックックと笑いながら、もう一度深く吸い込んだ……その時………


「早く出してくれない?」
 車の助手席から、アスランの声がした……
「アアアアアアアアスラン???!!」
 何時の間に!っていう俺の考えを見通して、アスランが返した。
「動揺しすぎ。やっぱり気付いてなかったんだ」
「い、いつから………?」
 か〜な〜り、やばい。煙草噴かしてるの、見られた……
 アスランがにっこりと笑って言った。
「54分くらいからかな」
(恐い……)
 それが素直な感想だった………
「あ、あの……怒って………?」
「るよ。でも、後で。寒いからさ」
 吸わなきゃよかった。今度から、ちゃんと普段から気配を読むようにしとこう………
 遠慮がちに運転席に入り込んで、シートベルトをつけると、すぐさま車を出した。

 しばらく…つっても、ほんの2・30秒くらい後に、アスランがいきなり、「止めて!」と言った。
「な、なに?」
 まだ怒ってるようで、アスランの口調は機嫌が悪そうだった。
「あのさ、もう煙草吸わないって、前約束したよね?」
 助手席から躙り寄るように顔を近づけてきた。
「あ、ああ……」
 俺は内心ビクビクで曖昧な相づちを打った。つーか、アスランのキレエな顔がすぐそこでいやに緊張した。
「もう吸わない?今年は吸わない?」
 アスラン、ぼけたのか?今年っつても、後、1・2分…もしかしたら30秒くらいしかねぇだろ……(アスランが躙り寄って来てるせいで時計が見えないから憶測だけど。っつうか、アスランの目から視線を逸らせなかった。)
「返事は?」
「……ん、わかった」
 どーせあと数分か数秒かで今年は終わるんだから楽勝♪とか考えたのが間違いだった……
 突如、目の前からアスランのキレエなエメラルドの目が消えた。つーか、これは、つまり………さっきより近い位置にアスランの真っ白な肌が見えるってことはつまり………………!!!!
 アスランが離れていく頃には耳まで真っ赤にしてた俺はこの動悸の激しさから言って、アスランに聞こえてるんじゃないかって思うくらいだった。ほんの数分前まで、寒い寒いと思っていたのが、嘘のように熱かった。顔が熱かった。
 そんな俺の状態を見てか、アスランは満足そうににっこりと、今まで以上に綺麗に微笑んで言った。
「明けましておめでとう、オルガ」
 ついでに最後に「約束、ちゃんと守ってね」というおまけ付き。弾かれたように時計を見ると………

 1月1日0時1分

だった……………










Number
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