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No.790 メタルギア :CODE:ZERO 投稿者:Metalic HOME

プロローグ                                    2005年シャドーモセス島事件の後、リボルバーオセロットの暗躍によりメタルギアの技術情報が闇市場(ブラックマーケット)に流出し、世界中にメタルギアの亜種が拡散した。そんな中シャドーモセス島事件から生還したスネーク達は反メタルギア財団「フィランソロピー」に所属し、反メタルギアの活動を開始する。この物語は2007年のタンカー事件に巻き込まれる前の活動の一つである。

2006年04月11日 (火) 20時49分
この小説へのレス


No.791 よろしくお願いします 投稿者:Metalic HOME

今度からちょくちょく書き込んでいこうと思います。ちょっと文章がずれてます。誰か文章のずれをなくすコツなどあったら教えてください。

2006年04月11日 (火) 22時06分

No.792 期待してますww 投稿者:小説好き HOME

これって、説明書に書いてあるやつを、そのまま書いただけじゃないか・・・・・・?もう少しオリジナルティーを増やして欲しいです。

2006年04月13日 (木) 16時11分

No.795 メタルギア:CODE:ZERO フェーズ1 投稿者:Metalic HOME

(2006年 日本 PM11:00 埼玉 朝霞市 自衛隊駐屯地)                   自衛隊駐屯地の中、寄宿舎の片隅にスネークは潜んでいた。周囲に誰も居ないことを確認し、しゃがみこんで体内通信を行う。  (CALL 周波数 141・12)  スネーク「こちらスネーク。トーキョーの日本軍の基地に潜入した。」  メイ・リン「ちがうわよスネーク。そこはサイタマだし、日本にあるのは自衛隊、軍隊とは言わないわ。」  スネーク「メイ・リン、これだけの施設があってメタルギアまで抱え込んでいるなら立派な軍隊だ。どう違うって言うんだ?」  メイ・リン「うーん・・よく分からないけど解釈の仕方の違いかしら?」  スネーク「戦争には法律や解釈の仕方の違いなんて無意味だ。銃を持って戦っている限り軍隊と変わりはない。」  オタコン「まあまあ、二人とも、どっちでもいいじゃないか。それにしてもスネーク、どうやって侵入したんだい?」  スネーク「下水道を使って侵入した。おかげで臭くてたまらん。潜入に差し支えないか心配だ。」  オタコン「匂いが落ちるまで今回のターゲットの説明でもして時間を潰そうか。ミッションは前回と同じ、デジタルカメラにメタルギアの写真を収めてネットに公開することだ。」  スネーク「オタコン、今回のメタルギアについて分かったことは?」  オタコン「まだ構造もつかめてないよ。分かってるのはそのメタルギアが『CODE:ZERO(コードゼロ)』と呼ばれてることぐらいだよ。」  スネーク「まあ、デジタルカメラに写真を収めたらいいだけの話だ。」  メイ・リン「それにしても何で自衛隊がメタルギアを?」  オタコン「でもメイ・リン、情報は確かなものだよ。メタルギアの技術情報が流れてから数ヵ月後、そこの駐屯地の研究本部が増設されると同時に、そこに機械専門の技術者をたくさん雇ったらしいんだ。その情報をもとに僕が直接研究本部のコンピューターに侵入したんだから間違いないよ。」  スネーク「向こうの事情なんて知らないさ。俺たちはメタルギアを止めるだけだ。」  メイ・リン「それもそうね・・」  スネークは双眼鏡を手にとって寄宿舎の周囲を確認する。  スネーク「見張りは二人・・・、奴等見たこともない銃を持っているぞ。」  オタコン「それは多分六十四式小銃だね。一時期はM60軽機関銃よりも優れていると言われていたけどそれは大嘘だよ。部品欠落も多いらしいし。」  スネーク「・・そんな銃で戦争が出来るのか?」  オタコン「さあ?でも油断だけはしないようにね。一応彼等は訓練された人間だ。」  スネーク「分かってる、奴等ジュウドーやカラテという武術を使うらしいからな。」  メイ・リン「そうなの?」  スネーク「ああ、それに日本ではみんな魚を生のまま食べるらしい。日本人は屈強な連中だ。(この時スネークは刺身を知らなかった)」  メイ・リン「それは違う様な気が・・」  スネーク「日本のゲイシャガールはダイエットにカロリーメイトを食べるんだとか。」  メイ・リン「・・誰から聞いたの?それ・・」  スネーク「誰からだったかな?まあいいじゃないか。」  オタコン「スネーク、君は日本を勘違いしてないか?」  スネーク「そうなのか?」  オタコン「・・そんなことはどうでもいいか。スネーク、君は今から・・」  スネーク「待て、ヘリだ!」  スネークは上空を見上げて三機のヘリの姿を捉えた。  スネーク「あれはUH−1『イロクォイ』だ」  メイ・リン「自衛隊のUH−1Jじゃない?演習か何かから帰ってきたとか。」  オタコン「いや、自衛隊のスケジュールを調べて見たけどその時間に演習なんか・・」  スネーク「ん?何だあいつら!?」  突然暗闇の中から黒いコンバットスーツを着た人間が数人現れたのだ。そいつのうち二人は見張りの自衛隊隊員達の背後に音も無く忍び寄り、サプレッサーを装着した拳銃を隊員の背中に押し当て2、3回引き金を引く。その隊員達は悲鳴も上げられず死んでしまった。それと同時にヘリが高度を下げ出した。三機のヘリが着陸を果たした後、ハッチが開いて中からぞろぞろと同じ兵装の兵士が降りてくる。  スネーク「オタコン、正体不明の部隊が出現した。」  オタコン「何だって!?」  メイ・リン「そいつらの目的は何なの?」  スネーク「待ってくれ、奴等が何か話している。」  スネークは携帯していた指向性マイクをその部隊の方に向ける。  『ターゲットはどこにある?』  『研究本部というところにあるらしい。』  『それがあれば、我々の目的が達成できるというわけか。』  『CODE:ZEROをいただくまで油断はするな。計画した手はずで行くぞ。』  その言葉を最後に部隊は散開した。実にわかりやすい。奴等の目的はあっという間に判明した。スネークは身を潜めて体内通信に切り替える。  スネーク「どうやら奴等もメタルギアが狙いらしい。さっきのヘリも奴等のものだった。」  メイ・リン「本当?奇妙な偶然ね。」  オタコン「その部隊の人数と装備は?」  スネーク「見た限りでは人数は30人弱だ。装備はサプレッサー付きのソーコムピストルと同じくサプレッサーを付けたH&K MP5サブマシンガンだ。」  オタコン「騒音は潜入に似つかわしくないからね・・」  スネーク「俺達はどうする?」  オタコン「・・僕等が必要なのは証拠写真だけだからね。自衛隊とあいつら両方に気付かれないように行動して写真をとるだけでいいよ。」  スネーク「分かった。当初の作戦通りだな。」  メイ・リン「用心してねスネーク。戦う武器はあるの?」  スネーク「M9を改造した麻酔銃だけだ。他は現地調達するしかないな。」  オタコン「こっちでは駐屯地内の見取り図をまとめておく。出来上がったら君のレーダーに映るように送信するよ。」  スネーク「助かる。何かあったら連絡するからな。」   (OUT)           

2006年04月15日 (土) 16時26分

No.796 一応追伸を・・・ 投稿者:Metalic HOME

何かいろいろ言われそうですが一応言っときます。自分は某所にある自衛隊駐屯地を陰謀が渦巻いているところとは思ってません(笑)。メタルギアの世界での日本はどーなってんのかなーと思って勝手に書いた次第です。「いやだなー」と思った自衛隊ファンの方がいたらすいません(本当に)。

2006年04月15日 (土) 16時44分

No.807 メタルギア:CODE:ZERO フェーズ2 投稿者:Metalic HOME

「よし、ちょうど匂いも取れてきたし行くか。」
体内通信を切ったスネークはすぐさま行動を開始した。
謎の武装グループの何人かが駐屯地の中を巡回していたがスネークはそいつらに見つかることなく進んでいった。
ソリトンレーダーに映っている敵の視線に注意して、敵が自分と反対方向を向いている時にそいつの背後を静かに通り抜ける。
スネークにとっては造作も無いことだった。
敵兵が巡回している所々に自衛隊員と思われる死体がいくつか転がっている。
今巡回している奴等はかなり戦闘力が高く、相手の背後に忍び寄るのが得意らしい。
スネークはしばらく敵の巡回をやりすごすと、三人の敵兵があまり動かないで陣取っている建物の前に行き着いた。
『おそらくここが研究本部だろう。』
敵の警護が厚い所には大抵重要な物がある。
先刻までと違って敵の視線をかいくぐるのは難しいだろう。
そこでスネークはM9を取り出した。
サプレッサーが付いているので銃声で敵に気付かれる心配は無い。
遠くから一人の敵兵の頭に狙いを定めて発砲する。
頭に麻酔針を打ち込まれた敵兵は3秒も経たないうちに麻酔の効果が現れたらしく、パタリと倒れてしまった。
スネークは素早くスライドを後退させて次弾を装填し、二人目、三人目と狙い撃つ。
残りの二人もあっけなく眠らされてしまった。
スネークは万が一銃撃戦になった時のことを考えて三人の装備品からソーコムピストルとH&KMP5とそれらの予備弾倉を奪い、自分に装備する。
建物の入り口は固く閉ざされていて、開けられそうになかった。
『きっと他に入り口がある。奴等は俺より先にここへ侵入しているはずだ。』
建物の周りを回ってみるとスネークのにらんだ通り、『関係者以外立ち入り禁止』という注意書きが書かれたボードが張られているドアがあり、銃撃で壊されている。
その時、体内通信のCALL音が響いた。
( 周波数 141・12)
オタコン「スネーク、駐屯地内の見取り図が出来たよ。今からそっちに送信する。」
数秒後、スネークのレーダーに正確な見取り図が映し出された。
一つ一つの建物の内部構造、換気ダクトや配水管まで細かく調べられている。
スネークの現在地は研究本部の敷地内の様だ。
スネーク「オタコン、奴等は既に研究本部に侵入している。奴等の目的は間違いなくメタルギアだ。」
オタコン「そいつら、かなり無謀なことをするなぁ。」
スネーク「俺達が言えることでもないだろう。俺も研究本部に今から侵入する。だがここからは今まで以上の敵兵が巡回しているだろう。」
オタコン「今こそあれを使う時じゃないか。」
スネーク「ああ、あれか。」
メイ・リン「あれって何なの?」
スネーク「侵入の時に最も役に立つものだ。」
オタコン「そうそう・・・・。」
スネーク「それは俺と共に多くの死線を越えてきた・・・・・・・ダンボール箱だ!!」
オタコン「えっ!!?僕のステルス迷彩のことを言ってたんじゃなかったの!?」
スネーク「何を言う!潜入に最も役に立つ物と言えば段ボール箱以外無いだろう!!」
スネークの声には妙に力が入っていた。
オタコン「僕の発明はダンボール箱以下なのか・・・・・。」
スネーク「冗談だ冗談。気にするな。」
メイ・リン「ちょっとお二人さん、ショートコントはいいからさっさと話を進めてくれない?」
スネーク&オタコン「分かった・・・・。」
スネーク「ところで、メタルギアはどこにあるんだ?」
オタコン「ごめん、スネーク。メタルギアの保管場所の情報だけはセキュリティが以上に強くて分からなかったんだ。建物の内部にあるコンピューター室に行ってくれ。きっとそこならどこにあるか分かると思う。」
スネーク「そのコンピューター室はどこに?」
オタコン「コンピューター室は二つあるんだけど、そこから近いのは第一コンピューター室だね。スネーク、第一コンピューター室に向かってくれ。」
スネーク「分かった。」
(OUT)
スネークはステルス迷彩のスイッチを入れた。
キュィィイン!!
奇妙な電子音が鳴り響き、スネークの姿は周囲の風景に溶け込んで完全に見えなくなる。
この状態だとスネークが動いても、ほんの少し空間が歪んだ様に見えるだけだ。
スネークは足音を立てない様にして研究本部の中に侵入していった。





2006年04月22日 (土) 17時36分

No.808 ダンボール大好きだ! 投稿者:ダンボールA HOME

スネークは、やっぱり定番のダンボールですね。ダンボールにたいするスネークの熱心思いは、いつ聞いてもやっぱり面白いですね。このショートコントは、大好きです!

