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「ある障害を背負った赤ちゃんと、その両親のお話」  (6188)
日時:2012年01月18日 (水) 07時04分
名前:伝統

       
   *鈴木秀子(文学博士)〜『致知』2011年2月号 より

 いまでも忘れられない話があります。
 かれこれ三十年ほど前になるでしょうか。
 私はあるご夫婦と知り合いました。

 そのご夫婦はともに東北の出身で、
 集団就職でやってきた東京で知り合い結ばれました。
 下町にある小さな町工場で真っ黒になって働き、
 決して豊かとは言えないながらも、仲睦まじく生活していました。

 二人はやがて一人の男の子を授かりました。
 しかし、出産後、医師はなかなか赤ちゃんと会わせようとしてくれません。
 
 しばらくしてご主人は医師に呼ばれて、こう告げられました。


「落ち着いて聞いてください。
 お子さんは重い障害を抱えて生まれてきています。
 おそらくそう長くは生きられないでしょう」

 赤ちゃんを見せられたご主人は、きっと言葉を失ったのではないかと思います。
 目の前にいたのは、頭部が極端に小さい無脳症という
 先天性の病気を抱えた子だったのですから。

 その頃、私はシスターとして、
 死が近づきつつある人たちや重い病気の人たちを
 お訪ねして希望を与える活動を続けていました。
 
 ご主人も私のことを本で読まれていたらしく、
 
 「障害のある子を授かりました。
  命が尽きてしまう前に、鈴木先生に一度会っていただきたいのです。
  他に身寄りのない私たち夫婦の願いです」
  
 と連絡してこられました。
 
 私はすぐに駆けつけました。
 そして病院までの道中、両親はさぞかし泣き崩れていることだろう、
 どのような言葉をかけて勇気づけてあげようかと、
 ずっとそのことばかり考え、心の中で神様にお祈りしていました。

 私が病室をお訪ねした時、
 奥様が毛布にくるまれた赤ちゃんを抱き、
 ベッドの脇でご主人が座っておられました。

 しかし、驚いたことに、病室の雰囲気はとても明るいのです。

 二人は私の訪問をとても喜んでくれました。
 そして赤ちゃんに向かって一所懸命笑顔で語りかけていました。

「鈴木先生が来てくださったよ。本当にありがたいね」

「いまあなたを抱いているのがお母さん。
 横にはちゃんとお父さんもいてくれる。
 だから安心してちょうだいね」

「お父さんも、お母さんもあなたが生まれてきてくれて本当に幸せ。
 お母さんのお腹の中に十か月も一緒にいてくれたものね。
 
 毎日毎日がワクワク、ドキドキだった。
 たくさんの勇気をくれたあなたのことが大好き。
 何があっても守ってあげるからね」

 障害のある赤ちゃんには、両親の言葉は聞こえなかったかもしれません。
 しかし、その病室は、子供が生まれた後、
 どの親も見せるような笑顔や大きな喜びに溢れていました。

 身寄りのない東京で厳しい労働に明け暮れ、
 貧しい生活を強いられている二人は、様々な人生の苦労を味わっていました。
 
 虐げられたり、嘲られたり、孤独に打ちのめされそうになったり、
 人に言えない思いをたくさんしてきたに違いありません。
 
 そんな二人にとって、我が子の誕生はただ一つの明るい希望でした。

 首を長くして待っていた我が子の誕生。
 しかし、その我が子は重い障害を背負って生まれてきた……。
 
 普通であれば精神的などん底に突き落とされたとしても不思議ではありません。
 しかし、この両親は悲しみに暮れることなく、
 長くは生きられないであろう我が子に喜びを語り、限りない愛情を注ぎ続けていたのです。

……………………………………………………………………………………
■赤ちゃんは両親を選んで生まれてくる
……………………………………………………………………………………

 赤ちゃんは両親を選んで誕生してくるといわれています。
 
 魂の成長に必要な両親を自分で選び、
 この世に生を受けて様々な出来事を体験し、多くの大切な人に出会って魂を磨き、
 再び魂の故郷へと帰っていく。

 それが人生なのだと私も考えています。

 この両親も、魂が永遠であることを確信し、そのような人生観をお持ちだったようです。

「あなたは、こんなに貧しく学歴も何もない私たちを
 親として選んでくれたんだね。ありがとう。

 お医者さんからは、この子は短い命で
 この世からすぐに去っていく運命だと聞いているけれども、
 たとえあなたがこの世から去ったとしても、私たちにとっては大事な大事な我が子。
 
 いつまでもいつまでも愛し抜いていくからね」

 このように二人の口から出てくるのは、深い愛情と溢れるばかりの感謝の言葉です。
 恨みめいた言葉は一言も聞くことがありませんでした。

 そして二人は
 
 「あなたには何もしてあげられることがない。
  だから私たちが一番大切なものをあげましょう」
  
 と言って、それぞれの名前から一字を取って
 赤ちゃんに名前を付けてあげました。
 そのことで我が子への永遠の愛の証を刻み込もうとしたのです。

……………………………………………………………………………………
■目の当たりにした人間関係の原点
……………………………………………………………………………………

