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よみましたん。 |
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From:吉田トオル(うずまき団広報部)
少し前の日記(2002年1月6日)の中からリンクしてあった文章「モーリッツ・コーエン」をば読んだですよ。
以前は、読んだ事なかったから分かりませんでしたけど、いつだったかに山田正紀の本を1冊読んだ今は『なかがきさんの文章は山田正紀に似てる、それも「ちょっと」じゃなくて「けっこう」』だと感じられました、以前の文章の反省のところでもご本人が触れてらっしゃいますが。
さておき。 何となく思ったのは、形容詞や表現がいちいち大仰な感じがする、という事。キャラクタのお芝居もストレート。ベンチに捨てて(置いて)あった新聞にラクガキしてあったからって、人はそんなに大仰に顔しかめないです、きっと。僕だったら『眉をひそめた。』程度な表現にします。 それと関連すると思いますが、誰かが何かするたびにその行動を示す文章にいちいち一生懸命形容詞を入れようとしてるよう見受けられました。何気ないレベルの動作とか、さらっと流しといても良いと思います。
あとは細かい話ですが、『のっぴきならない』とか『やおら』というような今風でなく普段あまり見ないような印象の語句は、用いるとその単語自体に目がとまって(意識がそれて)若い読者のノリが減衰すると思います。
さらに細かい具体的な添削をひとつ。以下本文より引用。
モーリッツは一貫して無表情で、外見には至って平静そのものに見える。モーリッツはこれでなかなか図太いのだ。それはモーリッツを知る人間であれば、誰もが顔をしかめてそう証言するほど折り紙付きの図太さだった。 だが、この状況ではさすがのモーリッツも心の中で悪態をつかずにはいられない。とんだ災難だった。つい数秒前の寛いだ気分はとうにふっ飛んでいた。 恐そうな若者が目の前に来てちょっと主人公が焦る場面。 先ほど触れた『形容が濃い』に抵触し、加えて緊迫してる状況なのに、主人公は図太い人であると知人に思われている事を書いてる部分がテンポを落としてると思います。僕ならば、その部分をもうすこし短く省略して、文を切らずにそのまま続けます。
なかなか図太い男だと周囲から思われ実際そうであるモーリッツであるが、平静を装いつつもこの状況ではさすがの彼も心の中で悪態をつかずにはいられない。とんだ災難だ。つい数秒前の寛いだ気分はとうにふっ飛んでいた。
元の文を活かして変えればこんな感じ?ちょっと上手くないけど、まあ意図は汲んでください)。あと、その後に続く『とんだ災難だった。』は『とんだ災難だ。』とした方が、テンポが上がると思います。文章としては主観っぽい感じが強くなってしますけどね。
とりあえずこんなところで。 『面白かったです/良かったです、頑張ってください応援してます。』というような感想は、なかがきさんも望んでないと思ったので書いてみましたが、まぁ文章素人の知ったかぶり意見なので、小うるさいと思ったら聞き流しといてください。
2002年01月16日 (水) 12時19分
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参考になります |
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From:なかがき(うずまき団応援部)
どうもです。貴重なお時間いただき感謝いたします。
> 一生懸命形容詞を入れようとしてるよう見受けられました
ズバリですね。 僕もそう思ってたんですよ。やっぱり他の人が読んでもそう感じるんですね。 困ったことに、一生懸命修飾語を付けようとしているのではなく、普通に書いていくとそうなっちゃうんですよ。 あとから、ガツガツ削っていってるんですが、「あー、このニュアンスは残したいなー」と思ったり、酷いときには、その作業中に「あ、こういうことも説明しとかなきゃ駄目じゃん」とさらに文章を付け加えてしまったりします。にんにん。
> 形容詞や表現がいちいち大仰な感じがする
> 今風でなく普段あまり見ないような印象の語句
> テンポ
なるほど、ですね。 やはり、ちょっと気負って背伸びしてたところがあるのかもしれません。 常に80%ぐらいの力加減で書くのが良いのかもしれませんね。 少し注意して書くようにしてみます。 ありがとうございました。
2002年01月16日 (水) 14時49分
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From:オレ
> 形容詞や表現がいちいち大仰な感じがする
> 今風でなく普段あまり見ないような印象の語句
> テンポ
ボク的にはここらへんは、作者の特徴として許容範囲だと思ったんですが。 フラットな文章にしたいなら別だけど、まだなかがきさんの目指すところがわかっていないので……。 それでもまあ、指摘しておくのはいいことだと思うので、トオルさんの意見に反対しているわけではありません。ただ、無理に直さなくても、オレは今回の文の特徴結構好きだったよということです。 創元推理文庫のラヴクラフトの翻訳なんかを読んでいると、今回のなかがきさん以上に形容詞などでゴテゴテで重い文がよく出てきます。はっきりいって良文とは言えません。それでもファンはついてずっと売れてるし、ラヴクラフトは20世紀を代表する作家になってるしね。
ただ、文章に破綻があったら私も言いますよ。今回のなかがきさんのは、無為に直すには惜しい特徴といったところだと私は感じてるということです。
2002年01月17日 (木) 20時49分
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From:吉田トオル(うずまき団広報部)
えーと、つまりは、なかがきさんはどういうジャンルというかどういう層向けの文章書きたいのかしらん、というところを僕が存じ上げないので、自分の好みだけで言い放ってるわけですね。 僕の好みや意見に合わせると、ライトノベルというか最近ではヤングアダルト向けといわれる方向へ行くかと思います。ぶっちゃけちゃれば富士見とか電撃とかかな...最近自分が目にする活字のうち、けっこうな量はそういう文庫な気がするし(ちょっと哀しい感じだ)。なかがきさんはそういうところへ行きたいわけではないのですよねぇ??
とはいえ、あんまり軽すぎるのは好みでないですけど(テンポが良いのと中身ないのは違うと思うし、中身ない上にテンポ悪いやつも居るし。ちなみに赤川次郎を20ぐらいに初めて1冊読んだのですがこれが国民的人気作家(?)かと愕然としましたん)、重すぎる文章はイライラするのでもっと好みでないです(自分はラブクラフトはインスマウスひとつ読んで挫折したクチ)。短い言葉でたくさん説明出来る人の文章が好みです(難度も言う気がするが大原まり子の『アルカイック・ステイツ』の文章はかなり凄いです(他んところも凄いけど)。見たらビビるって。←信者の言う事は本気で信じてはいけません)
おまけ。
>あとから、ガツガツ削っていってるんですが、>「あー、このニュアンスは残したいなー」と思>ったり、酷いときには、その作業中に「あ、こ>ういうことも説明しとかなきゃ駄目じゃん」と>さらに文章を付け加えてしまったりします。に>んにん。
僕もなかば遊びで短い小説もどきを書くことがありますけど、けっこう良くありますよ。見直してる最中に、ついついアレも入れなきゃコレも入れなきゃってどんどん足してしまう事が。結局、色々足した後で再び見直して、別のところを削ったりしています(ワープロって便利だと思う)。...というふうに、ちょこちょこイジる作業ってなんか楽しいよね。
2002年01月17日 (木) 23時06分
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そうですよね。なかがきさんの目指す方向によるんです。 |
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From:オレ
まあ、古来から、削るか残すか迷ったら削れ、とはいいますよね。
2002年01月17日 (木) 23時31分
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