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[843] | 2016/5事例検討会報告まとめ | 宮本 05/13(金) 12:39 |
5月事例まとめ報告 主訴は、「友達作り支援と、家庭でのマイナス思考への対応」で、グループで話し合いました。 今回、WISC4とKABC2の両方を照らし合わせてみると、WISCは1年前ので、検査者もちがうのですが、綺麗に重なるところが多かったです。 こういうアセスメントの解釈はとてもスッキリします。 アセスメントからわかることは、 @非常に強い継次処理優位。 苦手な事に取り組むときには、自助資源になる継次処理能力。 とくに、聴覚処理の短期記憶は抜群の強さ。 情報を順序良く伝えるとわかりやすく、結論を先に言わず、情報を順序良く出して結論は考えさせるという提示が、意欲持続にも効果的だと言えます。 それにしても、他の尺度よりも尋常でない高さです。 このような場合、良いことばかりではありません。 文脈に関係なく、本人にとって印象的な言葉が強くインプットされやすく、不適切な対応をして失敗経験を積み上げてしまうこともあるからです。 なので、周囲の対応で注意することは、 具体的なアドバイスを心がけることが大切になります。 例えば、「誰かに理不尽にからかわれたら、言い返せば良い」とアドバイスするとします。 聴覚処理がとても高く、聴覚記銘力が高い。しかし、語彙や知識が高いわりに、理解が低いので、実際に言葉でのやり取りでうまく運用できにくい。そのため、「言い返す」という言葉だけが強くインプットされやすく、 相手構わず、「黙れ‼」「うるさい‼」など語気も荒く暴言となりやすく、新たなトラブルに発展しかねないデス。 せっかく勇気を出して言い返しても、もっとからかいや攻撃の対象になってしまいかねないということです。 なので、想定される状況に応じた言い返し方のモデルを教えておく方が良いということになります。 例えば、人にぶつかった時は、とりあえ「ごめんなさい」と謝る、という具合に。 A同時処理は、平均域で下位検査間の差が大きすぎますので、同時処理が使いにくいと考えられます。 しかし、内容を吟味すると、同時処理能力は実際はもっと高い事がわかります。強い継次処理能力に引きづられやすいので、必要のない場面でも継次処理を使ってもんさいかいけつしようとするので、処理に時間がかかり、実際の力を結果に残しにくいと判断されます。 さらに、同時処理がうまく働かせにくい要因に、WISCの処理速度が有意で稀な低さにも現れています。 見る力の弱さが窺え、ビジョントレーニングの必要が考えられます。特に眼球を寄せるのが弱いと思われます ただし、年齢的に通常の眼球運動のトレーニングに乗ってくるとは考えられないので、ご褒美制度を取り入れ、トレーニングもゲーム感覚に近いもので、自分でできるものにする事が提案されました。例えば、線つなぎやウォーリーを探せなど、目を使う課題を取り入れる。 アセスメントはここまで。 ここからは、主訴の「友達作り支援」 先生が友達、で始めよう 友達が同学年とは限らない。 先生との関係を深める。 「家庭でのマイナス思考への対応」には、 傾聴、共感で、まずは気持ちを受け止める。 その上で、必要と思われるアドバイスはする。 状況に言葉を結びつける感情のラベリングもする。 どんなに幼いところがあっても、兄として認めていくこと。 弟たちが兄を見下す態度をそのままにしていてはいけない。 例えば、スモールステップでお手伝いをさせる。 ちゃんと兄ができていることを弟に伝える。 他、学校では。 どんな時にクラスにいるのがしんどくなるのか観察する。 継次処理優位の支援が効果的だが、他の子に同時処理優位の子もいる。 合理的配慮をすることは今年の4月1日から、障害者差別法案で義務化されているが、負担を過重に強いないことが大事。 学校との合意形成が必要。 合理的配慮が特別扱いにならないように支援すること。 基礎的環境整備を必要とする。 つまり、継次、同時、色々取り入れ、合理的配慮が、ユニバーサルデザインラーニングになることが重要。 以上です。 事例の子の詳細については、この場ではかけませんが、きっと誰かの指導に役立つと思い、記しておきました。 このまとめは、グループ討論や伊丹昌一先生のコメントを織り込みまとめてみました。 この日は、用意したレジメが全てなくなり、お部屋がいっぱいの参加者の方にきていただき、盛り上がりました。 フェイスブックを見て参加してくださった方もおられ、本当にありがたいと思います。 次回は、7月21日です。いつもと違う日程です。 事例応募受付中です 教育関係者、保護者、どなたでも応募いただけます。 安原Dr.や伊丹先生のコメントは、何度もお伝えしていますが、秀逸です。 |
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