 私は何も言葉を発せられないまま家族の様子を見守っていたのですが、
 愛に満ち溢れたその場の雰囲気に魂が震え、感動を抑えることができませんでした。


 我が子は間もなく死んでいくのに、
 限られた時間を嘆きや悲しみで汚染してしまうこともできるのに、
 その限られた時間に一生分の愛情を注ぎ続けていこうとする両親の愛が
 私の心に強く伝わってきたからです。

 この両親はエリートでもなければ、お金持ちでもありません。
 社会の隅で目立たず静かに生きている人です。
 
 その名もなき人が愛に満ちた、
 この上ない濃密な時間を過ごしている様子に接して、
 真に人間らしい生き方を教わった気がしました。


 人間関係の原点である愛は、
 地位、名声、お金といったものは一切関係がない。
 目の前で繰り広げられている、まさにこの両親の姿なのだ、との思いに駆られたのです。

 我が子が自分の胎内に十か月いてくれたことを感謝する奥様の姿を見ながら、
 『旧約聖書』の「詩篇」の一節がふと頭をよぎりました。

   主よ、あなたは私の希望。
   ヤーウェ(神)よ。あなたは私の若い時からのささえ。
   母の胎から生まれた時から、
   あなたは私のよりどころ。


 『聖書』には「あわれみ」や「慈しみ」という言葉がたびたび登場しますが、
 もともとのヘブライ語は「母の胎」の意味です。
 
 神の慈しみは、母親の胎と同じだというのです。

 母親は子供を宿している時、無条件に深い愛情を注ぎ、
 胎内の子供もまた、そういう母親の愛に満たされながら 成長を遂げていきます。
 
 そこに一切の打算や損得勘定はありません。
 神様と人間の関係も、そのようなものであることを『聖書』は教えています。
 
 私はバッグの中から『聖書』を取り出し、
 「イザヤ書」の次の言葉をカードに書き写して両親に渡しました。

   女がその乳飲み子を忘れ、その腹の子をあわれまないことがあろうか。
   たとえ彼女らが忘れることがあっても、私はあなたを忘れることはない。

 この言葉に両親の思い、
 そしてそれを見守る神様の思いが
 凝縮されていると感じたからです。 

 悲しいことに、この赤ちゃんは5日間で天国に召されます。
 
 しかし、この両親にとってわずか5日間の親子の触れ合いは、
 本当ならその後何十年にも及んだであろう
 親子関係で築かれる絆以上のものがあったに違いありません。

 そして、二人の言葉を借りれば、
 その後の両親は私が与えたカードの言葉を
 常に心の支えにしながら、
 人間が生かされている存在である喜び、人と人とが繋がって生きている喜びを
 深く噛みしめるようになっていったといいます。

 私は、どんなに貧しく厳しい環境にあっても
 明るく真面目に生きている両親の姿勢を通して、
 人間の幸福、愛の原点というものについて目を開かされました。

 もう三十年も前の話なのに、とても強烈に印象に残っているのは、
 名もなき人の中にこそ神様の姿があることを知ったからだと思います。

            <感謝合掌 平成24年1月18日 頓首再拝>

”3日間命の輝き 天使の幸福” (7288)
日時:2012年03月04日 (日) 06時22分
名前:伝統


          * <毎日JP(100314)より>

<出版>生後3日で逝った娘へ思いつづり 人生に悩む若者から反響

『生後3日で旅立っていった娘。止まらない涙の中で両親が教えられたのは
「今、ここにあることの幸福」だった。

 思いを絵本にまとめ自費出版したところ大反響を呼び、「3日間命の輝き 
 天使になった娘がのこしたもの」として出版された。
 両親の元には、生きづらさを抱える若者たちからも感想が届いている』
                   【小川節子(毎日JP)】

 妊娠7カ月の時、胎児は「18トリソミー」という染色体異常で、長く生きられないと
 告げられた。佐賀市の自営業、千住英正さん(34)とますみさん(35)は結婚3年、
 念願の妊娠だった。

 「無事に生まれてくるのが当たり前」と思っていたますみさんは、親子連れや小さい子を
 目にするのがつらかった。英正さんは「僕たちを悲しませるために生まれてくるんじゃないよ」
 と励ました。

 08年2月10日、出産。
 「心から愛している」という思いを込め、「愛心(まな)」と名付ける。
 一日でも長く生きてほしいと願った。

 でも、抱くことができたのは生まれた直後とその翌日、そして旅立った時の3回だけだった。
 心の準備はしていたが、ますみさんは涙が止まらない。

 救ってくれたのは、夫の言葉だった。
 「いい子だよ。誰もが嫌がる病気を引き受けて天国に持っていってくれた優しい子だよ」

 2カ月後。
 「愛心ちゃんのためにも、笑顔で毎日を暮らそう」と、ますみさんは絵本を書き始めた。

 赤ちゃんは生まれる前神様から、それぞれ意味のあるボールをプレゼントされる。
 このボールの中に「びょうき」のプレゼントが一つ。

 だれもがいやがるものだから、「私がもっていく!」と生まれてきた愛心ちゃん。
 お別れの時間はすぐにきたが、ママは「あの子が喜ぶように、私たちも笑顔でいたい」
 と思う……。