2006年04月22日 (土) 23時11分

No.814 メタルギア:CODE:ZERO フェーズ3 投稿者:Metalic HOME

たった5分前にベッドから叩き起こされたばかりの研究副主任の桜庭健一郎は何がどうなっているのか、全くつかめていなかった。
夜遅くに起こされたと思ったら武装した男3人にサブマシンガンを突きつけられて『第一コンピューター室』に引っ張り出され、今はこうしてメタルギアの起動の準備をやらされている。
外を巡回している隊員はどうなったのか、こいつらは何者なのか(英語を話しているから日本人ではないことだけは確かだ)、こいつらは何が目的なのか、何も分からないまま桜庭はコンピュータにメタルギアの起動コードを入力する。
『こんなことをしてはいけない、きっと大変なことになる。』と、桜庭は肌で感じ取っているが、抵抗するつもりは無かった。
『どうしようも無いだろ!?こいつらは銃を持ってるんだから!!』
アニメやマンガならここで「そんなことは命に代えても出来ない!」とでも言って抵抗するのだろうが、現実では銃を持った人間(それもかなり戦闘経験がありそうな人間が数人だ)に抵抗の意を示すなんて愚の骨頂だ。
これが終わったら間違いなくクビだな、いや、その前にこいつらに殺されるだろう。
あれが起動したら、僕はこいつらにとっては邪魔なだけ・・・・・。
不規則に並べられた記号と数字の列の入力は終わった、後はEnterキーを押すだけだ。
桜庭はゆっくりと震える指をEenterキーに乗せる。
「さっさと押せ。それとも今すぐ死にたいのか。」
後ろの武装した人間の一人が桜庭をせかす。
彼は言われた通りにキーを押した。
『第一起動コード入力完了、CODE:ZERO、第一次起動モードに入ります。』
コンピューターから発せられるアナウンスがコンピューター室に響いた。
桜庭の後ろで3人がささやきあっている。
『こいつはもう用済みだ。』
『いや、まだだ。もう一つのコードが入力されるまで待て。』
『向こうでコードの入力が失敗したらまた一つ目のコードからやり直すことになる。』
『こいつは“今の所”まだ必要だ。』
彼等はできるだけ聞き取られないように喋っているつもりだろうが、室内が静かなので丸聞こえだ。
どの道殺されるのには変わりなさそうだが・・・・・・・・。
              パシュッ!
突然何かが吹き出された様な音が室内に響いた。
「何だ!!?」
3人の武装兵士は素早く後ろを振り返った。
だが、室内には桜庭と3人の兵士の4人以外の人間の姿は無い。
「気のせいか・・・・・?」
兵士の1人がそうつぶやいた時、もう1人の兵士がいきなり前のめりに床に倒れ込んだ。
倒れた兵士の頭には注射器の針の様なものが刺さっている。
「一体何が・・・うわっ!!」
今度は声を上げた兵士が見えない誰かに後頭部を殴られたように頭を前に突き出して倒れた。
「うわああああああ!!!」
いきなりの出来事に驚き、戸惑いを隠せない3人目は声を上げ部屋中にサブマシンガンを乱射し始める。
「ひいぃ!!」
桜庭はすぐさま床に伏せた。
室内で弾が跳弾し、無数の弾痕が出来る。
弾が切れた後も兵士は四方八方にサブマシンガンを向けた。
すると突然その兵士はサブマシンガンを落とし、自分の首をつかんで苦しみだす。
いや、首に巻きついた何かを外そうとしている様にも見える。
しかし兵士の抵抗は徐々に弱くなっていき、しまいには気絶してしまった。
そいつは見えない何かから解放され、ばたりと床に倒れ込んだ。
「ナンマンダブ、ナンマンダブ・・・」
床に伏せていた桜庭は次は自分の番だと思っていた。
「静かにしろ。建物内に居る敵兵に気付かれる。」
桜庭は声のした方を見上げてみた。
よく目を凝らして見ると、微妙に空間がぼやけて見える。
キュィィイン!
奇妙な電子音がしたのと同時に、変わった戦闘服を着ている屈強そうな男が現れた。
「それは光学迷彩!?君は何者なんだ!?」
「俺はこいつらの仲間じゃない。」
その男は今床に転がっている3人と同じく、英語を喋った。
「どうして君は・・・。」
「ちょっと待て!」
その男は桜庭の質問をさえぎり、サプレッサーが付いているベレッタM92Fを取り出して床に倒れている敵兵に銃口を向けた。
「そいつらを殺すのかい?」
「これは麻酔銃だ。眠らせておくだけさ。」
そいつは3人のうち2人に一発ずつ麻酔弾を撃ち込んだ。
「よし、これでいい。」
「どうして君は僕を助けたの?」
「お前はここの研究員か何かだろう?メタルギアの情報を集めるためだ。」
「メタルギアの・・・」
桜庭はゆっくりと立ち上がって眼鏡のずれを直す。
「君は・・・・・。」
「お前の敵でも味方でもない。」
「・・・まあいっか。僕を助けてくれたし。」
「お前の名前は?」
「ぼくは桜庭健一郎。君は誰だい?」
「・・・・俺はソリッドスネークだ。」
「ソリッドスネークだって!?」
桜庭は目を丸くした。
「ソリッドスネークって言ったらあのシャドーモセスの英雄!?」
「英雄だと?そんなもの誰かが勝手に持ち上げているだけだ。それより教えてくれ、ここにある『CODE:ZERO』というメタルギアについてだ。」
「ああ、きみは『零式』のことを言ってるんだね。」
「ゼロしき?」
「メタルギアのコードネームだよ。『CODE:ZERO』っていうのは『零式』の実践テストをする計画の名前さ。」
「なるほど・・・。そのメタルギアの装備は?」
「ああ、零式には12.7ミリ機関銃と多連装ロケット弾発射機を、右肩に対空ミサイルを積んでいるんだ。」
「おい、零式に核は搭載されていないのか?」
「え?・・・そんなことないよ。」
スネークの表情が険しくなった。
「本当だろうな!?メタルギアは核搭載戦車なんだぞ!」
「おいおい、落ち着いてくれよ。日本は核武装はしないんだよ。非核三原則を知らないのかい?僕達はあくまであれを“第四世代戦車”として設計し直したんだよ。」
「それならいい・・・。それだけか?」
「それだけじゃないよ、零式は通常のレーダーには映らないんだ。」
「何だと!!?」
「ステルス機みたいに斜面が多いんだ。あと、君がさっき使ってたような光学迷彩を装備しているんだ。」
「肉眼でもレーダーでも捉えられないのか。それにしてもよく知ってるな。」
「当然だろ。零式は僕が設計したんだもの。」
「お前が零式を!?ただの下っ端かと・・・。」
「むっ、失礼だなあ。確かに働き始めてからあまり経ってないけど研究副主任だよ。」
スネークは純粋な驚きを隠せなかった。
見たところ、桜庭は20代ぐらいにしか見えない。
「よっぽど機械の分野に長けているようだな。」
「ああ、子供のころから僕はガ〇ダムみたいな二足歩行ロボットを作るのが夢だったからね。」
『誰かさんと同じことを言っているな。ガン〇ムがなんなのかは分からないが、多分日本のアニメだろう。(大正解)』



オタコン「へっくしょん!!」
メイ・リン「大丈夫?」
オタコン「ああ、大丈夫だよ。風邪かなぁ?」











         

2006年04月29日 (土) 16時28分

No.822 メタルギア:CODE:ZERO:ちょっと追伸 投稿者:Metalic HOME

「それはいいとして、・・・・・ええと、ケンイチローだったか。どうして自衛隊は・・・」
「僕のことはあだ名で呼んでくれていいよ。」
「ん?そうか・・・じゃあなんと呼べばいい?」
「高校生の時はこう呼ばれてバカにされてたんだけど・・・・『オタケン』と呼んでくれ。」
「な・・・・・何ィイイ!!??」
「やっぱり変かな。これは『オタク検定』の略なんだ。他にも『オタクの健一郎』っていう意味もあるんだけど・・・・・」
「これ以上言っては駄目だ!!パクリになってしまう!!パクリはいけないんだぞ!!」
「え!?いきなりどうしたんだい、スネーク?」
「あ・・・・ああ、なんでもない。ちょっと錯乱してしまっただけだ。」
「・・・・?大丈夫?」
「ああ、それよりも俺は君のことを「オタコン2号」と呼びたくなってきた。」
「なんだい、それは?」
「オタクコンベンションの略・・・・・だそうだ。」
「なるほど。でもどうして「2号」なのさ?」
「それは秘密だ。」
「なんなんだよ、一体?」
その後、2人はいろいろ話し合ってスネークは結局健一郎のことを「サクラバ」と呼ぶことにした。


