忘れていた思いが…記憶が戻ってきました。
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あの頃の私は…余りにも幼すぎたし…余りにもまだ想いが淡すぎた。
今になって思えば…って、
そんなことばかり考えてしまう。
今になって思えば…すごく大事にされてたんだ…私。
今になって思えば…すごく愛されてたんだ…私。
私のために変わってくれて…
そして「人から愛される」事を私に教えてくれた
あの人。
なのに…。
私から一方的に「さよなら」して、
あの人にとっては…それは多分 余りに突然で…
だって、前日までは普通に楽しく過ごしてたし…。
「別れを切り出すときは、嫌いになったと言ってくれ。あなたが悪いわけじゃない…とか言うのは絶対やめてくれよな」
って、付き合い初めに言われてたのに…
「今も、これからもあなたの事が大好きだよ。
あなたが悪い訳じゃない。私のわがまま。
ごめんなさい。もうあなたのところへ帰れない」
って、ずるいよね…私。でも本心だった。
…じゃ、なんで別れたの…って
ここでは言えないけど…
それからしばらくして、雨の夜更けに突然電話して
「迎えに来て」って…。そんなわがまま…
でも、すぐに車ぶっ飛ばして来てくれた。
「俺のこだわり」と言ってた
トレードマークの口ひげが無くなって、
童顔に見えた。
「お前が、似合うって言っていつも触ってたから…。
鏡見る度 つらいから…。」って…、
頑張って明るく言ってたね…。
「な…なんかあったら いつでも電話しろよ。
俺はどこにでもすぐに飛んで行くから…。」
なんともない素振りをしてウインドーを閉めて
ちょっと考えてから出発したね…。
カッコ良く手を挙げてこちらを振り向かないように。
でもバックミラーでこっち見たの知ってるよ…。
だって「…ごめんなさい」ってバックミラーに向かって言ったから…。
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…ずっと忘れてた…。
あれから数年後、結婚して子供が生まれて、
子供が恋愛するのを微笑ましくもハラハラしながら見守っている今になって…
18年…、
18年も経つんだ…(しまった年がばれた)
まさか今になって、あの頃の事を…こんなに鮮明に思い出すなんて…
ビックリした。
唐黍さんマジック。