プロローグ
「うわっ!」
一人……
「ぐわぁ!」
また一人……
「やめてくれっ! 頼む……」
足からは間欠泉のように銃弾の痕が残され、立ち上がることも出来ず命乞いをする。
しかし……。
「ぐあ……」
また一人……!
いったい、どれほどの犠牲を出しこの戦いは終焉を迎えるのだろうか。
明日か、明後日(あさって)か、来週か、来年か、それとももう……終わらないのか?
考えたって仕方が無い。なぜかって?
「こんな平凡な毎日が、嫌で仕方が無かった。」なんてフレーズで始まる、小説や漫画があるが、
俺は毎日が戦いだ。いや、ずっと戦いなんだ。
毎日、なんて言葉、俺には会わない。
戦いすぎて、日の境目も、時間も分からなくなっちまったからよ。
だから良いんだ。時間のことなんて。気づけば過ぎ去っている。だからっ! 気づけば戦争が終わっているかもしれない。その日を俺は待つ。それまで俺は絶対に生き延びる!
そう……決意した。
その決意が打ち破られる日が、まさか来ようとも知らずに──。