2006年05月06日 (土) 14時13分

No.823 メタルギア:CODE:ZERO フェーズ4 投稿者:Metalic HOME

「それはいいとして、どうして自衛隊がメタルギアを保有するんだ?」
「ああ、君ならシャドーモセス島事件を覚えてるよね?あの事件で今や世界中にメタルギアの亜種が存在しているだろう?日本もそれらの兵器の脅威に対応するためには同じくらい強力な兵器が必要なんだ。」
「目には目を、メタルギアにはメタルギアを、か。」
「メタルギアはいわゆる“第四世代戦車”と言えるね。あれがさらに世界に広まると戦争はまた様変わりするだろう。」
「メタルギアはあくまで自国の防衛のためだと言うのか?」
「ああ、そうさ。」
『どの道、メタルギアには変わりない。それにこの男はメタルギアの恐ろしさを知らないからこんなことが言えるのだ。さっさとメタルギアの写真を撮っておさらばしよう。』
その時、スネークの頭の中に体内通信のCALL音が響いた。
「ああ、サクラバ、ちょっと待ってくれ。」
「・・・・?」
怪訝そうな顔をする桜庭を無視し、スネークはその場にしゃがみこむ。
(周波数141・12)
オタコン「スネーク、今のところ順調かい?」
スネーク「ああ、それとオタコン、ここの研究副主任の男を確保した。これからいろいろと聞き出してみようと思う。」
メイ・リン「でもメタルギアの情報を素直に渡してくれるかしら?あなたは反メタルギア財団フィランソロピーの一員なのよ。」
スネーク「何とかするさ。」
オタコン「ところで、その研究副主任の名前は?」
スネーク「ああ、『オタコン2号』だ。」
オタコン&メイ・リン「はあ??」
スネーク「冗談だ。切るぞ。」
オタコン「ちょっと、スネーク・・!?」
(OUT)
「スネーク、今のは体内通信かい?」
「サクラバ、体内通信を知っているのか?」
「ああ、僕と研究主任は体内に同じ通信用ナノマシンがあるんだ。今のところはまだテスト段階のものだけどね。」
「こんなところにまで体内通信の技術が発達してるとはな。」
「これも最近取り入れられたばかりの技術だよ。」
「そうか・・・これからの会話は体内通信で行ったほうがいい。」
「どうしてだい?」
「この建物を巡回している敵兵に会話を聞き取られないようにするためだ。」
「OK,僕の周波数は140・41だ。」
スネークと桜庭は右手の人差し指を耳に当てて通信を行った。
(CALL 周波数140・41)
スネーク「上手くつながった様だな。」
桜庭「それで、他に聞きたいことは?」
スネーク「メタルギアはどこにある?」
桜庭「メタルギア・・・・・ああああっ!!!」
スネーク「どうしたんだ?」
桜庭「そう言えば僕、ついさっき『零式』の起動準備をしたんだった。」
スネーク「何だと!!なんでそれを早く言わない!!」
桜庭「ご・・・・ごめん、今まで聞かれなかったから・・・。」
スネーク「だがどうしてそんな事を!?」
桜庭「さっきのやつらに銃を突きつけられて仕方なく・・・・・・。」
スネーク「メタルギアはすぐ動き出すのか!?」
桜庭「いや、今すぐじゃない、もうひとつのパスワードロックを解除してから30分経たなきゃ零式は動けない。今頃あいつらは第二コンピューター室でもうひとつのパスワードロックを解除している頃だ。多分僕と同じように主任を脅して・・・」
スネーク「その第二コンピューター室はどこに!?」
桜庭「もう間に合わない。第二コンピューター室はこことは反対側の翼にある。無理だ・・・。」
桜庭の声にはどうしようもないような絶望が感じられた。
スネーク「あきらめるな!どうにかして止める方法は!?」
桜庭「・・・主任がパスワードロックを解除しなかったら動かなくなるけど・・・」
スネーク「どう言うことだ?」
桜庭「零式には厳重なロックがかけられていて、決まった手順でロックを解除しないと零式は起動しない。まず、ここで僕が知っている一つ目のパスワードロックを解除してから第二コンピューター室のほうで主任が知っているパスワードロックを解除するんだ。先に第二コンピューター室のほうから解除したり、パスワードを一文字でも打ちミスしたら、最初からやり直しになる。それに加えて、二つ目のロックは一つ目のロックが解除されてから5分以内に解除しなければいけない。」
スネーク「なるほど、サクラバ、今すぐ体内通信で主任とやらに連絡して解除をやめさせろ!!」
桜庭「ええっ!!??」
スネーク「奴等はメタルギアが目的なんだぞ!!それをここで動かさせるわけにはいかないだろう!!」
桜庭「わ・・・・分かったよ・・・。やってみる。」
桜庭はスネークの言う通りに主任の方に連絡を取ってみた。
(CALL 周波数 141・14)
桜庭「主任、聞こえますか桜庭です。今すぐロックの解除をやめてください!」
主任「ふ・・・・・副主任か?なぜ・・・・。」
桜庭「このまま奴等の思うようにさせてはいけません。これでは・・・」
主任「う・・・うるさい!第一私にロックを解除する順番が回ってきたということはお前が先にロックを解除したって事だろう!人の事を言えた立場か!!」
桜庭「う・・・・それは・・・・。」
主任「どうなんだ!!」
主任はすぐ近くで銃を突きつけられているのか、声が震えている。
スネーク「落ち着け、今はそんな事を言っている場合じゃない。」
主任「な・・・なんだお前は!?」
スネーク「そんなことはいい、あんたのほうのロックはどうなった?」
主任「・・・もう解除した・・・零式はもう動き出す・・・。」
スネーク「くそ!!遅かったか!!」
主任「な・・・大体お前は何なんだ、通信に乱入してきて勝手なことを言いおって!銃を突きつけられたらどうしようもないだろうが!」
『戦争に加わったことも無いくせしてメタルギアなんかに手を出した輩に言われたくないな。』
喉まで出かかった言葉を飲み込んで通信に戻ると、主任の通信のほうから敵のものと思われる声が聞こえてきた。
主任の聴覚を通して敵の声が聞こえてくるのだろう。
スネーク「主任さん、すこし静かにして敵の会話を聞いていてくれ。」
主任「なんだと?」
スネーク「いいから聞いてみてくれ。何か情報が手に入るかもしれない。」

だがこの後、スネークは思いもしなかったことを聞くことになる。

2006年05月06日 (土) 17時45分

No.824 オタコン2号ww 投稿者:名のるほどのものでは・・・^O^ HOME

オタコン2号って・・・・・・ぶっwwwwおっ面白いwwメイ・リンとオタコンのリアクションが面白くて笑っちゃいましたwww

2006年05月06日 (土) 21時46分

No.841 メタルギア:CODE:ZERO フェーズ5 投稿者:Metalic HOME

やがて、主任の聴覚を通して敵の声が聞こえてきた。
『よし、これで零式は30分後に起動する。クロコダイル、兵士を零式の格納庫に移動させろ。』
『了解した。・・・・・そう言えば見張りの兵士の何人かが眠らされていた。この建物の前で。恐らく麻酔銃だ。』
『まさか、・・・本当に「あの男」がここに?』
『それは分からん。』
『ほう、もし「あの男」だったら情報の提供者に感謝しないとな。そういえば、ジャッカルはどこに行った?』
『それも分からん。腹が減ったと言っていたから“食事”をしにでも行ったんだろう。』
『それじゃあ、俺達は先に格納庫に行くとしようか。ここにはメタルギアの他に戦車に戦闘機、武器がたんまりとあるからな。大暴れするにはもってこいだ。』
『な・・・なんだと!お前らは何が目的なんだ!?』
主任の声が会話に乱入した。
『言っただろ?大暴れだ。ニッポンのこの町でな。』
『お前らのやろうとしていることはテロだぞ!』
『そいつは違う。これは・・・・「俺達」の生きがいだ。』
『そんなことをしても意味が無いぞ!』
『やれやれ、いまいち分かってないな。俺達にとっては戦うこと自体に意味があるのさ。俺達が唯一自分を表現出来て、自分の「命」を感じることが出来ること、それが戦いさ。』
『じゃあ、なぜこの基地に・・・・?』
『暴れるなら派手なほうがいいんだ。それでメタルギアの開発に着手しているこの基地に来たのさ。』
『分からんな、・・・・派手なほうがいいのなら、なぜ日本に?日本はただの小さな島国だぞ?』
『そうでもないさ。日本は経済的には最強の軍事大国のアメリカに匹敵しているし、なにより、メディアが発達している。ここで暴れたらこの出来事は世界中に広まるだろう。俺達のことは長くこの世に知られ、とどまることになる。』
『それしきのことで自分の命だけでなく他の大勢の人間の命も奪う気か!?残るのは汚名だけだぞ!』
『お前には分からんだろうが・・・・・』
突然敵の声が険しくなった。
『俺達は戦うこと以外の・・・自分を表現する方法を奪われて生まれてきた、戦いでしか自分を表現できない生き物だ。それだけではなく「奴等」は俺達を一方的に闇に葬ろうとして俺達が表の世界に顔を出すことを許さなかった。この世界に俺達の生きた証を残すことさえな・・・・・。』
『何のことを・・・・・。』
『コブラ、喋りすぎだ。俺達、「シャドウフォックス」はもともと知られていい存在じゃない、「影」の存在だ。』
『そうだな、じゃあ、そろそろお別れといこうか。主任サンよ・・・・・』
『な・・・・そんな!!!』
主任の悲痛な声が聞こえた。
『どの道この基地はめちゃくちゃになる。どうせお前は死ぬんだ。』
その言葉と同時に拳銃のスライドを後退させ、初弾を装填する金属音が響く。
『待ってくれぇぇええええ!!!!死にたくな・・・・』
『あんたの名前も長く語り継がれることになるだろう。大量殺戮兵器を造った科学者としてな。』
      カチャリ        パシュ!!
静かな銃声とともに通信は途切れた。

