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No.223 巨石観察ノート 2014年版21 奈良県山添村菅生地区 あたごさん巨石 投稿者:滝おやじ     投稿日:2014年10月13日 (月) 20時35分 [返信]

画像:あたごさん全景 ゴジラの背中のトゲみたいな、花崗岩離れした特異な形の巨石
花崗岩の巨石地形事例を集めるため、各地を回っています。
最近、奈良県の花崗岩分布地を廻ってきました。その際に、「山添村イワクラMap」というパンフの写真に惹かれて、山添村菅生の「あたごさん」を見に行きました。
 <到達ルート> 国道25号を山添村菅生まで行けば、道ばたにあります。
世界座標 緯度  N34°40′19.00″ 経度 E136°02′29.59″
5万地形図「上野」、2.5万地形図「月ヶ瀬」図幅内。 国道25号沿いにあり、道路反対側に広い駐車スペースもあります。
 <発端>
「山添村イワクラMap」に、「菅生あたごさん」として紹介されていた岩塊です。
 丘の上に露出した岩が60°位傾いて立っていて、自重で開口して3つに割れています。花崗岩の露岩地形ではあまり見かけない形なので興味を持って訪れてみました。
 現地は、大和高原地域に当たり、マサ化した低い山地を解析する谷の谷底にありました。地質は、5万地質図「上野」によると、白亜紀後期の花崗岩貫入岩体の一つで、城立(じょうりゅう・・・地名)トーナル岩(花崗岩の一種)という岩石です。
 周りの山々の岩石はほとんど風化してマサになっていて、要するに砂山みたいなものですが、そのうちに未風化の部分があり、未風化の地中塔頂部が沖積平野上に露出し、離れ島地形の小丘になっているものです。
 この巨岩の形について結論を言うと、
(1) 地中にある時から、トーナル岩の片麻構造に沿って急角度に傾いた割れ目が岩盤中にあり、傾いた節理系であった。
(2) それが、地表に露出し丘の稜線の露岩となって、周囲の岩塊が落下し、傾いた立石が形成された。
(3) その後、更に立石内に、自重による割れ目が入り、片麻構造の方向に沿って3つに裂けた。
 ・・・といえます。(続く)

No.224 城立トーナル岩の岩相と弱線 投稿者:滝おやじ     投稿日:2014年10月16日 (木) 10時12分

 画像:小丘基部のトーナル岩表面を撮影したもの。画像幅150mmぐらい。

 丘の上のゴジラのトゲのような石は、根石か浮き石かといいますと、小丘の先端と側面にも岩盤が見えますし、浮き石だったら倒れてしまうほど傾いていますので、傾いて立っている露岩は根石なのは確実です。
 この岩石は、5万地質図を見ると、白亜紀後期の花崗岩類で、城立トーナル岩となっていて、花崗岩の一種ですが、普通の花崗岩と見かけが少々違います。

 トーナル岩とは・・・花崗岩類の一種。珪長質鉱物(白色の鉱物、石英・正長石・斜長石など)のうち石英と斜長石が多く、正長石がほとんどないタイプの花崗岩。石英と斜長石、および有色鉱物からなる深成岩。石英閃緑岩よりも石英が多いものを指す・・・とのこと。
 さらに、城立トーナル岩とは、5万地質図「上野」の記載によると・・・・珪長質鉱物と苦鉄質鉱物がそれぞれ卓越した縞状構造(片麻状構造)が著しい。この構造は,(図幅)南端西半部で走向が東―西性で北へ30°〜50°程度傾斜する。・・・・・とのこと。
 画像で見ると、白い鉱物(白が斜長石、灰色が石英かな)と黒い鉱物(黒雲母)が、縞状(片麻構造)になっています。縞の傾斜面は、向きは東西、50°ほどの傾斜で北落ちになっています。
 片麻構造とは、鉱物の配列の縞状構造をいうのだと思いますが、露頭で見ると片麻構造と平行する微細な割れ目がたくさん入っているのが分かります。そして、それが連続して大きな割れ目にもなっています。
 地下での節理系や、地表に露出後の重力破断割れ目は、この片麻構造に沿った岩石の弱線に沿っているようです。 つまり、片麻構造と同一の方向の割れ目が発達する傾向があるようです。
 この、片麻構造に起因する風化割れ目が発達し、同じ方向に割れ目が反復する形が、この岩石の風化形の特徴のようです。

No.225 あたごさん丘の傾いて立っている露岩は、 投稿者:滝おやじ     投稿日:2014年10月20日 (月) 00時49分

未風化な岩石が、地中塔の形で小丘になって露出し、その頂部が丘の上に根石になって露出したものです。
 あたごさんの丘で、割れ目を側方から見る方向で、側図してみました。
 小丘の基部に見える岩盤の割れ目方向と、小丘上の傾いた立石露岩の割れ目方向が同じことが分かります。
 露出部分では、岩石内部の片麻構造に沿って、更に割れ目が入り、岩石が破断しているといえます。
 なお、岩の形は、東西方向北落ちの割れ目のほかに、それに直交する、南北方向・垂直な割れ目により、岩が柱状になっています。南北方向の割れ目は、直線的で節理系と思われます。

 再度まとめますと、
 あたごさんの丘で、岩の形が、通常の花崗岩類の形と違った形である理由は、城立トーナル岩の岩相と普通の花崗岩類の岩相との違いによると思われます。
 すなわち、一般の花崗岩は、組織が均質なため、地中でも垂直な節理が発達し、直方体の未風化ブロックができた後、それが周囲から風化して球状のコアストーンを作ります。その後、地表に露出すると、組織が均質なため、もともとの節理面かコアストーンの傾斜方向に割れていきます。
 一方、城立トーナル岩の岩質は、組織が不均質・片状の片麻構造を持つため、地中でも片麻構造に沿って傾いた節理が発達し、傾いた形の未風化ブロックができると思われます。その後、地表に露出すると、組織が不均質・片状の片麻構造を持つため、岩石の片麻構造に沿って重力破断割れ目が発達しやすいためと思われます。

No.226 詳細情報を拙HPの出向記録にアップ 投稿者:滝おやじ     投稿日:2014年10月22日 (水) 23時50分

あたごさんの巨石について、拙HPの巨石奇石巡り記録の項にアップしました。
上述掲示板の情報より詳しい情報ですが、結論は変わりませんので、ご興味のある方がのぞいてくだされば幸甚でございます。



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