死後の処置について。 |
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リクエストがあったので、今回は「死後の処置」についてです。 皆さんはもう患者さんの死に立会いましたか? 私は就職してまだ1ヶ月ですが、すでに患者さんが4名ほど亡くなっています。 死後の処置も先日、やらせてもらいました。 まだ、体は温かいのに・・・と思いながら、硬くなる前にテキパキ処置をしなければならないのは、結構辛いものがあります。 まだ経験していない人は、今後の参考にしてみてください。
患者が死亡することを、臨床では一般にステルベンといいます。ステルベンに伴う死後の処置は、すべての科に共通する技術ですが、その頻度が最も高いのは老人病棟です。私の職場は、まさにコレですね(^-^;)
(1)死の前段階 一般に患者が死に向かうまでは、おおむね3つのパターンに分けられます。
@患者・家族がすでに死を容認している場合(ナチュラル・コース) A容態が急変し、蘇生ができなかった場合 Bいつの間にか死亡していた場合
@は最も安心 Aは最も残酷 Bは夜勤帯に多い らしいです。
(2)死亡確認 患者の生命徴候が消失した時点で医師が確認します。 一般臨床では、@心停止、A瞳孔散大、B呼吸停止の3徴候の消失をもって死亡を確認します。 この時、医師が腕時計をしていないと、死亡時間を確認できないので、その時はさりげなく自分の腕時計を貸してあげましょう!・・・って、ふざけた話だけどね(^-^;)
(3)遺体と遺族の時間 通常、死亡確認をしてもすぐに死後の処置を開始するわけではありません。5〜10分くらい、遺体と遺族をのこして医師と看護者は席を外します。頃合いを見計らい、遺族に「そろそろ死後の処置をしたいのですが、よろしいでしょうか」などと声をかけます。死後の処置は、個室なら部屋で、大部屋なら霊安室で行なうのが一般的ですが、病院によりまちまちです。先日は、大部屋の方を、たまたま空いていた個室に移動させて処置しました。
(4)葬儀屋の手配 忘れてならないのが葬儀屋の手配です、通常、遺族に確認し手続きをしてもらいます。病院によっては遺体を預かることができず、速やかに搬送しなければならないところもあります。葬儀屋には、死後の処置が終わった頃に病院に来てもらうようにします。・・・でも、この前は処置前にもう来てた・・・素早い・・・。
(5)死後の処置の必要物品 @エンゼルセット 青梅綿(水分を通さないベージュ色っぽい綿)、脱脂綿、わりばし、白布、T字帯、包帯、大綿棒、竹串、カミソリ、マスク。 A清拭用具、本人のタオル(捨ててよいもの) B着替えの寝衣 C包帯交換セット D結髪美容 Eタオルケット
(6)方法 病院によって若干の違いがあると思いますが、一般的な方法を示します。
@不必要な物品の除去:急変を経て死亡した場合、身体にはさまざまな管やモニターが接続されているので、まずそれらの物品を外す。点滴を外したときはしっかり止血を行なう。ベッド周りを整頓し、シーツ1枚にする。 Aベッド周りを整頓したら、タオルケットなどをかけ、親族に冷水と大綿棒を(死水)を渡し、しばらく親族のお別れ時間をとる。死水で唇をしめらせてもらう。・・・こんなのやらなかったけど??? B死後の処置は、希望があれば親族と一緒に行なう。まず、腹部を圧迫し、排尿と排便を促す。・・・結構出ます。思いのほか。 C創がある場合は、新しいガーゼや包帯を巻く。なるべく目立たないよう、きれいに処置する。 D全身清拭:通常の方法で全身清拭を行なうが、消毒薬を使用する場合もある。タオルは本人のもので、捨ててもよい物を使用する。ちゃんと温かいタオルで拭いてあげましょうね! E口腔清拭:義歯の有無を必ず確認し、義歯の場合はしっかり固定する。 F身体の各腔に綿をつめて浸出液が流出しないようにする。鼻、口、耳、**、肛門の順に脱脂綿、青梅綿、脱脂綿の順でわりばしや竹串で詰める。しっかり奥まで詰め込み、綿花が外から見えないようにする。鼻は形が変わらないように、気をつけて詰めるのがポイント。 G身体の処置が整ったら、T字帯をあて寝衣を着せる。このとき襟を左前にするのがポイント。また、紐は立て結びにする。立て結びとは、蝶々結びのわっかを上下にして結ぶ方法。 H整髪:男性はひげを剃り、女性は化粧をする。まちがっても男性に化粧をしてはいけない。化粧はあくまで最小限。 I口は閉じておくが、顎下部がかみ合わない場合は頭丁部から顎を包帯で巻き、硬直するまで口を閉じておく。また、眼が閉じない場合は、眼瞼と眼球の間に小さく切ったティッシュペーパーを入れて閉じさせる。 J心窩部の上で手と手を合わせ合掌させる。左親指が身体につくように、左指を手前にして手を組ませる。合掌させたら硬直するまで包帯で縛っておく。(包帯ではなく、専用の白いバンドを使ったりもします。) K身体にシーツを、顔に白布をかけて、最後に処置者が合掌して終了。必要物品を片付け部屋を出る。 L遺体を搬送する際は、頭を前にしてストレッチャーを進める。一般的には他の病室のドアを閉めて搬出するが、ホスピスや終末期病棟では全室のドアを開放し、全員で見送るという施設もある。 ・・・死に対する考え方もさまざまである。
死後の処置のポイントは、遺体をいかにきれいに見せるかということです。慌てたり、手抜きをしたりしてはいけません。看護は人の最後を看取る仕事です。最後までプロの仕事をしなければなりません。辛いけど、泣いてはダメよ!
というわけで、終わり。またまた長くなってしまった(T_T) |
| (4)投稿日:2002年05月10日 (金) 16時46分
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