2006年05月20日 (土) 14時53分

No.854 メタルギア:CODE:ZERO フェーズ6 投稿者:Metalic HOME

「聞いたかサクラバ、奴等はここで暴れるつもりらしい。」
「ああ、主任も・・・・・。」
「サクラバ、落ち込んでいる場合じゃない!奴等は零式を使おうとしているんだぞ!たくさんの人間が死ぬことになる前に零式を止めなければいけない。何か方法は?」
「無理だ・・・零式は一度起動させると再びロックをかける手段はない。操縦士が自分で零式を止めない限りね。」
「奴等は止めないだろうな。」
「もうお終いだ・・・・・まさかこんなことになるなんて・・・・・。」
「まだ手はある。零式を破壊する。」
「どうやって破壊するっていうのさ!奴等がそんなこと黙って見てるわけ・・・・。」
「サクラバ・・・・そう言えば俺がここに侵入している理由を言ってなかったな。」
「え・・・・・?」
桜庭は今更ながらスネークが何故今ここにいるのか理由を聞いていなかったことに気付いた。
あの時は死ぬ思いをしていた所を助けられたから気になっていなかったのだ。
「俺はシャドーモセス事件の後、反メタルギア財団『フィランソロピー』に所属する事にしたんだ。言うまでも無く、目的はメタルギアがこれ以上世界に拡散するのを防ぐこと。日本に来たのもメタルギアの開発を止めるためだったんだ。」
「ええっ!?」
桜庭が思わず声を上げてしまったのでスネークは自分の耳を指差した。
少しして桜庭はその意味に気付いた。
(CALL 周波数140.41)
桜庭『どうやってそんなことするつもりだったのさ?』
スネーク『メタルギアの写真を撮って報道陣に流す。基地に侵入する所まではよかったんだが、あの武装集団が侵入する時と時間が重なるとは思わなかった。』
桜庭『じゃあ最初っから・・・・。』
スネーク『ああ、メタルギアの開発を邪魔するためだ。もっとも今はメタルギアを破壊する必要性が出来たがな。』
桜庭『・・・・・分かったよ。確かに君の言う通り奴等の思うがままにはさせちゃいけない。零式は・・・・破壊するしかないね・・・・・。』
スネーク『なんだか名残惜しそうだな。』
桜庭『少しね・・・、あれを造るのにはかなり苦労したし・・・。やっと夢が叶うと思ってたから。』
スネーク『サクラバ、科学者のそういった欲望が兵器を造り上げることに繋がっているんだ。科学者はみんなこう言い訳する、「最初はそんなつもりじゃ無かった。」「自分は兵器を造るために科学者になったんじゃない。」とな。』
桜庭『・・・・そうだね。君の言う通り、・・・・僕は何も分かってなかった。自国防衛のためとは言え、兵器は人を殺傷するものだってことに変わりは無いんだ。』
スネーク『お前の夢は二足歩行ロボットを造ることで兵器を造ることじゃ無かったはずだろう。人間は最初の目的を見落としがちなんだ。』
桜庭『僕はどうすれば・・・・。』
スネーク『俺の友の一人でお前と同じように利用されていたメカオタクはこう言っていた。「僕は二度と人殺しには手を貸さないよ。」とな。』
桜庭『・・・・・・・・・・・』
スネーク『これからの自分の生き方は自分で決めろ。俺はこれからもメタルギアが世界に拡散するのを防ぐために戦う。どれだけ拡散が続こうと関係ない。俺の命と意志が続く限り、俺は戦う。』
桜庭『・・・・君が何で英雄と言われているのか分かった気がするよ。』
スネーク『「英雄」なんて誰かが勝手に持ち上げているだけのことだ、と最初に言っただろう。』
桜庭『そうだったね。』
スネーク『サクラバ、零式を保管している所はどこだ?』
桜庭『零式は演習場の近くに建てられた倉庫に保管されてる。近々性能を試すためのテストをするってことになっていたからきっと弾薬やミサイルとかも全部装備されているはずだよ。』
スネーク『急いだほうがいい様だな。起動させる前に敵兵を全滅させることは無理だろう。破壊方法はどうする?』
桜庭『零式は「REX」を模倣してはいるけどレドームの位置が変わってるんだ。「REX」でいうと頭部に位置していてまだ装甲が不完全なんだ。そこを爆破させればいいはずだよ。零式が起動して光学迷彩を使われたらいくら君でも狙えないだろうし。』
スネーク『確かにな。その光学迷彩とステルス性の装甲もお前や主任が設計したのか?』
桜庭『いや・・・もともと「REX」のデータに追加されてたらしい。そもそもメタルギアのデータ自体がどこから出てきたのか分からないんだ。』
スネーク『何だと?ブラックマーケットからじゃないのか?』
桜庭『主任は出所を聞くなって言ってて、・・・・・ブラックマーケットから出てたからそう言ってたんだと最初は思ったけど、ブラックマーケットからデータが流出してるのは皆知ってるから敢えて黙っておく必要もないはずだし・・・・。』
スネーク『どういうことなんだ?まあいい、今はそんなことは大して重要じゃない。通信を切るぞ。』
(OUT)
「スネーク、これを持っていってくれ。」
桜庭はスネークにカードの様な物を渡した。
「これは?」
「僕の身分証明書。零式の保管庫に入るカードキーとして使えるんだ。主任も同じのを持ってるけど、きっとあいつらはこれを主任から奪ってるはず。あいつらもきっと保管庫に向かってる。」
「分かった。」
そう言ってスネークがコンピューター室から出て行こうとした時、「あるもの」がスネークの目に止まった。
“それ”は部屋の隅っこに山積みにされている・・・・・・
「こ・・・・これは!!」
「どうしたのスネーク?ただのダンボール箱だろ?」
「ただのダンボール箱だと!!??」
スネークの豹変ぶりに桜庭は思わず「ひぃ!」と悲鳴をあげてしまった。
「いいか、お前からしたらダンボール箱はどこにでもあるものだろうが、難民キャンプに居る難民のような人間にとってはダンボール箱は欲しくても手に入らない物なんだぞ!」
「ていうか、難民の人はダンボール箱より食べ物を欲しがると思うんだけど・・・・。」
「なんだとぉう!!??」
「ひいいいい!!」
その後、スネークは敵に気付かれる事も気にせず、熱心にダンボール箱の素晴らしさを語り、桜庭は口出しが出来なかった。
そして5分後、
「そもそもダンボール箱は・・・・。」
「スネーク、ちょっと。」
「なんだ、今からがいいところなんだぞ!」
「零式が起動するまであと20分弱しかないんだけど・・・・・。」
「ハッ!!しまったあああああああ!!!!!!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
「早速ダンボール箱を装備していかなければ!」
スネークはすかさずダンボール箱をかぶった。
「これでよし!何かあったら連絡しろよ!」
スネークは姿勢を低くしてちょこちょこと歩き出した。
「・・・・・伝説の英雄って分からない・・・・・。」
桜庭は心からそうつぶやいた。

その頃
『おい!応答しろ!副主任は始末したのか!?・・・・変だな体内通信でこれだけ呼びかけても応答しないだと?』
『兵士を数人行かせて調べさせよう。念のためにな。』

2006年05月27日 (土) 18時53分

No.867 メタルギア:CODE:ZERO フェーズ7 投稿者:Metalic HOME

(CALL 周波数 141.12)
スネーク『オタコン、やはりメタルギアは破壊することになりそうだ。』
オタコン『やれやれ、それじゃあ「フィランソロピー(慈善事業)」じゃ無くなっちゃうじゃないか。』
スネーク『仕方ないことだ。それと、ナオミに連絡を取れる様にしてくれないか?』
スネーク『ナオミに?いいけど、どうしてだい?』
スネーク『少し気になることがあってな。』
主任の聴覚を通して聞こえてきた事・・・・。
クロコダイル、ジャッカル、コブラ、これらは恐らく敵のコードネームだろう。
それに、組織の名前であろう・・・・・・・「シャドウフォックス」。
生き物の名前をコードネームにするのは以前スネークが所属し、去年のシャドーモセス事件を起こした組織「FOXHOUND」の特徴だ。
相手の組織の名前は「シャドウフォックス」、「FOXHOUND」と似ているような気もする・・・・・・。
これは単なる偶然だろうか?
去年まで「FOXHOUND」に勤めていたナオミなら何か分かるかもしれない。
オタコン『分かった、連絡がつく様になったらこっちからCALLする。』
スネーク『助かった。頼んだぞ。』
(OUT)
スネークはダンボールをかぶったまま移動を続けた。
しかし、おかしなことに今まで巡回をしていた敵兵が一人も居なくなっている。
「零式の格納庫に全員移動した様だ。」
さっきダンボールについて熱く語りすぎて時間をくってしまったからだろうか・・・・。
そう思ったのもつかの間、通路の向こう側から足音が聞こえてきた。
「敵か!?」
敵兵が二人、暗闇の中から現れる。
『しかし、このダンボール箱の“完璧な”偽装には気付くまい。』
敵兵の二人は歩みを止めた。
敵兵の視線はあきらかに不自然に通路の端に置かれているダンボール箱(箱の側面には「みかん」と書かれている)に向けられている。
『めちゃくちゃ怪しい・・・・・・。』
二人の思考は図らずも一致していた。
二人はダンボール箱の近くに移動し、一人はダンボール箱に手をかけて、もう一人はサブマシンガンを構える。
二人がゆっくりとうなずきあった後、一人の敵兵がダンボール箱素早く持ち上げた。
「・・・・・・・・・・・・。」
何も無かった・・・・・・・。
「何だ、「あの男」かと思ったんだがな。」
ダンボール箱を持ち上げた敵兵が舌打ちをしてその箱を投げ捨てた。
「大体ダンボール箱を使って隠れるってのが馬鹿げてるぜ。」
「そうだな、多分後から出来た根も葉もない話なんだろう。さあ、副主任が殺されているか確かめに行くぞ。」
二人はスネークが先程通ってきた通路を通って去っていった。
二人の足音が聞こえなくなった時、・・・・
キュィイイン!
スネークが突然現れた。
「ふっ。ダンボール箱に気が付いたのはなかなかだが、ダンボールとステルス迷彩の二重偽装には気付けなかった様だな。」
スネークは得意そうにつぶやいた。
偽装ならステルス迷彩だけの方がいいはずなのだが、なぜわざわざダンボール箱を使うのか、それは彼が無類のダンボール好きでダンボール箱をこよなく愛するソリッドスネークだからである。
スネークは投げ捨てられたダンボール箱を拾ってそれをかぶり直した。
「ふう、やはり落ち着くな。オタコンもサクラバも何でアニメの良さが分かってダンボールの良さが分からないんだ?」
彼は愚かにも本心からそう考えていた。
しかしこの先彼等がその良さを分かることは絶対に無いだろう。
っていうか作者も分からない・・・・・・・。
『それはそうとして、さっきの奴等・・・「あの男」と言っていたが、まさか俺がここに居ることを知っていたのだろうか?まだ直接見つかってはいないはずだが・・・・。それよりもあいつら、サクラバを・・・・?』
見つかったら間違いなくサクラバは殺されるだろう。
あいつを助けてやる義理は無いし、何より今は時間が惜しい。
「だが・・・・・・・。」
彼はまだ何か情報を持っているかもしれないし、何より後味が悪い。
スネークは迷わず動き出した。


「もうすぐコンピューター室だ。」
二人はコンピューター室のすぐ近くまで来ていた。
                   ゴトッ
微かに後ろから聞こえた物音に反応して二人は振り返った。
そこにはさっき見たばかりのダンボール箱があった。
だが数秒前来た時は置かれていなかったものだ。
二人は迷わずサブマシンガンのフルオート射撃をダンボール箱に浴びせた。
たちまちダンボールは蜂の巣になり穴だらけになる。
「やったか!?」
二人はダンボール箱に近寄った。
その瞬間後ろから正確無比な一撃が一人の敵兵の後頭部を襲い、それに反応した二人目は後ろを振り向こうとしたが、見えない何かにサブマシンガンを叩き落され、同時に腕の間接を締め上げられて首筋にひやりとする物を押し付けられた。
いつの間にかホルスターのナイフが抜き取られている。
すると音も無く空間が歪みだし、スネークが現れた。
「ステルス迷彩のバッテリーが切れたか・・・・オタコンめ、充電してなかったな。」
「お・・・・・・お前は・・・・!」
敵兵の目はかっと見開かれていて、そこからは純粋な“驚き”が感じられた。
「答えろ、お前達は何者だ?FOXHOUNDと何か関係があるのか?」
「お・・・俺達は・・・「シャドウフォックス」・・・それ以外でも何でもない!」
敵兵がそう言った瞬間、いきなり敵兵の力が信じられないほど強くなり、スネークの腕を振りほどこうとした。
                   ザシュッ!
スネークは迷わず敵兵の喉を斬った。
凄まじいほどの血が噴出し敵兵の力がみるみる弱まり、敵兵はその場に倒れ込んだ。
「危うく間接から抜けられそうだった。なんて力だ・・・。」
結局何も聞けずじまいだった。
だがこれでサクラバが殺されることは無くなった。
それだけでもよしとしよう
「時間をくいすぎたな、急ぐか。」

2006年06月03日 (土) 18時36分

No.891 メタルギア:CODE:ZERO フェーズ8 投稿者:Metalic HOME

スネークは急いで研究本部の建物から出た。
ステルス迷彩はバッテリーが切れ、ダンボール箱はボロボロになって身を隠す物がひとつも無い今の状態で走り回るのは少々目立つが、今はそんな悠長なことを言っている場合ではなかった。
時間は刻一刻と迫っているのだから。
零式の格納庫までの道のりの途中、スネークは僅かな違和感を感じた。
『何かが無い・・・・・。さっきまで放置されていた自衛隊員の遺体が消えている。奴等が片付けたのか?』
そう考えて数秒後、スネークは自分の考えが間違っていたと知ることになる。

