[ No.226 ]
脳血管内治療の最新の知見@薬剤師地区研修会
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2012年09月09日 (日) 07時45分 |
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9月8日(土)薬剤師会地区研修会に参加してきました。 森山記念病院脳血管内治療科部長、朝来野佳三先生のご講演がありました。 いつものようにポイントを箇条書きにします。
① 脳卒中(cerebral apoplexy)とは、おもに以下のことをさす 脳出血 Cerebral hemorrhage 血管が破れる(出血系) くも膜下出血 Subarachnoid hemorrhage:SAH 血管が破れる(出血系) 脳梗塞 cerebral infarction 血管が詰まる(虚血系)
② 脳動脈瘤(cerebral aneurysm)の治療 おもに、クリッピングとコイル。 それぞれの特徴はあるが、コイルが多くなってきている。 術中に発生する‘ゴミ’が術場の先に飛んで行って更なる梗塞を起こさないようにするための処置が施された術式が開発され行われている。
③ 頸部内頸動脈狭窄症 前兆は 一過性脳虚血発作TIA 可逆性虚血性神経障害 RIND (リンドと呼ぶ)
脳の血液循環が悪くなって脳卒中の発作が起こり、 これが24時間以上続いて3週間くらいで症状がなくなる場合を可逆性虚血性神経障害(RIND)という。 24時間以内に収まるものを一過性脳虚血発作(TIA)という。 治療は CEA 血管内膜剥離術 CAS ステント術 (キャスと呼ぶ) 薬物療法 血圧の管理、スタチンでLDLを100以下、バイアスピリン、プレタール、プラビックスの内服 体重の管理、血糖値の管理をきちんと行えば、外科的治療にも匹敵する効果も。 バイアスピリンとプレタール バイアスピリンとプラビックス プレタールとプラビックス バイアスピリンとプレタールとプラビックス 上記抗血小板剤の併用はいずれも‘あり’。 周術期(術前)には3剤併用が多くなってきている。 術中のリスクを考えると、出血より虚血の方が怖いため。 手術後、2~3か月で3剤から2剤に。 その選択は特にどの組み合わせがよいということはない。 費用負担などを考えるとバイアスピリンを残すことが多い。 1剤にすることは基本的にはない。 プラビックスは、代謝的に日本人には向かないという説もあるので、 どちらかというとバイアスピリンとプレタールの併用が多くなっている。
④ 抗血小板剤の効果判定は、検査値で評価することもできるが(大病院でも時間がかかったりする)、実際には判定が難しい。それゆえ、臨床治験を行っていないジェネリックの使用は効果がなかった時のデメリットが非常に大きいため、演者は後発品変更の許可をせずに先発品で処方している。
⑤ 脳底動脈狭窄症の治療 頭蓋内ステント留置術はまだまだリスクも高いので怖いオペ。
森山記念病院の患者さんはセイワ薬局西葛西店にも多くの患者さんに来ていただいています。地域の勉強会で医師の処方意図、ホンネを伺えるのは本当に勉強になります。明日からさっそく‘使える’研修会でした。ありがとうございました。 |
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