白樺 北原白秋 清■すが■しきは雪に立つもの、 白樺■しらかば■の林よ、げに しろき木肌■こはだ■、 そは真**■まをとめ■ 幽■かす■けさよ、雪の渓■たに■に 直立■すぐた■ち、ほそき幹■みき■の 雪よりも光帯びて 日は曇り、しろき真昼■まひる■、 声も無し、このかがやき、 風も無し、色ひといろ。 閑■しづ■けさよ、興安嶺■こうあんれい■、 ひえびえとけむる梢■こずゑ■、 鷹■たか■すらも一羽飛ばず。 何■なに■すとか、ここに住む 白系露西亜■はくけいロシア■、 貧しきは清■きよ■らかに窓■まど■ひらきて、 白夜■はくや■ともほのあかる 空■そら■ひととき、 白樺の林よ、げに 光る神々。