    ゴリゴリ・・・クチャクチャ・・・カリカリ・・・

何かを一心に噛んでいるような、それだけではなく気持ちが悪くなるような音が前方から聞こえてきた。
スネークは素早くソーコムを前方に構えて射撃の姿勢をとり、目を凝らして前を見据える。
見えたのは痩せた髪がぼさぼさの男がしゃがんでいる後姿のようだ。
だがスネークはすぐにそいつの周りに散らばっている『物』に気が付いた。
『人間の腕・・・・!いや、それだけじゃない、足も・・・・!』
それはバラバラにされた自衛隊員の体だ。
肉体の一部は刃物で切断されたというより猛獣に食いちぎられた様な感じだ。
しゃがんでいた男がぐるりと体の向きを変えてスネークの姿を捉えた。
その男はズボン以外に身につけている物は無く裸足で、あばら骨が浮かんで見えるほどガリガリに痩せていて、口回りには血がべったりと付いている。
『死体を食ったのか!?こいつ、化け物か!?』
スネークは戦慄を覚えたが、ソーコムの安全装置を外して狙いを定めた。
「お前は何者だ?『シャドウフォックス』なのか?」
「・・・・・・そうだ。」
そいつは低い声で答えた。
「お前はソリッドスネークだな。来てくれて嬉しいぜ。」
「気持ち悪いやつだな。お前達は俺がここに来るのを前もって知っていたな?どこで知った?そしてお前は何者だ?」
「俺は『シャドウフォックス』の一人、プレデタージャッカルだ。」
「お前らはFOXHOUNDと何か関係があるのか?」
「俺達は『影』だ・・・・。それ以上でも以下でもない。」
「お前らの目的は何だ?やはり暴れることか?」
「なぜそれを・・・・!?」
そいつは一瞬身をこわばらせたが、すぐ落ち着きを取り戻した。
「まあ、いいか。教えてやる。確かに暴れることに変わりは無い。だが、そうすれば俺達は外の世界に存在を知られることになる。」
「そのためにここのメタルギアを・・・?」
「ああ、だがそれだけじゃない。そのついでにお前を、伝説のソリッドスネークを俺達『シャドウフォックス』が倒したとなれば、さらに俺達の名前は長く語り継がれるだろう・・・新たな伝説として・・・。」
そういった時のジャッカルの目からは何かを強く求めている意思が感じられた。
「お前達に残るのは汚名だけだ。誰もお前達のことなどに興味など湧かんさ。」
「ふ・・・、どうかな?伝説のソリッドスネークの知名度は大きい。そのスネークが殺されたとなればどうなるか分からんぞ?」
「伝説なんて一時的な物だ、すぐに忘れ去れる。伝説になんて興味はないが・・・・。」
スネークはさらにソーコムの撃鉄を倒す。
「まだやることがあってな、お前らの名前を売るためだけに死ぬつもりは無い。」
そして引き金は引かれた。

2006年06月17日 (土) 15時17分

No.925 メタルギア:CODE:ZERO フェーズ9 投稿者:Metalic HOME

45口径弾が銃口から吐き出された。
しかし、ジャッカルは信じられないほどの瞬発力で弾丸を回避し、そのままスネークの方に向かって突進して左腕を大きく振りかぶった。
スネークは右に移動して攻撃を避けたが、その攻撃が速すぎて回避しきれなかった。
スネークのスニーキングスーツの右脇腹の部分が裂けて、僅かだが血が流れ出る。
「ほう、この攻撃を避けるとは・・・。」
ジャッカルの手の爪はまるで猛禽類の爪の様に鋭く、左手の爪の先端にはスネークの血が付いている。
『なんなんだ、こいつの人間離れした動きは!?』
スネークは驚いてはいたが、体の方は反射的にソーコムを再び構えて発砲していた。
しかし、またジャッカルはその弾丸を難なくかわした。
「くっくっくっくっく・・・・無駄だ。」
ジャッカルは『まだまだ余裕があるぞ。』とでも言いたげに両腕を大きく広げて見せた。
それならば、とスネークは武器をH&KMP5に持ち替えて、フルオートで連射した。
サプレッサーが付いているため、耳を塞ぎたくなるような銃声は響かないので弾切れするまで撃ち続けることが可能だ。
だがその連射さえ、ジャッカルは俊敏な走りで回避する。
それでもスネークは撃ち続けた。
弾幕を張っておけばジャッカルでも反撃は出来ない。
地面に無数の弾丸が線状に撃ち込まれる。
ジャッカルはその連射から逃げるように続ける。
                     ガチンッ!!
サブマシンガンの弾が切れた。
それを待ち構えていたかのように、ジャッカルは反撃に転じた。
一直線にスネークに向かって突進してきてジャッカルは右腕をアッパーのように下から振り上げる。
スネークは咄嗟にその攻撃をサブマシンガンの銃身で防いだが、その衝撃でサブマシンガンはバラバラになってしまった。
さらにジャッカルは振り上げた右腕をスネークに向かって降り下げる。
「ぐああっ!」
その鋭くて正確な一撃はスネークの右肩を捉えていた。
ジャッカルの爪が深々と突き刺さる。
「スネーク、貴様の肉を食わせてもらうぞ!」
ジャッカルは左腕でスネークの右肩を掴んで大きく口を開いた。
彼の口からは血まみれの牙が姿を現し、先程食っていた自衛官達の死体の腐敗臭がスネークの鼻を突く。
「させるか!」
スネークは右手でジャッカルの首を掴んでそいつの醜悪な顔を遠ざけようと、力を込めて押し戻した。
ジャッカルも負けじと噛み付こうとする。
『こいつ・・・・・なんて力だ。』
スネークは相手の首を押さえているのにもかかわらず、ジャッカルの方が押し気味だ。
スネークはほとんど動かなくなった左手を無理やり動かし、ホルスターに納まっているソーコムに手を伸ばした。
「代わりにこいつを食え!」
素早くソーコムを抜いて至近距離から銃口をジャッカルの口に押し込み容赦なく引き金を引いた。
「がっ・・・・!」
弾はジャッカルの後頭部を突き抜けて血と脳漿を地面に撒き散らす。
ジャッカルはそれ以上声を上げることなく、絶命した。
「はあっ、はあっ・・・・・くたばったか・・・・。」
かなりきわどい勝負だった。
勝ったには勝ったが、かなりの深手を負ってしまっている。
スネークはすぐさまその場で救急セットから止血剤を取り出して傷に塗った。
そして、手早く縫合セットで傷を縫い合わせて包帯を巻く。
運良く動脈は外れていたらしく、死ぬほどの出血ではなかった。
しばらくすれば体内のナノマシンが傷を治療してくれるだろう。
応急処置が終わったとき、ナノマシンのCALL音が響いた。
(周波数141.12)
オタコン「スネーク、ナオミに連絡がついたよ、今変わるね。」
脳内の映像が切り替わり、ナオミの顔が映し出された。
ナオミ「スネーク、どうしたの?」
スネーク「ナオミ、聞きたいことがある。今、FOXHOUNDの隊員達はどこにいるんだ?」
ナオミ「FOXHOUNDの?さあ、・・・知っての通り、もうFOXHOUNDは解散していて、所在を掴むのは・・・・。」
スネーク「ナオミ、実はたった今プレデタージャッカルという男と戦っていたんだ。奴は自分のことをシャドウフォックスだ、と言っていた。無関係とは思えなくてな。FOXHOUNDにプレデタージャッカルという男は居たか?」
ナオミ「プレデター・・・・ジャッカル?・・・知らないわ。確かにそう言ったの?」
スネーク「ああ。奴の動きは人間離れしていた。」
ナオミ「あなたは大丈夫なの?」
スネーク「ああ、少々傷を負わされたが平気だ。」
ナオミ「そう。シャドウフォックス・・・・確かにFOXHOUNDに似てる気も・・・・・・、まさか・・・・!」
ナオミは何か思い出したような声を上げた。
スネーク「どうした?」
ナオミ「そうだわ・・・。スネーク、少し時間をくれる?真偽を確かめたいの。」
スネーク「心当たりがあるのか?」
ナオミ「ええ。でも今の時点ではまだ私の勘が当たってるかどうかも疑わしいけど、・・・こっちの方で調べておくわ。他にも何かあったら連絡してね。周波数は140.85よ。」
スネーク「分かった。シャドウフォックスの方は頼んだぞ。」
(OUT)

2006年07月08日 (土) 19時57分

No.928 メタルギア:CODE:ZERO フェーズ10 投稿者:Metalic HOME

肩の傷の痛みは大分引いてきている。
ナノマシンが傷を細胞組織レベルで縫合しているからだろう。
しばらく動かないでいただけで出血も止まった。
「あと18分ちょっとか、急がないとな。」
スネークはソーコムの弾倉を取り替えて行動を再開した。
どうやら敵兵は全員零式の格納庫に移動したらしく、巡回している人間は一人も居ない。
スネークは一瞬、今のうちに自衛隊駐屯地の兵舎で寝静まっている人間を起こそうか、とも考えた。
そうした方が自分一人で行動するより早くカタがつく。
だが、その案はすぐに自分で却下した。
もしそうしたらスネーク自身がどうしてここに居るのか問い詰められてしまう。
『そういえば、サクラバが既にそういった行動を起こしているかもしれない。』
だが、未だに誰もこの惨劇の場に来ない所を見ると、サクラバはそうしていないのが分かる。
スネークに気を使ってくれているのかどうかは分からないが、彼自身にとっては都合がいいし、隠密行動は彼の十八番だ。
こうして、何者にも気付かれることなくスネークは演習場に着いた。
演習場の周りは山に面していて、そうでない所は金網に覆われている。
金網の上には有刺鉄線が張られていたが、シャドウフォックスの連中がやったのか、金網が大きく切り開かれている。
スネークはその穴を通り抜け、演習場の広場へ出た。
『かなり広いな。』
ここが演習場というのはマップを見ても分かるが、格納庫がどこなのか分からない。
とりあえずサクラバにSENDしてみることにした。
(CALL 周波数141・41)
スネーク「サクラバ、演習場に着いたが格納庫が見えない。どこら辺にあるんだ?」
桜庭「そういえば、零式には様々なミサイルが積めるんだ。弾道弾迎撃ミサイルSM−3に対艦ミサイル「ハープーン」や対空の中間迎撃ミサイル「シースパロー」まであって、その演習が近々行われるって言ってたな。試写の関係もあってか、格納庫は演習場の中でも沿岸部寄りで奥のほうに建てられたんだ。」
スネーク「このだだっ広い演習場のか!?」
桜庭「うん、・・・・・悪いけど急いで走って行ってね・・・・。」
(OUT)
「まずいな、急がないと・・・・。」
スネークは走り出した。
スタミナには自信があるが、時間が足りるか分からないのだ。
だが走り出して間もないのに新たな障害に出くわしてしまった。
スネークは走る足を止めた。
自分の前方に大きな人影が見つかったからだ。
「ここまで来たって事はジャッカルがやられたのか。さすがはソリッドスネークだ。」
どうして俺を知っている、と言いたいところだが時間が無い。
相手はかなり大柄でレイヴンにも負けない程の筋肉質な男だ。
「俺はハンタークロコダイル、悪いがお前は俺が倒す。」
「やってみろ。出来るもんならな・・・・。」

