宇宙の法則かたみた「常若」という仕組み (10397) |
- 日時:2012年06月19日 (火) 07時49分
名前:伝統
*村上和雄・著「幸せの遺伝子」(P79~82)より
宇宙には確固とした法則があります。
その法則のひとつに「エントロピー増大の法則」があります。 放っておくと、秩序あるものは、必ずバラバラになって、壊れていくのです。
また、宇宙にはバランスを保とうとする働きもあります。
生物には、生物の法則というものもあります。
生き物は、必ずコピーをつくって子孫を残します。 体のなかでも細胞がものすごい勢いでコピーをつくっている。 ところが、その一方で、細胞は想像を絶するスピードで、自分を壊しているのです。
私たちの体内の細胞は、日替わりどころか、分、秒単位で見事に死んで、 見事に生まれ変わっている。 しかも、その死はきちんとプログラムされていて、でたらめに壊すわけではありません。
生き物も宇宙を貫徹する「エントロピー増大の法則」、つまり、でたらめを好むという法則 には従わざるをえません。放っておいたら、バラバラになっていく。 それを先回りして、自分を積極的に壊してリサイクルしているのです。
これはもう、すごいというしかない。
この生物の法則を実行しているのが、伊勢の神宮の「式年遷宮」です。
神宮では20年ごとに社殿を新築して、御神体を移す式年遷宮が、飛鳥時代から千三百年 にわたって続けられています。
20年ごとに社殿を新築するとともに、古くなった社殿を取り壊すのは、もったいないと 思われるかもしれませんが、社殿に使われている資材はすべてほかの材料として再利用され ますし、新しく建て替えることによって建築の技術が次の世代に継承されていきます。
20年という建て替えの間隔も実に絶妙です。前の式年遷宮のときに下働きをしていた 宮大工が、次の式年遷宮の時期には腕の立つ親方になっているころです。
昔の人の平均寿命が40年から50年だったことを考えると、20年というのは、 技術を伝承していくためのギリギリの年限だったのでしょう。
なんと素晴らしい知恵ではありませんか。 これは「エントロピーの増大の法則」など、知られていない時代に決められたことです。
日本人はやはり、そういう宇宙、あるいは天の法則を直感的につかむ民族なのだと思います。
それに対して、西洋のキャッスル(城)はみずから壊すようなことはしない。 しかし、一千年、二千年と保たれた城はない。 残っていたとしても、それは廃墟なのです。
<感謝合掌 平成24年6月19日 頓首再拝>
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