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「コレステロールの摂りすぎは体に悪い」はもう古い |
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ごまご
(372)投稿日:2005年07月15日 (金) 05時54分
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栄養関係の医学専門誌の総説を読んでいて、びっくりしたので、雑学辞典にくわえます。
コレステロールの多い食品をとったからといって、体には悪くない、という事実・・・
私自身知りませんでした。
血中にあるコレステロールは体の中にはとりこまれたコレステロールを運ぶLDLに結合したものと、蓄積したコレステロールを除くHDLがあり、このうち、除くほうは体にとって善玉、運びこむほうは悪玉であることが知られています。ところが、血中の悪玉のLDLコレステロールの量は、基本的に食品の中に含まれるコレステロールの量ではなく、飽和・不飽和脂肪酸の量で決まるです。
ですから、体に悪いのは、脂肪の多い食事で、これが高コレステロール血症、ひいては高血圧、梗塞の原因となります。
では、どうして、「一日300mg以下にコレステロール摂取を下げること」といわれるようになったのでしょうか?これが、このレビューに書いてありました。1990年ごろ、高脂血症のある患者についてカロリー摂取全量の30%以下の脂肪、300mg以下のコレステロール摂取が治療に有効であるということがわかり、米国でさらに拡げて「一般に300mg以下のコレステロール摂取に抑えたほうがいい」というガイドラインが作られたのです。これを習って、多くの国がこのガイドラインを導入しました。ところが、その後、先にあげたような事実が明らかになりました。ついにカナダでは、このガイドラインを変え、「体のために、コレステロール量ではなく、飽和・不飽和脂肪のとりすぎを避けよう」という具合にガイドラインを変更しました。
それにしてもこの「コレステロールの摂りすぎはよくない」は私が以前「ゆでたまご」のところで気にかけていたように、もっとも影響を受けたのは鶏卵販売業界です。タマゴ1つで300mgいってしまうんですから。鶏卵販売業界は本気でこの科学的事実を徹底すべく活躍しているようですが、今後、みなさんが聞かれたとき、「こいつら、自分に都合のいいことばかりいいやがって」と思われないでくださいね。
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