2006年07月17日 (月) 15時55分

No.939 メタルギア:CODE:ZERO フェーズ11 投稿者:Metalic HOME

ハンタークロコダイルは巨体の割りにはかなり素早かった。
二人の間には20メートル程の距離があったのだが、その間が一気に縮まる。
「銃は抜かせんぞ!」
クロコダイルは素早く拳を繰り出す。
スネークは抜こうとしていた銃をはじかれてしまった。
さらにクロコダイルはスネークに向かって拳を繰り出す。
だが、スネークはその拳打を受け流し、腕を掴んで素早く相手の背後に回って肘の間接を絞めた。
「力押しだけが戦いじゃないぞ。」
スネークは迷い無く間接を外そうとした。
                        バキッ!
クロコダイルは自分から肩の間接を外し、スネークが体勢を崩した所に後回し蹴りを見舞う。
「がっ!!」
その蹴りはかなり強力でスネークの体は5メートル程後方に吹き飛んだ。
クロコダイルは肩の関節を元に戻して、
「どうした、ソリッドスネークの力はそんなものか?」
と言った。
「ったく、どいつもこいつも・・・・。」
スネークは素早く立ち上がる。
『銃があればすぐにケリが付くんだが、あいつは俺に銃を拾わせるような隙をあたえてくれないだろう。』
スネークはクロコダイルに対して半身の体勢になり、両腕を肩の高さまで上げた。
「素手で来るのか。面白い・・・・行くぞ!」
クロコダイルは鋭いボディーブローを放つ。
スネークはその腕を掴み、クロコダイルの巨体を背負い投げで思い切り地面にたたきつけた。
しかし、相手はその衝撃を見事な受身で防ぎ、寝た体勢から蹴りを繰り出す。
スネークは素早くそれをかわしてクロコダイルが立ち上がりかけたところに肘打ちを繰り出し、それは相手の顔面にクリーンヒットした。
「ぐっ・・・・!」
しかしクロコダイルは怯まずに頭突きを繰り出す。
スネークはその攻撃を軽いステップで回避して相手の腹に蹴りを喰らわせる。
相手の腹筋はかなり硬かったがそれなりの手ごたえはあった。
クロコダイルは一旦体勢を立て直し、構えを取り直した。
「思ったよりやるな・・・・。」
クロコダイルの声ははどこか楽しそうだった。
スネークはその様子を見て懐かしい感じを覚えいた。
ジャッカルと戦ったときも僅かに感じていた何か・・・・・・。
こいつらと戦うのは初めてのはずなのに、以前に同じ様なものを感じたことがあった気がする。
戦っているときの空気が・・・感触が・・・思い出せそうで思い出せない。
こいつらの人間離れした動きや、やけに好戦的な雰囲気が誰かに似ている。
「どうした、何を呆けている!?」
クロコダイルはスネークに向かって強烈な拳打を放った。
スネークは自分の体が勝手に反応して動いたのを感じた。
その拳を押さえ込み、クロコダイルががスネークの腕を振り切ろうと力をこめたところでワザと押さえていた腕を放し、相手がバランスを崩した時に体を半回転させて裏拳を顔面に叩き込む。
クロコダイルは体格に似合わ無い身軽さで、後ろに体をそらしてバク転で裏拳をかわした。
スネークはハイキックを繰り出すが弾かれる。
もう一発蹴りを繰り出すが上段の蹴りと見せかけるフェイントを入れて相手が上段をガードしようとした所で相手の足を蹴り、体勢を崩した所に上段回し蹴りを放つ。
クロコダイルは屈んでその攻撃をかわして拳打を放ったが、スネークはそれを受け流して鳩尾に膝蹴りを叩き込む。
「がはっ・・・・。」
さらに膝を付いたクロコダイルの後頭部に肘打ちを打ち込み、フラついたクロコダイルの右腕を掴んで思い切り投げ飛ばす。
この連続攻撃はさすがに体に応えたのか、クロコダイルは受身が取れなかった。
『今だ!』
スネークは駆け出し、先刻落とされたソーコムを掴んだ。
クロコダイルは拾わせまいと、素早く立ち上がってスネークの方に向かっていったが、今度はスネークの方が早かった。
クロコダイルの腹部に弾丸が命中した。
相手がのけぞった所に再び二発目、三発目を打ち込む。
相手のスーツの防弾性はあまりよくないらしく、真っ赤な血がスーツからにじみ出てきた。
「・・・・・さすが・・・・ソリッドスネークだ・・・・。」
クロコダイルは仰向けに倒れ込んだ。
スネークはソーコムを構えたまま、クロコダイルに近寄る。
「お前は・・・・、いや・・お前達は何者なんだ?」
「・・・・・・・俺達は・・・・失敗作さ・・・・・・・。」
「何のだ?」
「・・・・・ゲノ・・・・・実験の・・・・過程・・・・・。」
クロコダイルの意識は朦朧としてきたようだ。
「殺せ・・・・。」
最後に彼は嘆願するように言った。
「・・・・・・。」
スネークは黙って引き金を引く。
サプレッサーで抑えられた静かな銃声がやけに大きく響いた。
巨体は軽く痙攣を起こした後動かなくなった。
何故か、スネークは少し虚しさを感じた。
『こいつの動きは・・・似ていた・・・奴に・・・しかしどうして・・・。』
その時、脳内に通信のCALL音が響いた。
相手はナオミだった。

2006年08月01日 (火) 22時06分

No.943 メタルギア:CODE:ZERO フェーズ12 投稿者:Metalic HOME

(周波数141.85)
ナオミ「スネーク、聞こえる?シャドウフォックスの正体が分かったわ。」
スネーク「本当か!?それで、そいつらはFOXHOUNDと何か関係が?」
ナオミ「ええ、実は・・・シャドウフォックスのデータはクラーク博士が残したコンピューターのデータベースから見つかったの。」
スネーク「クラーク博士・・・?確か、二年前に工場の爆発事故で死んだってシャドーモセスで聞いたが・・・。」
ナオミ「ええ、だから今から三年前の事だけど、クラーク博士が亡くなってからある噂が流れたの。実はクラーク博士はゲノム兵以外の戦士の研究を極少数の研究員達と行っていたらしいって言う噂が。」
スネーク「まさか、それが・・・?」
ナオミ「ええ・・・・それがシャドウフォックスの正体。クラーク博士は私の兄フランク・・・グレイフォックスを研究の対象にしてたのは知ってるわよね。」
ナオミは一瞬つらそうな表情になり、会話を一旦中断したが意を決したように再び口を開きだした。
ナオミ「クラーク博士は兄の戦闘力の高さに興味を持って独自にチームを組んで研究をしていたの。ゲノム兵がビッグボスのDNAを使って造られたようにシャドウフォックスは兄のDNAを使って作られた。その結果、ゲノム兵に勝るとも劣らない兵士が生まれたらしいんだけど、シャドウフォックスは一人一人が好戦的で精神が不安定だったの。」
スネーク「なるほど・・・・フォックスに似ているな。」
スネークはシャドーモセス島でのフォックスとの戦いを思い出していた。
あの時のフォックスは確かに強かった。
その上、研究で使われていた薬物の影響なのか狂気に近い闘争本能を備えていて、最初に会った時と戦いの途中で発狂してスネークと相対していた場から去っていったのはよく覚えている。
ジャッカルやクロコダイルと相対していた時に感じていた懐かしさのような物は二人にフォックスの面影を見ていたからだったのだ。
スネーク「それでシャドウフォックス(フォックスの影)か。その後シャドウフォックスはどうなったんだ?」
ナオミ「そこから先の記録は残ってないわ。多分記録を残す前にクラーク博士が亡くなっているからだと思うけど、これ以上検索しても何も出てこないの。」
スネーク「そうか。済まなかったなナオミ。」
ナオミ「そっちは大丈夫なの?」
スネーク「ああ、ついさっき、ハンタークロコダイルとか言う奴を倒したところだ。」
ナオミ「そうだったわ、知らせ忘れてたけどあなたが相手をしたプレデタージャッカルとハンタークロコダイルはシャドウフォックスの中でも格段に戦闘力が高くて何度も人体強化手術をされていたらしいわ。」
スネーク「どんな手術か聞きたくもないな。」
ナオミ「それと、そいつら以外にもう一人・・・・エージェントコブラという男がいるらしいの。」
スネーク「コブラ・・・?」
ナオミ「コブラはシャドウフォックスの中での最高傑作と言われていて、コードネームからも分かるように工作員(エージェント)としても能力が高く、FOXHOUNDの次期戦闘指揮官の候補に挙げようという案まであって、コードネームが蛇の名前になったのよ。」
スネーク「そういえば、ビッグボスも一時期ネイキッドスネークと呼ばれていたらしいからな。・・・で、その指揮官候補者が何でここに居るんだ?」
ナオミ「さあ?そこまでは分からないわ。さっき言ったけど記録が残ってないのよ。」
スネーク「そうか・・・・。とりあえず、今は奴等を止めるしかないか。」
ナオミ「そうね、気をつけて。残ったコブラは手強いと思うわ。」
スネーク「ああ、分かった。」
(OUT)
スネークは再び走り出した。
早く格納庫を探さなければ零式が起動させられてしまう。
それもとても凶暴な奴等に・・・。
精神が不安定な時のフォックスに似ているのなら、暴れるのが目的というのも頷ける。
それほどシャドーモセスでのフォックスは好戦的だった。
10分ほど探し続けてやっとスネークはそれらしき格納庫を見つけた。
爆発物はどこで調達しようか、と一瞬考えたが時間が迫っていることもあって『格納庫に弾薬庫か何かあるだろう』、と自分の推測に賭けることにした。
それに途中で巡回している敵兵などが見当たらなかったことから、残りのシャドウフォックス全員が格納庫で待ち構えているかもしれない。
スネークは桜庭から渡されたIDカードを入り口のセキュリティシステムのカード挿入口に入れた。
『ID確認完了。ロックを解除します。』
女性の声が機械から聞こえ、横開きの扉がゆっくりと開いた。
しばらく無人の格納庫の通路を通った後、大き目の両開き扉に突き当たりスネークはゆっくりとその扉を押す。
「待ってたぞ。」
その声の主はスネークのすぐ目の前に居た。

