第一章 天皇 (981) |
- 日時:2011年05月05日 (木) 12時53分
名前:伝統
①第一章 天皇
天皇は、天照御大神と同一身にましまし、宇宙最高の唯一神、宇宙統治の最高神。
國憲・國法・宗教・道徳・學問、藝術乃至凡百の諸道悉皆(しっかい) 天皇に歸一せしむるための方便門なり。
即ち 天皇は絶對にましまし、自己は無なりの自覺に至らしむもの、諸道諸學の最大使命なり。
無なるが故に、宇宙悉く 天皇の顯現にして、大にしては上三十三天、 下奈落の極底(ごくてい)に貫き、 横に盡十方に亘る姿となり、小にしては、森羅万象 天皇の御姿ならざるはなく、 垣根に喞(すだ)く虫の音も、そよと吹く春の小風も皆 天皇の顯現ならざるなし。
釈迦を信じ、「キリスト」を仰ぎ、孔子を尊ぶの迂愚(うぐ)を止めよ。 宇宙一神、最高の眞理具現者、天皇を仰信(こうしん)せよ。萬古 天皇を仰げ。
日本臣民は自己の救濟を目的とせずして、皇威伸張を目的とせざるべからず。 勿論自己は 皇威に於て救はる。 然れども救はれんがために 皇威伸張を念願するにあらず。
天皇の御前には自己は無なり。 君民一如の自己尊きにあらず。自己に體現せられたる 天皇の尊きなり。
天皇への修養即ち 忠は、飽く迄も 天皇其れ自體のためならざるべからず。 悉皆無所得 悉皆無所得、 天皇は人生のためのものにあらず、 人生、 天皇のためのものなり。
大楠公の歌へる
身のために君を思ふは二心 君のためには身をも思はじ
天皇は國家のためのものにあらず、國家 は天皇のためにあり。
此の大自覺は、世上的價値を倒換して、 永遠悠久の 天皇に唯一最高の價値を認むる時、單純極めて明白に現れ来る。
魂の救ひ永遠の幸福が究竟の目的ならば、 天皇は手段方便にして最高の存在に非ず。
自己の學殖・職業乃至生活程度によりて、 尊皇の程度に上下あらば、其は自己中心の人物なり。
唯々身心を捨て果てゝ、更に何物をも望むことなく、只管に 天皇に歸一せよ。
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