 写真も載せて08年9月に九州地区で1000部自費出版したところ、
 2カ月後には在庫が底をつき増刷。数多くの手紙やメールも寄せられた。

 「生きる意味がわからない」という中学生。
 20代の女性は「死にたかったけれど、大切に生きてみようと思った」。

 福岡県久留米市のシンガー・ソングライター、野田かつひこさんは
 「一輪の花」という歌を作った。

 英正さんは小中学校で命について語っている。
 愛心ちゃんからのパパとママへの宿題は、生きていることに感謝する気持ちを常に持っていること。
 そして、いつも笑っていること。

 その宿題はまだ終わっていないという。

 千住さん夫妻は話す。
 「生きづらさを感じている人たちに、メッセージが少しでも届けば、
 それが娘の3日間の生の証しだと思っています」

<参考Web>

(1)一輪の花 野田かつひこ(動画)
   → http://www.youtube.com/watch?v=yl3qTz4N8lY

(2)3日間 命の輝き
   → http://manas.hannnari.com/
     (動画<you tube>も、是非御覧下さい)

            <感謝合掌 平成24年3月4日 頓首再拝>

かっこいい男の条件 (8871)
日時:2012年05月04日 (金) 04時42分
名前:伝統

 *「お母さんは命がけであなたを生みました」内田美智子・著からの紹介です。
   (P82〜P86)

出産は、何が起こるか分りません。
ハンディキャップを背負って生まれてくる赤ちゃんもいます。

そんなとき、傍らにいる男性が、どんなふうに声をかけてくれるかというのは、
女性にとって、とっても重要なことなんです。

そのときの言葉やふるまい、行ない、その後の夫婦の子育てにつながっていくからです。

男として、人として、どれだけ愛のある行動と決意を示すことができるか、
家族を支えることができるかだと思います。

「かっこいい男」とは、そういう男性ではないでしょうか。

・・・

出産に立ち会った、あるお父さんの言葉が忘れられません。
生まれてきた赤ちゃんは、大きなハンディキャップを抱えていることがわかりました。

お母さんは、やっぱり、赤ちゃんを抱き、その子の顔を見ながら
「ごめんね、ごめんね」と何度も謝り続けていました。

すると、お父さんは言いました。
私が勤務する産婦人科は北九州ですから、そのお父さんは、博多弁でこう言ったのです。

「よかあ。心配せんでよかあ。俺がついてっから、大丈夫たい。
力を合わせて育てような」
赤ちゃんをはさんで、二人が目を合わせました。

お母さんは、そのたった一言で、元気を取り戻しました。

「がんばれる。私、一生がんばれる。これから先、どんなことがあっても、
この人と一緒にやったら、がんばれる」 

いま、その家族は、その子が家庭の中心です。その子を中心に家庭が回っています。
でも、そんなかっこいいお父さんばかりではありません。

ハンディキャップを持って生まれた赤ちゃんを見て、謝り続けるお母さんの横で、
「うちの家系にはおらんとに、どうしてですか?」などと、
私たちに問いただすお父さんもいます。

大きなため息をついた父親もいました。

謝り続けている母親と、これから大きな試練を抱えていくであろう
我が子を目の前にしたとき、
父親が、どんな言葉をかけられるか。

その言葉は、母親にとって、すごく影響力を持っているのです。

   あなたが同じ立場だったら、どうしますか?
   どんな言葉をかけますか?
   女性は男性から、どんな言葉をかけてもらいたいですか?

突然やってきた大きな試練を、これからどうやって乗り越えていくかというときに、
どれだけかっこいいことが言えるか。

「かっこいい」とは、上辺だけでなく、
あなたという人間そのもの、すべてをひっくるめて、
パートナーと子どもを支えていくということを示すことができるかどうかです。

まだ結婚を考えたこともない若い人たちは、将来の家庭のあり方など考えられないかもしれません。
でも、そんなパートナーと出会い、一緒に歩いていかないと、
子育てもできないし、一生仲良く暮していくことも難しい。

「かっこいい」パートナーと出会えるような恋を、若いころから経験してほしい。

結婚するときに、そういう人を見つければいいや、と思っているでしょ。
そんな恋をしている人に、大人になって、都合よく「かっこいい人」が
現れると思いますか?

いま、誰とどのように出会って、どんな人を好きになっていくか。
それは、とても大事なことなのです。
いま、もし恋の練習中なら、練習のときから素敵な恋をすることです。

だから、いまが大事。
お互いに支え合えるような人と巡り合っているのかどうかを考えてみてください。
本当に、いま、この人と一緒にいていいのかどうか。
そんなことを考えながら、恋をしてくださいね。

    *多くの部分は、掲示板”生長の家「本流復活」について考える”
      1365 :うのはな:2012/03/15(木) 17:32:08 より拝借しました。
     ”うのはな さま ”には、いつも気づきを頂いており、
     心より感謝申し上げます。



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