2006年08月08日 (火) 22時37分

No.944 メタルギア:CODE:ZERO フェーズ13 投稿者:Metalic HOME

目の前に居た短髪黒髪の男は黒いスニーキングスーツを着ていて腰に日本刀を差していた。
その黒ずくめの姿は忍者に見えないことも無い。
陰惨で切れの鋭い目は蛇を思わせる。
「お前がコブラか・・・・。」
スネークの言葉に相手は大して驚きもせず、
「よく分かったな。」
と答えた。
「いつからシャドウフォックスの正体に気が付いた?」
「ついさっきだ。元FOXHOUNDのメディカルスタッフから聞いた。」
「ほう・・・・おかしいな。俺達の存在は闇に葬り去られていたはずだが?」
コブラの声は自嘲気味だったがどこか嬉しそうでもあった。
「今更聞いても無駄とは思うが、どうしてこんな事をする?こんな事に何の意味がある?」
「スネーク・・・・、お前も俺達と同じくアメリカ政府の手によって抹殺されかけたなら少しは俺達の考えが分かると思うんだが・・・・。」
「何?政府がお前達を?」
「そうだ・・・・。」
そう言った時のコブラの顔からは世の中を憎んでも憎み足りない程の憎悪が感じられた。
「他の奴はともかく、お前は戦闘指揮官候補だったと聞くが・・・・。」
「ハッ!そんな記録は過去の遺物だ!俺達の存在が否定されるまでのな!」
「・・・・・?」
「俺達のオリジナル・・・グレイフォックスは確かに優れた戦士だった。だが問題は俺達の遺伝子レベルで起こっていたんだ。」
「左右非対称の理論とかいう奴か?絶滅種には左右対称の兆候があるとリキッドが言っていた。」
「・・・・それだけじゃない。俺達とお前にもまだ共通の問題が残っているんだ。」
「何・・・?」
「問題はオリジナルの遺伝子にあるんだよ。ビッグボスがお前達3人兄弟を作った時、既にビッグボスは50代後半だった。オリジナルの細胞の年齢はクローンに引き継がれる。
お前の細胞は実年齢よりはるかに年老いているんだよ。お前の細胞の寿命が約80歳で尽きるんだとしたらあと数年も生きていられない。それがお前の宿命だ。」
そう言われてもスネークは驚かなかった。
以前、ナオミから似たような話は聞かされていたし、死ぬことに対しての恐怖は兵士だった時から乗り越えているし、いちいち驚いても意味が無いからだ。
しかし、一瞬引っかかった所がある。
「ちょっと待て、さっき3人と言わなかったか!?」
「・・・?何も知らないのか?おめでたい奴だ。」
「ビッグボスのクローンは俺とリキッドだけじゃないのか!?」
そう言うスネークを見てもコブラは黙って答えなかった。
「お前達が俺がここに来るのを知っていた事と関係が!?」
「そんな話はもういい、俺達にはほとんど時間が残されていない。俺達はお前以上に寿命が短いんだ。」
「何だと?オリジナルの人物の年齢からしたらお前らの方が若いはずだ。」
「分からないか?グレイフォックスは研究対象にされる前にお前に一度殺されているんだぞ。」
「・・・・!」
「薬物と強化骨格だけで生きながらえているほとんど死にかけの細胞だ。さらに蘇生に使われた薬物の影響もあって精神が不安定になり、いつ発狂して死ぬか分からない。先に出来た『恐るべき子供達』よりもさらに短命でいつ暴走するか分からないということが後から判明し、科学者達は俺達を作っておきながらその存在を消そうとしたんだ!」
コブラは興奮しかけた自分を落ち着かせてから再び話し出した。
「だが、俺達は大人しく消されるようなことはしなかった。抹殺に来た奴等を返り討ちにしてあの忌々しいクラークも殺してやった・・・・。」
「何だと!?クラーク博士は工場の爆発事故で死んだんじゃ・・・・。」
「それは後から作られたカバーストーリーだ。俺達の存在は『恐るべき子供達』計画以上に口外してはいけない物だった・・・・。その後も抹殺の手はあったが、俺達の存在が知られるのを恐れ、いずれ何もしなくても死ぬと判断されてそれも無くなった。俺達は自分が存在していることさえ世界から否定され、さらに存在しようにも時間が無いと来た。それでここに来たんだ。」
「暴れるためにか・・・。」
「それもそうだ。だが俺は敢えてこの小さな島国を選んだ。メタルギアの亜種は世界に散らばっているのに、どうしてだと思う?」
「・・・・・・?」
「この国では他の国以上に政界などの汚職が暴露されている。数が多いからというわけじゃない。情報操作しきれないほどメディアの力が強いからだ。俺達が暴れた後には俺達の存在も暴かれてその情報は人間の脳に記憶され、そこからまた人間の口や情報社会によって周りに情報が流れていき、俺達は初めて世界に広く存在を知られることになる。さらにその情報が永く残されるためには『伝説の英雄ソリッドスネークの死』は必須なんだよ。」
「そういうことか・・・・お前達は周りから存在を認められたくて・・・・。残念だなお前達の目論見はここで終わる。いや、俺が終わらせる。」
「どうかな?」
コブラがそう言った瞬間、スネークは背後から殺気を感じた。
素早く振り向き、シャドウフォックスの敵兵が繰り出したナイフ攻撃をかわし、ナイフを掴んでいる相手の腕を押し返す。
敵のナイフは敵兵自身の喉を切り裂き、敵兵はうめき声を上げながら地面に崩れ落ちた。
「やるな。その調子で何人相手できる?」
コブラの声と同時に格納庫のあらゆる方向から発せられた無数のレーザーサイトがスネークを捕らえた。

2006年08月12日 (土) 15時38分

No.948 メタルギア:CODE:ZERO フェーズ14 投稿者:Metalic HOME

たちまち格納庫の中は戦場と化した。
サプレッサーで抑えられているMP5サブマシンガンの銃声がやけに大きく響き、無数の弾丸が格納庫の壁で跳弾する。
『とりあえず動き続ければ当たる確率は下がる。』
スネークは自分の足元の床に穴を穿つ弾丸をどうにか回避し続けていた。
前方の柱の影から出てきた敵兵にソーコムで反撃する。
敵が倒れるのを確認する間も無く、スネークは銃口を四方八方に向けてこちらを狙う敵を打ち倒していった。
『弾薬が足りない!』
スネークは柱の影に隠れて最後のソーコムの弾倉を装填した。
ついでに、一つだけ持ってきていたスタングレネードを取り出し、ピンを外して2秒待ってから威嚇射撃を続けながら近付いてくる敵兵達に投げつける。
いきなり強烈な閃光を浴びた敵兵達は目を押さえて滅茶苦茶にサブマシンガンを乱射し始めた。
スネークは行動不能になっている敵兵に容赦なく銃弾をお見舞いし、一人の敵兵のサブマシンガンを奪って再び打ち続ける。
スタングレネードはほぼ全員の視力を奪っていた様でスネークを狙って打ち込まれる弾丸は皆あさっての方向に飛んでいった。
スネークは弾が切れたサブマシンガンを捨ててソーコムに持ち替え正確に狙いを定め、敵兵を一発で仕留めていく。
敵兵の数はみるみる減っていき、遂にスネーク一人で十五人以上居る敵を片付けてしまった。
『コブラが居なくなっている!?』
それに気が付くと同時に零式の作業台を上っているコブラが目に付いた。
さらに運の悪いことに、
『零式起動準備完了。作業員は速やかに退出して下さい。』
と、一番聞きたくないアナウンスが響いた。
『今あいつを撃つしかない!』
スネークはためらうことなくソーコムをコブラに向けて引き金を引いた。
カチッ・・・・・カチッ・・・・・
弾切れを知らせる機械音が空しく響く。
それと同時にコブラは零式のコックピットに乗り込んでいた。
「くそっ!」
シャドーモセスの時の二の舞だ。
しかも今は強力な火器が無い。
『スネーク!お前の伝説もここまでだ!三度目は無い!』
スピーカーから出るコブラの声は信じられないくらい大きく響いた。
『まずい・・・・・このままじゃやられるな。』
そう思ったのも束の間、零式は大きく足を踏み出して動き出した。

2006年08月15日 (火) 14時18分

No.950 メタルギア:CODE:ZERO フェーズ15 投稿者:Metalic HOME

格納庫の後部の壁が扉の様に左右に開いた。
零式は作業台を倒してスネークの方に向かうような事はせず、格納庫から出て行こうとしている。
『市街地に行こうとしているのか?』
シャドウフォックスはもともと街を破壊しつくすのが目的だったし、今スネークには零式を止める手段が無い。
(CALL 周波数140.41)
スネーク「まずいぞ、零式がとうとう動き出してしまった。」
桜庭「本当に!?まずいな・・・・・そうだ、アレを使えるかもしれない!」
スネーク「何だって!?何のことを言っているんだ?」
桜庭「もしもの時のために零式のコンピューターには零式を緊急停止させるプログラムがある。それを作動させるんだ。」
スネーク「おい、ちょっと待て!そんな物があるんなら何で最初から使わなかった!?」
桜庭「それは零式が作動してからじゃないと使えないんだ。それにまだテスト段階の物だしうまく停止させられるかどうか・・・・、とにかくこれを零式に使用するには準備に時間がかかるんだ。スネーク、それまで零式が街を破壊しに行かないように時間稼ぎをしてくれ!」
スネーク「だが止めようにも相手に出来そうな武器が無い、スティンガー並の武器があればいいんだが。」
桜庭「それならその格納庫にあるよ、零式が立ってたところの壁側に重火器用の倉庫があるはず。」
スネーク「そういえば見かけた気も・・・、乱戦の真っ只中だったからな。分かった、どうにかして零式を止めておく。早く停止プログラムとやらを作動させてくれ。」
(OUT)
停止用のプログラムが存在していたとは知らなかったが、スネークにとってはうれしい誤算だった。
重火器用倉庫を見つけたスネークはすぐにスティンガーを見つけて零式の後を追うように格納庫から出た。
しかし演習場に出たものの、零式は既に姿を消していた。
さっき動き出したばっかりの零式がこの短時間でこの広い演習場を抜けて市街地に出るなんて不可能だ。
それに零式の作動音であろう機械の音が確かに聞こえる。
辺りは闇に包まれていてほとんど光が無いとはいえ、あの巨体がまったく見えないなんて事は・・・。
「そうか!」
スネークが気付くと同時にどこからか機関銃が咆哮を上げ無数の弾丸がスネークのすぐ近くに撃ち込まれる。
スネークが素早く飛びずさってその攻撃を回避すると、
『そうだ、そうこなくてはな!』
とスピーカー越しのコブラの声が闇夜に響いた。
『そうだった、零式は光学迷彩を装備してるんだったな。』
スネークは今更ながら桜庭の説明を思い出していた。
零式の光学迷彩はまだぼやける程度のものだと言っても、この暗闇の中では目に映らないも同然だった。
スネークはスティンガーを構え、スティンガーのレーダーで零式を捕捉出来ないか試してみたが零式は最新のECM(電子妨害装置)まで装備しているらしく、捕捉も出来なかった。
『どうしたスネーク!?どこを狙ってる!?』
その声と同時に零式の膝に付いている多連装ロケットランチャーから数発のロケット弾が発射された。
発射音と声が聞こえた方向から攻撃を察知したスネークは素早くその場から移動してローリングで爆発を回避しようとしたが、爆風で大きく吹き飛ばされる。
体を突くような熱と衝撃に耐え、スネークは地面に転がりざまに攻撃が来た方向に向かってスティンガーを放った。
レーダーを使わないで撃ったAAM(地対空ミサイル)は白い煙の尾を作りまっすぐに飛んでいった。
当てずっぽうに近かったのだがヘリの装甲さえ貫くスティンガーの弾頭は零式の腹部を捕らえていた。
しかし・・・・・・、
『やるなスネーク。だがそんな程度では零式は止まらんぞ!』
コブラの声から分かる様に、戦車以上に厚い零式の装甲にはスティンガーでも歯が立たない。
『やはり、レドームを狙うしか・・・・。』
しかし、そのレドームが見えないし狙えないのだからどうしようもない。
スネークがスティンガーを命中させた所はそこの箇所だけ光学迷彩が壊れたのか、へこんだ装甲が不自然に浮いているように見える。
『とりあえず零式がどこに居るかは分かるようになった。スティンガーを命中させ続ければ零式が完全に見えるようになるかもしれない。』
スネークが最後の希望にかけようとしたとき、
『つまらないな、もう少し本気になってもらおうか。』
零式が方向転換し、スネークはその意味を瞬時に悟った。
「まさか・・・・!」
『そのまさかだ。寝ているやつらを対空ミサイルSM−2ERで起こしてやろう。』
コブラは市街地に向けてミサイルを発射するつもりなのだ。
SM−2ERはスタンダードミサイルの発展型でその射程は100キロ以上。
対空ミサイルとはいえ、無防備な市街地に打ち込まれれば甚大な被害を被るのは目に見えている。
「やめろ!」
『俺がやめると思うか?自分の無力を噛み締めるがいいさ。』
嘲笑したような声が響くと同時に、大型のランチャーにミサイルが装填される機械音も響いた。
それを止めるため少しでも零式に致命傷を与えられることを願って、スネークはスティンガーを構える。
その時、零式の光学迷彩が解除され、その巨体がいきなり痙攣を起こしたように震えだした。
『何だ!?』
コブラは困惑しているようだが、スネークはそれが桜庭の緊急停止プログラムによる物だと分かった。
スネークは素早く零式の正面に移動して、顔のレドームに向けてスティンガーを発射した。

2006年08月19日 (土) 00時57分

No.951 そろそろ・・・・ 投稿者:Metalic HOME

次号最終回!

2006年08月19日 (土) 00時58分

No.952 メタルギア:CODE:ZERO フェーズ16 投稿者:Metalic HOME

零式のレドームは粉々に砕け散った。
レドームの近くの頭部コックピットもただでは済まない。
「さすがにコブラも・・・・・。」
そうつぶやいた瞬間零式の頭部に細い閃光が走り、コックピットのハッチが真っ二つになり中から炎に包まれた黒い塊が飛び出してきた。
「チッ、役立たずのポンコツが・・・・。」
零式の中から飛び出してきたコブラは見たところ相当のダメージを受けている。
顔の右半分が焼け、スニーキングスーツにも無数の裂け目が出来ているがそれでもコブラからは力がみなぎって来ているのがスネークには分かった。
「最初からこうすればよかったんだ。やはり戦いは自分の肉体を使わなければな。」
コブラは高周波ブレードを構える。
その姿は一瞬グレイフォックスと重なった。
『フォックス・・・・お前は遺伝子だけになっても戦いを求め続けるのか・・・・。』
さすがのスネークも度重なる連戦で疲労を感じてきている。
『今持っている武器はサバイバルナイフと弾切れの銃にスティンガーか。こっちがスティンガーを構える時の隙をコブラは見逃さないだろうし、ナイフで挑もうなんて無茶苦茶もいい所だ。』
二人の間に緊張が走った。
お互いに相手の隙をうかがって動かないで居る。
『待てよ・・・・あいつがフォックスと同じくらい好戦的なら・・・・。』
スネークはスティンガーを地面に置き、CQCの構えを取った。
一瞬コブラはスネークの取った行動に呆気に取られたが、すぐにその行動の意味を理解し、口元にうっすらと笑みを浮かべる。
「素手でやろうってのか・・・。面白い。」
コブラは高周波ブレードを鞘に収め、刀を地面に置いた。
スネークは自分の賭けが成功したことに安堵する。
グレイフォックスはシャドーモセスでスネークと相対した時、スネークの銃器での攻撃はことごとく弾かれて火器は通用しないと感じたスネークが素手で立ち向かおうとしたところ、フォックスも刀をしまって素手で殴りかかってきた。
フォックスは武器を使った戦いよりも自分の肉体を使った肉弾戦(言うなれば殴り合い)が好きなのだ。
その遺伝子から生まれたコブラも例外ではなかった。
だが、これでスネークの勝ちが決まった訳ではない。
この殴り合いを制しなければいけないのだ。
「行くぞスネーク!」
コブラはダメージを受けているとは思えない速さで突進してきた。
コブラの放ったボディブローをスネークはどうにかガードするが、その拳はプロボクサー以上のものではないかと思える程重く、スネークのガードを弾き飛ばした。
「喰らえ!」
コブラはその隙を突いて信じられない速さの連打を見舞った。
スネークはなすすべも無く全ての拳を一身に受けて吹き飛ぶ。
「どうした!?そんなものか!?」
コブラは声を張り上げ、立ち上がりかけているスネークに拳打を繰り出した。
だがスネークはその拳打を片手で受け止める。
「何っ・・・・!?」
「こんなものか!?フォックスはもっと強かったぞ!!」
スネークは拳での渾身の一撃を相手の顔面にクリーンヒットさせた。
「がはあっ!!」
コブラもこの一撃はかなり効いたらしく、吹き飛ばされて地面に倒れてから立ち上がるのに少し時間がかかった。
「くくく・・・楽しいなスネーク、こんなに楽しいのは初めてだ。」
「・・・・・・・・。」
「本当はシャドウフォックスの存在が認められようが認められまいが・・・・どうでもよかったのかもしれん。全てはお前と戦いたかったから・・・・俺達の中のグレイフォックスの遺伝子がお前と戦いたがっていたのかもな。だから俺達はここに来た。遺伝子がそうさせたんだ。」
「有り得るかもな。あいつは心から俺との戦いを望んで、・・・俺に殺されることを願っていた。」
「すべてはお前に殺されるためか・・・・それもいい。あいつら、・・・・ジャッカルもクロコダイルも他の連中もお前に殺されて悔いは無かったろうな。」
「・・・・・・・・・。」
「だが俺はそう簡単にくたばらん・・・・まだこれからだ!」
スネークとコブラは再び構えを取った。
コブラに異変が起こったのはその直後だった。
「・・・う・・・うああああああああああああああああ!!!」
「何っ!?何が起きたんだ!?」
「あああああ頭がががががああああ割れるうううううう!!!」
スネークはフォックスが薬が切れて発狂したフォックスを思い出した。
『まさか・・・・こいつも・・・?』
そう考えたのも束の間、コブラは頭を抱えて地面にうずくまった。
「くっそおおおおおお!!!こんな・・・・こんな時にいいいいいぃぃぃ・・・・。」
コブラは急に力を失って地面に倒れ込んだ。
シャドーモセスの時のフォックスは立ち上がったが、コブラが立ち上がることは無かった。
これからも・・・・・永久に・・・・・立ち上がらない。
(CALL 周波数141.12)
オタコン「スネーク、決着は付いたの!?」
スネーク「ああ、メタルギアも破壊した。」
オタコン「やったね!」
スネーク「ああ・・・。」
メイ・リン「どうしたの、スネーク?」
スネーク「メイ・リン・・・ナオミに中継してくれないか?」
メイ・リン「え?・・・・分かったわ。」
ナオミ「スネーク、私よ。」
スネーク「ナオミ、シャドウフォックスのデータ・・・・記録でも何でもいい。クラーク博士のコンピューターの中身をネット上に公開できないか?」
ナオミ「何言い出すの!?これは機密情報で・・・。」
スネーク「俺名義で公開してくれればいい。もともと指名手配中なんだ。罪が重くなろうと構わない。」
ナオミ「でも、何で・・・・。」
スネーク「奴等は・・・・フォックス、いや、フランクと同じく死に場所を探していたんだ。それで同情したって訳じゃない。だが、フランクがまた俺と戦いに来たんだと思うと・・・・。あいつがもうこの世で苦しまないように、花を添えてやりたいんだ。シャドウフォックスの本来の目的を俺が達成することで。」
ナオミ「・・・・分かったわ。」
スネーク「ありがとう、ナオミ。」
ナオミ「いいの、兄を苦しめたくないのは私も一緒だから・・・。」
(OUT)
(CALL 周波数140・41)
スネーク「サクラバ、助かったぞ。お前のおかげで零式は破壊できた。」
桜庭「良かったぁ・・・。プログラムが作動してくれて・・・。」
スネーク「サクラバ・・・お前はこれからどうするつもりだ?」
桜庭「自分の責任は自分で取るさ。心配ないよ。」
スネーク「そうか・・・・・もう会うことも無いな。」
桜庭「そんな寂しいこと言わないでよ。伝説の英雄と友達になれると思ったのに。」
スネーク「おいおい・・・・。」
桜庭「いつかまた・・・日本に遊びにでも来てね。」
スネーク「ああ、いつか・・・・な。」
(OUT)
体内通信を終えたスネークは暗闇の中に消えていった。

2006年08月20日 (日) 00時57分

No.953 エピローグ 投稿者:Metalic HOME

(CALL)
「はい、私です。計画はは失敗に終わりました。あいつらが暴れるのに最適な国、日本でメタルギアが開発されるのを待ち、時を同じくしてそのメタルギアを破壊しに来るソリッドスネークが来る時にあなたが保護し、手なずけたシャドウフォックスを送り込んでスネークを殺させる。暴れる事と名を轟かせる事を目的としたあいつらは当然スネークに目をつける。あいつらの心理を利用したいい作戦だと思ったんですが・・・・。すいません、私の立てた計画が不完全だったために貴重な戦力を失うことに・・・・。はい、あいつらは全滅しました。さすがはあなたの兄弟と言ったところです。シャドウフォックスの事は「愛国者達」がしきりに存在を隠そうとしています。スネークがネット上にそいつらの情報を公開しました。これでスネークはさらに「愛国者達」から煙たがられるでしょう。・・・・はい、分かっています。蛇を殺せるのは同じ蛇、「愛国者達」ではない。しかしそれはリキッドでもコブラでもなく、この世でスネークを殺せるのはソリダススネーク・・・あなたしか居ないでしょう。・・・・いずれ戦う時は来ると、そうお思いなのですか?はい、分かりました。引き続きスネークを監視しておきます。それではごきげんよう。元・大統領・・・・。」
(OUT)

しばらく経って再び向こうから通信回線が開かれないことを確認し、オセロットは別の通信回線を開く。

(CALL)
「はい、私です。「CODE:ZERO」は失敗に終わりました。やはりシャドウフォックスは失敗作でした。ネット上の奴等の情報は「G・W」が完成し次第抹消されるでしょう。・・・・はい、メタルギアのデータを欲しがっていた日本の自衛隊の研究主任に我々の設計した新型メタルギアの設計図を手渡し、完成間近にスネークに情報を流して奴を日本に向かわせ、同時にソリダススネークの手なずけたシャドウフォックスを向かわせ、スネークを抹消する。それと同時にソリダスの戦力も削ぐ事が出来る一石二鳥の作戦と思っていたのですが・・・。シャドーモセス事件から取っているスネークの行動からも分かるように、既存の「REX」のデーターでは奴は倒せません。新型を自衛隊で作らせ、それをシャドウフォックスに使わせるようにすればスネークを確実に殺せると思ったんですが・・・・。あの日本人どもが緊急停止プログラムなんて小細工をしていなければ・・・・。もう次の手は打ってあると?さすがです。やはり世界を取ることが出来るのはあなた方「愛国者達」しか居ない。では、ごきげんよう。」
(OUT)

2006年08月21日 (月) 00時00分

No.954 あとがき? 投稿者:Metalic HOME

今までどうもありがとうございました。
出来たら感想をお願いします。

2006年08月21日 (月) 00時03分

No.955 細かいようですが・・・・・。 投稿者:Metalic HOME

フェーズ16で、
・・・・フォックスが薬が切れて発狂したフォックスを思い出した。
なんて文章がありましたが、
・・・・フォックスが薬が切れて発狂したのを思い出した。
です。

2006年08月21日 (月) 00時12分

No.1026 タグち> 投稿者:ペースケ HOME

ここ〜

2006年12月20日 (水) 14時40分



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